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4章14 過保護な人たち
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「それじゃ、クラリス。放課後また迎えに来るわね」
私達の教室の前に到着すると、別クラスのエイダが私に手を振ってきた。
「そのことなのだけど……今日は寄りたいところがあるから大丈夫よ。寮でまた会いましょう」
「え? 寄りたいところ?」
私の言葉にエイダが首を傾げた。
「実は……兄に用があるのよ」
「先生に用があるの?」
「ええ、ちょっと大事な話がしたくて」
エイダにはこれ以上詳しい話をすることは出来ない。すると事情を察したのか、フレッドが会話に入ってきた。
「そうか、なら俺達も行こう。何しろ先生から直にクラリスのお目付け役を言い渡されているからな」
「どうも疑わしいわね……」
エイダが疑わしい目をフレッドに向けるとセシルが会話に入ってきた。
「うん。そうだよ、俺達は先生の助手なんだよ。先生はクラリスをとても可愛がっていてね。片時も目を離さないようにって言われているんだ」
「クラリス、その話本当なの?」
じっと私を見つめてくるエイダ。
「ええ、本当なの。兄は過保護だから……セシルとフレッドに私のことを頼んだのよ」
私の『過保護』という言葉に、フレッドが肩を震わせている。多分笑い出したいのを堪えているのかもしれない。
「だったら私も……」
「悪いが、あんたは遠慮してくれ。先生からは学園内では兄妹という関係を伏せておくように言われているんだ」
フレッドが機転を利かせた言葉に、エイダが驚いて私を見た。
「え!? そうだったの? 私、クラリスから先生と兄妹だって聞かされたわよ?」
「エイダになら、話しても良いかと思って……」
「話してくれてありがとう、クラリス」
エイダが私の手を握りしめると頷いた。
「分かったわ、でもそういうことなら私は遠慮したほうが良さそうね。それじゃ、寮で会いましょう。またね」
「ええ、またね」
エイダと手を振って別れると私達は教室へ入った。
「クラリス、ここに座りなよ」
先に席を確保してくれていたアンディに促されて右隣に着席すると、早速話しかけてきた。
「ガイダンスはどうだった? 属性は何になったんだい?」
「私、光の属性になったわ」
「光だって? そんな属性、初めて聞くぞ?」
アンディの左隣に座っていたザカリーが驚いた様子で私を見つめる。
「光の属性の魔法科クラスは無いから、好きなクラスに所属して良いと先生に言われたわ。だから風のクラスに入ることにしたの」
「何故風のクラスにしたんだい?」
アンディが質問してきた。
「エイダが風の属性だったからよ」
「そうか……確かエイダは風の属性だったはずだな」
その後も、私達3人の会話は先生が教室に現れるまで続き……その様子をセシルとフレッドは少し離れた場所で黙って聞いていた――
****
――午後4時
本日最後のガイダンスが終了すると、セシルがアンディ達に声をかけた。
「それじゃ、俺達はクラリスを連れて先生のところへ行ってくるから」
「俺達は行ったら駄目なのか?」
「部外者には関係ないだろう?」
ザカリーの問いかけにフレッドがそっけなく返事をする。
「何だと? 誰が部外者だ」
その言葉に、ザカリーが睨みつける。……相変わらずこの2人は犬猿の仲のようだ。
どうして仲良くすることが出来ないのだろう?
