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第7章 8 オリエンテーリング ⑤
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ヒルダ達はオリエンテーリングの2日間滞在する宿泊所にやって来ていた。この宿泊所は4人部屋となっており、ヒルダはマドレーヌの他に、ジャスミンとキャロルと言う名前の女子学生と同室になった。彼女たちはヒルダと殆ど接点が無かったが、
すぐに意気投合した。
「それにしても、どうしてこんな事に参加しなくちゃならないのかしら。」
荷物整理をしながらジャスミンが口をとがらせている。
「そうよね~。私もそう思うわ。こんな行事をやるくらいなら授業をして欲しいわ。」
特進クラスの生徒らしい発言をしたのはキャロルである。
「ええ・・・。私も本当は参加したくないんだけどマイクが・・・。」
ヒルダもつい愚痴をこぼしてしまった。
「本当ね!マイクって横暴だわ。1年生の時はあんな人だとは思わなかったわよ。ちょっといいかな~って思っていたけど・・・あの時のホームルームは最悪だったわ。彼のせいでクラスの雰囲気がおかしくなってしまったんだから。」
ジャスミンは憤慨しながら荷物を次々と出している。
「ヒルダ、いい。今日オリエンテーリングの下見に行くけど・・ほんの少しでも無理そうだと思ったら、絶対に先生に話して参加を辞退させて貰った方がいいわよ?」
マドレーヌは真剣な顔でヒルダの両肩に手を置くと言った。
「え、ええ・・・そうね。そうさせて貰うわ。」
ヒルダは返事をしたが、心の中は不安で一杯だった。マイクが自分に異常な執着心を持っている事に薄々気が付いていたからだ。
(仮に私が辞退すると言ったら・・・マイクはどんな顔をするかしら・・。)
ヒルダは不安な気持ちを押し殺しながら荷物の整理を続けた―。
それから約1時間後―。
生徒たちは教師の指示に従い、宿泊施設の前に集合していた。
「よし。全員揃ったな。それではコースの下見に行くぞ。クラスごとに固まって行くんだ。各クラスの委員長はしっかり誘導するように。」
学年主任の男性教師の言葉にそれぞれのクラス委員長があちこちで声を張り上げて、クラスメイト達を集合させていた。
「みんなーっ!早く集まってくれっ!他のクラスに後れを取るわけにはいかないからなっ!」
マイクがクラスメイト達を集めているが、今ではすっかり信用を無くしている為にクラス全体のまとまりが悪い。特にマイクに名指しされて批判された生徒たちはあからさまにマイクに聞こえるように文句を言っている。
「何だよ、あいつめ・・・。」
「私、あんな人の言う事聞きたくないわ・・。」
「マイクの説明なんか必要無いだろう。」
それを聞いたマイクは眉間に皺を寄せると言った。
「君達っ!今何て言ったか聞こえたぞ?!オリエンテーリングにちゃんと参加しないと成績に響く事を知らないのかい?!クラス委員長が君達を評価して先生に報告するんだからな?この評価は前期の成績に大きく係わって来るって言う事を念頭に置いて行動する事だね。」
それを聞いたクラスメイト達はどよめいた。しかし、今や主導権はマイクに移動してしまっている。彼らは反発心を持ちながらもマイクに従うしか無かった。
「何よ・・・あれではまるで脅迫だわ。」
マドレーヌが悔しそうに下唇を噛む。
(困ったわ・・・。就職するのだって学校の成績が重要になってくるのに・・やっぱり例え足場が悪い場所があってもオリエンテーリングを辞退する事は難しそうね・・。)
ヒルダもオリエンテーリングを辞退する事を諦めるしかなかった―。
すぐに意気投合した。
「それにしても、どうしてこんな事に参加しなくちゃならないのかしら。」
荷物整理をしながらジャスミンが口をとがらせている。
「そうよね~。私もそう思うわ。こんな行事をやるくらいなら授業をして欲しいわ。」
特進クラスの生徒らしい発言をしたのはキャロルである。
「ええ・・・。私も本当は参加したくないんだけどマイクが・・・。」
ヒルダもつい愚痴をこぼしてしまった。
「本当ね!マイクって横暴だわ。1年生の時はあんな人だとは思わなかったわよ。ちょっといいかな~って思っていたけど・・・あの時のホームルームは最悪だったわ。彼のせいでクラスの雰囲気がおかしくなってしまったんだから。」
ジャスミンは憤慨しながら荷物を次々と出している。
「ヒルダ、いい。今日オリエンテーリングの下見に行くけど・・ほんの少しでも無理そうだと思ったら、絶対に先生に話して参加を辞退させて貰った方がいいわよ?」
マドレーヌは真剣な顔でヒルダの両肩に手を置くと言った。
「え、ええ・・・そうね。そうさせて貰うわ。」
ヒルダは返事をしたが、心の中は不安で一杯だった。マイクが自分に異常な執着心を持っている事に薄々気が付いていたからだ。
(仮に私が辞退すると言ったら・・・マイクはどんな顔をするかしら・・。)
ヒルダは不安な気持ちを押し殺しながら荷物の整理を続けた―。
それから約1時間後―。
生徒たちは教師の指示に従い、宿泊施設の前に集合していた。
「よし。全員揃ったな。それではコースの下見に行くぞ。クラスごとに固まって行くんだ。各クラスの委員長はしっかり誘導するように。」
学年主任の男性教師の言葉にそれぞれのクラス委員長があちこちで声を張り上げて、クラスメイト達を集合させていた。
「みんなーっ!早く集まってくれっ!他のクラスに後れを取るわけにはいかないからなっ!」
マイクがクラスメイト達を集めているが、今ではすっかり信用を無くしている為にクラス全体のまとまりが悪い。特にマイクに名指しされて批判された生徒たちはあからさまにマイクに聞こえるように文句を言っている。
「何だよ、あいつめ・・・。」
「私、あんな人の言う事聞きたくないわ・・。」
「マイクの説明なんか必要無いだろう。」
それを聞いたマイクは眉間に皺を寄せると言った。
「君達っ!今何て言ったか聞こえたぞ?!オリエンテーリングにちゃんと参加しないと成績に響く事を知らないのかい?!クラス委員長が君達を評価して先生に報告するんだからな?この評価は前期の成績に大きく係わって来るって言う事を念頭に置いて行動する事だね。」
それを聞いたクラスメイト達はどよめいた。しかし、今や主導権はマイクに移動してしまっている。彼らは反発心を持ちながらもマイクに従うしか無かった。
「何よ・・・あれではまるで脅迫だわ。」
マドレーヌが悔しそうに下唇を噛む。
(困ったわ・・・。就職するのだって学校の成績が重要になってくるのに・・やっぱり例え足場が悪い場所があってもオリエンテーリングを辞退する事は難しそうね・・。)
ヒルダもオリエンテーリングを辞退する事を諦めるしかなかった―。
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