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第7章 6 オリエンテーリング ③
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「マイク、この際だからはっきり言わせて貰うわ。私はマイクとヒルダを2人きりにさせたくないの。私には関係ない話かもしれないけど同席させて貰うわよ。いいわよね、ヒルダ。」
マドレーヌはマイクに言った。
「だけど、マドレーヌ。それは・・・。」
マイクが言いかけるとヒルダが口を開いた。
「ええ。私も・・マドレーヌがいてくれないと話を聞きたくないわ。」
ヒルダはマイクと視線を合わせないように言う。マイクは溜息をつくと地図と地図記号を見せながら言った。
「分ったよ・・・ヒルダがそこまで言うなら仕方が無いね。明日は本来ならスタート地点から10カ所のポイントを回るけど、僕たちは半分の5カ所のポイントを回るようにさせてもらったんだよ。ポイントには先生たちもいるから、どうしても辛くなったらヒルダはリタイヤしても構わないよ。勿論、僕たちが通過するポイントは平坦な道ばかりだから何も心配しなくていいし、ヒルダの荷物は僕が全部持ってあげるからね?」
マイクは出来るだけ優しい声で説明するが、ヒルダの表情はどんどん曇っていく。
(この地図・・・よく見ると、木も沢山生えている場所を通るみたい・・・幾ら平坦でも足場が悪そうだわ・・溝や穴も空いている場所があるし・・。こんな場所をマイクと2人きりで回らないといけないなんて・・。)
実はヒルダはオリエンテーリングの競技について、事前にどのようなものが自分自身で調べていたのである。地図の地形の見方や記号・・なのでマイクが見せた地図を見ただけで、何となく頭の中でどのような場所なのかヒルダには想像する事が出来たのである。
マイクは熱弁してヒルダに説明をしていたので、ヒルダの表情の変化に気付いてはいなかった。しかし、マドレーヌはヒルダの様子がおかしいことに気が付いた。
「大丈夫、ヒルダ。何だか顔色が悪いわよ。」
マドレーヌはヒルダに声を掛けた。
「え、ええ・・・少し船に酔ったのかもしれないわ。」
ヒルダは頭を押さえながら言う。
「え?大丈夫かい?ヒルダ。横になって休んだほうがいいよ。僕が付き添いしてあげるから。」
しかし、マドレーヌはピシャリと言った。
「マイク、ヒルダは女の子なのよ?男の人がむやみに付き添うべきじゃないわ。私がヒルダを見てるから、貴方はもう行って頂戴。ヒルダは私が見ているから。」
「わ・・わかったよ・・マドレーヌ。君の言う通りにするよ。・・またねヒルダ。」
しかし、ヒルダは返事をせずに頷くだけだった。マイクは溜息をつくと、客室を出て行った。
マドレーヌはマイクが出ていくのを見届けるとヒルダに声を掛けた。
「ヒルダ、本当に大丈夫?すごく具合が悪そうに見えるけど・・・。」
「ええ・・マイクが見せてくれたオリエンテーリングの地図を見ていたら気分が悪くなってしまって・・・・。出来れば参加したくないけどマイクが先生方に行って特別コースを作ってもらったなら・・参加を辞退したいなんて言えないわよね・・。」
「ヒルダ・・・。」
マドレーヌはヒルダを心配そうに見つめるのだった。
一方、客室を出たマイクは甲板の上で1人で海を眺めていた。
(ヒルダ・・・。明らかに僕を避けている・・。だけど、明日はそうはいかないよ。オリエンテーリングで僕がどれだけ頼りになる男なのか・・ヒルダに見せつけてやるんだ。そうすればきっとヒルダの僕を見る目も変わるはずさ。・・絶対大丈夫。僕には飛び切りの秘策があるんだから・・・。)
そしてマイクは笑みを浮かべた―。
マドレーヌはマイクに言った。
「だけど、マドレーヌ。それは・・・。」
マイクが言いかけるとヒルダが口を開いた。
「ええ。私も・・マドレーヌがいてくれないと話を聞きたくないわ。」
ヒルダはマイクと視線を合わせないように言う。マイクは溜息をつくと地図と地図記号を見せながら言った。
「分ったよ・・・ヒルダがそこまで言うなら仕方が無いね。明日は本来ならスタート地点から10カ所のポイントを回るけど、僕たちは半分の5カ所のポイントを回るようにさせてもらったんだよ。ポイントには先生たちもいるから、どうしても辛くなったらヒルダはリタイヤしても構わないよ。勿論、僕たちが通過するポイントは平坦な道ばかりだから何も心配しなくていいし、ヒルダの荷物は僕が全部持ってあげるからね?」
マイクは出来るだけ優しい声で説明するが、ヒルダの表情はどんどん曇っていく。
(この地図・・・よく見ると、木も沢山生えている場所を通るみたい・・・幾ら平坦でも足場が悪そうだわ・・溝や穴も空いている場所があるし・・。こんな場所をマイクと2人きりで回らないといけないなんて・・。)
実はヒルダはオリエンテーリングの競技について、事前にどのようなものが自分自身で調べていたのである。地図の地形の見方や記号・・なのでマイクが見せた地図を見ただけで、何となく頭の中でどのような場所なのかヒルダには想像する事が出来たのである。
マイクは熱弁してヒルダに説明をしていたので、ヒルダの表情の変化に気付いてはいなかった。しかし、マドレーヌはヒルダの様子がおかしいことに気が付いた。
「大丈夫、ヒルダ。何だか顔色が悪いわよ。」
マドレーヌはヒルダに声を掛けた。
「え、ええ・・・少し船に酔ったのかもしれないわ。」
ヒルダは頭を押さえながら言う。
「え?大丈夫かい?ヒルダ。横になって休んだほうがいいよ。僕が付き添いしてあげるから。」
しかし、マドレーヌはピシャリと言った。
「マイク、ヒルダは女の子なのよ?男の人がむやみに付き添うべきじゃないわ。私がヒルダを見てるから、貴方はもう行って頂戴。ヒルダは私が見ているから。」
「わ・・わかったよ・・マドレーヌ。君の言う通りにするよ。・・またねヒルダ。」
しかし、ヒルダは返事をせずに頷くだけだった。マイクは溜息をつくと、客室を出て行った。
マドレーヌはマイクが出ていくのを見届けるとヒルダに声を掛けた。
「ヒルダ、本当に大丈夫?すごく具合が悪そうに見えるけど・・・。」
「ええ・・マイクが見せてくれたオリエンテーリングの地図を見ていたら気分が悪くなってしまって・・・・。出来れば参加したくないけどマイクが先生方に行って特別コースを作ってもらったなら・・参加を辞退したいなんて言えないわよね・・。」
「ヒルダ・・・。」
マドレーヌはヒルダを心配そうに見つめるのだった。
一方、客室を出たマイクは甲板の上で1人で海を眺めていた。
(ヒルダ・・・。明らかに僕を避けている・・。だけど、明日はそうはいかないよ。オリエンテーリングで僕がどれだけ頼りになる男なのか・・ヒルダに見せつけてやるんだ。そうすればきっとヒルダの僕を見る目も変わるはずさ。・・絶対大丈夫。僕には飛び切りの秘策があるんだから・・・。)
そしてマイクは笑みを浮かべた―。
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