「やめろよ、ザカリー。今日のところは彼らにクラリスを任せよう」
険悪な2人の間にアンディが入ってきた。
「何だよ、その今日のところっていうのは」
フレッドの質問に答えること無く、アンディは私に声をかけてきた。
「それじゃ、クラリス。またな」
「……じゃあな」
「え? ええ。またね、2人とも」
アンディとザカリーが教室を出ていくと、フレッドが私をじっと見つめてくる。
「な、何?」
「……いや、何でもない。それじゃ行くか」
「そうだな、行こう」
「ええ、行きましょう」
そして私達は3人揃って、兄のいる教員室へ向った――
私達の教室の前に到着すると、別クラスのエイダが私に手を振ってきた。
「そのことなのだけど……今日は寄りたいところがあるから大丈夫よ。寮でまた会いましょう」
「え? 寄りたいところ?」
私の言葉にエイダが首を傾げた。
「実は……兄に用があるのよ」
「先生に用があるの?」
「ええ、ちょっと大事な話がしたくて」
エイダにはこれ以上詳しい話をすることは出来ない。すると事情を察したのか、フレッドが会話に入ってきた。
「そうか、なら俺達も行こう。何しろ先生から直にクラリスのお目付け役を言い渡されているからな」
「どうも疑わしいわね……」
エイダが疑わしい目をフレッドに向けるとセシルが会話に入ってきた。
「うん。そうだよ、俺達は先生の助手なんだよ。先生はクラリスをとても可愛がっていてね。片時も目を離さないようにって言われているんだ」
「クラリス、その話本当なの?」
じっと私を見つめてくるエイダ。
「ええ、本当なの。兄は過保護だから……セシルとフレッドに私のことを頼んだのよ」
私の『過保護』という言葉に、フレッドが肩を震わせている。多分笑い出したいのを堪えているのかもしれない。
「だったら私も……」
「悪いが、あんたは遠慮してくれ。先生からは学園内では兄妹という関係を伏せておくように言われているんだ」
フレッドが機転を利かせた言葉に、エイダが驚いて私を見た。
「え!? そうだったの? 私、クラリスから先生と兄妹だって聞かされたわよ?」
「エイダになら、話しても良いかと思って……」
「話してくれてありがとう、クラリス」
エイダが私の手を握りしめると頷いた。
「分かったわ、でもそういうことなら私は遠慮したほうが良さそうね。それじゃ、寮で会いましょう。またね」
「ええ、またね」
エイダと手を振って別れると私達は教室へ入った。
「クラリス、ここに座りなよ」
先に席を確保してくれていたアンディに促されて右隣に着席すると、早速話しかけてきた。
「ガイダンスはどうだった? 属性は何になったんだい?」
「私、光の属性になったわ」
「光だって? そんな属性、初めて聞くぞ?」
アンディの左隣に座っていたザカリーが驚いた様子で私を見つめる。
「光の属性の魔法科クラスは無いから、好きなクラスに所属して良いと先生に言われたわ。だから風のクラスに入ることにしたの」
「何故風のクラスにしたんだい?」
アンディが質問してきた。
「エイダが風の属性だったからよ」
「そうか……確かエイダは風の属性だったはずだな」
その後も、私達3人の会話は先生が教室に現れるまで続き……その様子をセシルとフレッドは少し離れた場所で黙って聞いていた――
****
――午後4時
本日最後のガイダンスが終了すると、セシルがアンディ達に声をかけた。
「それじゃ、俺達はクラリスを連れて先生のところへ行ってくるから」
「俺達は行ったら駄目なのか?」
「部外者には関係ないだろう?」
ザカリーの問いかけにフレッドがそっけなく返事をする。
「何だと? 誰が部外者だ」
その言葉に、ザカリーが睨みつける。……相変わらずこの2人は犬猿の仲のようだ。
どうして仲良くすることが出来ないのだろう?
「やめろよ、ザカリー。今日のところは彼らにクラリスを任せよう」
険悪な2人の間にアンディが入ってきた。
「何だよ、その今日のところっていうのは」
フレッドの質問に答えること無く、アンディは私に声をかけてきた。
「それじゃ、クラリス。またな」
「……じゃあな」
「え? ええ。またね、2人とも」
アンディとザカリーが教室を出ていくと、フレッドが私をじっと見つめてくる。
「な、何?」
「……いや、何でもない。それじゃ行くか」
「そうだな、行こう」
「ええ、行きましょう」
そして私達は3人揃って、兄のいる教員室へ向った――
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