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第5章 3 険悪な雰囲気
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馬車の中は重苦しい雰囲気に包まれていた。私の隣にはレイフが座り、向かい側にはオスカーが座っているのだが、誰1人口を開く者は無い。
オスカーは足を組み、腕組みをしてレイフを睨み付けている。一方のレイフは無言で姿勢を正して座り、オスカーの鋭い視線を避ける事無く真正面から受け止めていた。
そして私はそんな2人の板挟み状態で逃げ出したいくらいだった。
「・・おい、そこのお前。レイフとか・・言ったか。何か話せ。」
突如オスカーがレイフに命じた。
「私に・・話をしろというのですか?」
「ああ、そうだ。お前はいずれ王宮騎士になるのだ。王族の命令は絶対だろう?」
オスカーはニヤリと挑戦的な笑みを浮かべる。
「そうですか・・では本当にどのような話でも構わないのですね?」
レイフは何所か含みを持たせたかのような物言いをする。
「ああ、いいぞ。」
「分りました。それでは私とアイリスの子供の頃の話を致しましょう。」
突如私の名前が出てきた。
「え?!」
驚いてレイフを見上げるが、私に視線を合わせる事無くレイフが話し始めた。
「私とアイリスは生まれた時からずっと今まで幼馴染として一緒の時間を過ごしてきているのですが・・・あれは私たちが8歳になった時の話です。あの頃からアイリスの噂は近隣諸国にまで広がっていました。『リオス』の都市を収めるイリヤ家の公女アイリスはたぐいまれなる美しい少女だと・・・。あの頃の私とアイリスは家族ぐるみで親しく付き合いがあり、両家の間では私とアイリスを婚約させようという話が持ち上がっていた位でした。」
レイフはとんでもない話を持ち出して来た。そしてそれを聞いた途端、オスカーの眉がピクリと上がる。
「レ、レイフ・・・それはもう昔の話だから・・・。」
何とかレイフの話をやめさせなければ。私はレイフを止めようとした。
「いや、続けろ。随分興味深い話だな。先を話せ。」
オスカーは何故か話の続きを催促する。
「ええ、いいですよ。そして私とアイリスを婚約させようと言う話は当然まだ幼かった私たちの耳にも入りました。そこで私はある日、薔薇の美しく咲き乱れる庭園で彼女にいったのです。アイリス、大人になったら僕の花嫁になって下さいと。」
「ほ・・う。」
オスカーは再び眉根をあげた。
「それで、アイリスは何と答えたのだ。」
「あ、あの・・・本当にもうそれ以上この話は・・・。」
まずい・・・この先の話をオスカーの前でされるのは・・。何とかして止めさせないと・・。しかし、焦る私にお構いなくレイフは続けた。
「ええ。アイリスはこう言いました。『はい、私をレイフのお嫁さんにしてください』と。そして私とアイリスは初めてキスをしたのです。そうだよね?アイリス?」
レイフは突然私の左手に自分の指を絡ませてくると言った。
「何っ?!本当の話なのか?!アイリスッ!」
突如、殺気立ったオスカーが私を睨み付けた。
「あ、あの・・ですからそれはもう10年も前の子供の頃の話ですから・・・。」
必死で弁明しながら私は心の中でレイフをなじった。確かに私は子供の頃はレイフの事が好きだった。だが、ある日を境に突然彼の態度はそっけないものになり・・いつしか私とレイフの間には一線を引いた仲となっていたのだった―。
「レイフ・・・とか言ったな。アイリスもああ言ってるのだ。いつまでも過去の話をするなど・・男として情けないと思わないのか?大体アイリスは今は俺の婚約者なのだ。お前の張り込むすきなどは無い。」
「そうでしょうか・・・?」
何故かレイフはオスカー王子の言葉にも動ぜず、挑戦的な表情を見せた、その時―
「危ないっ!」
突然御者の叫び声が聞こえ、馬車は急停車した―。
オスカーは足を組み、腕組みをしてレイフを睨み付けている。一方のレイフは無言で姿勢を正して座り、オスカーの鋭い視線を避ける事無く真正面から受け止めていた。
そして私はそんな2人の板挟み状態で逃げ出したいくらいだった。
「・・おい、そこのお前。レイフとか・・言ったか。何か話せ。」
突如オスカーがレイフに命じた。
「私に・・話をしろというのですか?」
「ああ、そうだ。お前はいずれ王宮騎士になるのだ。王族の命令は絶対だろう?」
オスカーはニヤリと挑戦的な笑みを浮かべる。
「そうですか・・では本当にどのような話でも構わないのですね?」
レイフは何所か含みを持たせたかのような物言いをする。
「ああ、いいぞ。」
「分りました。それでは私とアイリスの子供の頃の話を致しましょう。」
突如私の名前が出てきた。
「え?!」
驚いてレイフを見上げるが、私に視線を合わせる事無くレイフが話し始めた。
「私とアイリスは生まれた時からずっと今まで幼馴染として一緒の時間を過ごしてきているのですが・・・あれは私たちが8歳になった時の話です。あの頃からアイリスの噂は近隣諸国にまで広がっていました。『リオス』の都市を収めるイリヤ家の公女アイリスはたぐいまれなる美しい少女だと・・・。あの頃の私とアイリスは家族ぐるみで親しく付き合いがあり、両家の間では私とアイリスを婚約させようという話が持ち上がっていた位でした。」
レイフはとんでもない話を持ち出して来た。そしてそれを聞いた途端、オスカーの眉がピクリと上がる。
「レ、レイフ・・・それはもう昔の話だから・・・。」
何とかレイフの話をやめさせなければ。私はレイフを止めようとした。
「いや、続けろ。随分興味深い話だな。先を話せ。」
オスカーは何故か話の続きを催促する。
「ええ、いいですよ。そして私とアイリスを婚約させようと言う話は当然まだ幼かった私たちの耳にも入りました。そこで私はある日、薔薇の美しく咲き乱れる庭園で彼女にいったのです。アイリス、大人になったら僕の花嫁になって下さいと。」
「ほ・・う。」
オスカーは再び眉根をあげた。
「それで、アイリスは何と答えたのだ。」
「あ、あの・・・本当にもうそれ以上この話は・・・。」
まずい・・・この先の話をオスカーの前でされるのは・・。何とかして止めさせないと・・。しかし、焦る私にお構いなくレイフは続けた。
「ええ。アイリスはこう言いました。『はい、私をレイフのお嫁さんにしてください』と。そして私とアイリスは初めてキスをしたのです。そうだよね?アイリス?」
レイフは突然私の左手に自分の指を絡ませてくると言った。
「何っ?!本当の話なのか?!アイリスッ!」
突如、殺気立ったオスカーが私を睨み付けた。
「あ、あの・・ですからそれはもう10年も前の子供の頃の話ですから・・・。」
必死で弁明しながら私は心の中でレイフをなじった。確かに私は子供の頃はレイフの事が好きだった。だが、ある日を境に突然彼の態度はそっけないものになり・・いつしか私とレイフの間には一線を引いた仲となっていたのだった―。
「レイフ・・・とか言ったな。アイリスもああ言ってるのだ。いつまでも過去の話をするなど・・男として情けないと思わないのか?大体アイリスは今は俺の婚約者なのだ。お前の張り込むすきなどは無い。」
「そうでしょうか・・・?」
何故かレイフはオスカー王子の言葉にも動ぜず、挑戦的な表情を見せた、その時―
「危ないっ!」
突然御者の叫び声が聞こえ、馬車は急停車した―。
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