上 下
6 / 152

序章 5 

しおりを挟む
 次に目を覚ました時、何故か私はベッドの上に寝かされていた。

「え・・・?私、どうして此処に・・?」

起き上がってみると、ここは先ほど祠に向かう途中にあった朽果てた集落の比較的綺麗な状態で残されていた家である事が分かった。

「それにしても・・不思議・・・。」

私は呟いた。始めにこの家の中へ足を踏み入れた時はベッドはあったが、マットレスも布団も無かった。なのに今私はマットレスの敷かれたベッドの上にいるし、布団も掛けてあるし、ご丁寧に枕まである。

傷が治った事も不思議だったし、まともに寝れる環境でも無かったこの部屋は今迄の牢屋暮らしから考えるとまるで天国の様に感じた。
その時、ドアがガチャリと開けられた。私はこの島には誰も住んでいないとばかり思っていたので、驚きで目を閉じ、悲鳴を上げてしまった。

「キャアアッ!」

「やあ、目が覚めたんだね?」

するとすぐ側で子供の可愛らしい声が聞こえ、私は驚いて声の方を振り向くと、そこには金色の瞳に青い髪の美しい少年が立っていた。

「え・・・?貴方は誰・・・?」

こんな小さな子供が何故1人でこんな場所にいるのだろう?どう見ても10歳にも満たない子供なのに・・・。

すると少年は言った。

「僕?僕の名前は『ギルティ』さ。」

「え・・?『ギルティ』って・・・。」

その名前の意味は確か・・・・。すると私の考えが少年に伝わったのか、彼が言った。

「そうだよ、僕の名前の意味・・それは『有罪』。君と一緒だよ。ね?アイリス。」

少年は私の顔を覗き込むように言った。その途端、私はギルティと名乗った少年がとてつもなく恐ろしくなり、慌てて身を引くと彼は突如として大きな声で笑った。

「アハハハ・・ッ!アイリスッ!何を怯えているの?大体、薄々気が付いているんじゃないの?この島は無人島のはずなのに、人が・・・しかもこんな少年が住んでいるのはおかしいって!」

「そ、そうよ・・・。あ・・貴方は一体誰・・?何者なの・・?」

震えながら私はギルティに尋ねた。

「あれ・・?アイリス。ひょっとして震えてる・・?僕の事が怖いの?」

「・・・。」

しかし私が返事をしないと、ギルティは溜息をつくと言った。

「ねえ・・・何故僕をそれ程怖がるの・・・?人間の方が余程恐ろしい存在だと思わないの?だって・・・アイリス。君は何一つ悪い事をしていないのに、何の罪も犯していないのに・・周りにいる愚かな人間達によって陥れられ・・・全てを奪われただけでなく、罪人としてこの島へ流されてしまったんだよ?しかもここへ連れてこられるまで・・暴力行為を受けながら。こんな理不尽な事許されていいと思う?僕なんかよりも人間の方が余程、恐ろしい存在だよ・・・。」

ギルティの瞳にはいつしか憎悪が宿っていた。

「ね・・ねえ・・。何故貴女はそこまで私の事情を知ってるの・・・?それに貴方の今の言葉では貴方は人間では無いのでしょう?そして・・人間を憎んでいる・・。違う?」

私は言葉を選びながらギルティに言った。

「うん、そうだよ。僕は人間をとても憎んでいる。だけど君だけは特別さ。アイリス。」

言いながら、ギルティは私の髪に触れてきた。

「まるで金糸のように細くキラキラとした長く美しい髪・・そして神秘的なコバルトグリーンの瞳・・。その美しい姿が時として周囲の人々を狂わせ、憎ませるんだよ・・・。」

まるで青年男性のような素振りと言葉遣いでギルティは私に触れて来る。

「わ・・私の姿が・・・人を狂わせる・・・?い、一体・・どういう事なの・・?」

私は今迄自分の外見を気にした事は殆ど無かった。何故なら私の家族は皆美しい外見をしていた。そして周りの人達もみなそれぞれ整った容貌をしていたから自分が特別とは思った事等一度も無かったからだ。
だけど・・ギルティの言う通り、本当に私が美しいのだとしたら・・・。

「ま、待って。仮に・・・美しいのなら・・周りから好意を持たれるのが普通なんじゃないの?それが何故・・憎まれなければならないの?」

私は疑問に思い、ギルティに尋ねた。

「そんな事は簡単さ。だって彼等は皆アイリスの事が羨ましくてならないからさ。美し過ぎる姿は時として周囲の人達をコンプレックスに陥れ・・・憎まれる対象となる。それがまさに今の君・・アイリスの事だよ。まあ・・・最もそれだけが理由じゃないんだろうけどね・・・。」

「そ、そんな・・・。」

思わず声が震えてしまった。するとギルティは美しい笑みを浮かべると、言った。

「そう言えば・・さっきの質問にまだ答えていなかったよね?何故僕がそこまで君の事情を知っているかって・・・。」

「え・ええ・・・。」

「それはね、アイリス。君が眠っている間に・・・頭の中の記憶を覗かせてもらったからさ。・・・可哀そうに・・・辛かっただろう?悔しかっただろう?・・・復讐してやりたいだろう・・?」

「復讐・・?」

「ああ、そうだよ、復讐だ。」

だけど私は首を振った。

「復讐なんて考えていないわ。」

するとギルティは驚いた顔を見せた。

「え・・・?復讐・・しなくていいの・・?」

「だってギルティの話では彼等がおかしくなってしまったのは私のせいなのでしょう?だったら復讐なんて考えないわ。その代わり・・・私をこんな目に遭わせた彼等を見返してやりたい。この島で生きて・・・生き抜いて・・・人生の幕を閉じるの。そして・・もしも本当にあの世があると言うのなら、再会した彼らに言ってやるわ。ざまあみなさい、私はあなた達の思惑通りすぐに死ななかった。最後まで誇りを忘れず生き抜いたって胸を張って言うのよ。」

そう・・私は公爵令嬢アイリス・イリヤ。卑屈な真似も卑怯な真似も絶対にしない。

すると、私の話をポカンとした顔で聞いていたギルティが突然大笑いした。

「アハハハ・・ッ!アイリス・・やっぱり君は最高だよ!それでこそ僕が認めた価値があるってものだよ。」

「え・・・?認めた・・・?」

一体ギルティは何を言っているのだろう・・・?
そしてひとしきり笑い終えたギルティは言った。

「アイリス、今の僕は愚かな人間達によって『ギルティ』という名前を付けられてしまったけど・・本当の名前は『アスター』って言う名の精霊なのさ。」

「精霊・・・?」

物語の世界や伝承では聞いた事があったが、まさか今目の前にいる少年が精霊だとはにわかに信じられない。すると私の心を読んだかのようにアスターは言った。

「信じられないって顔してるけど・・・アイリスの傷を治したのも僕だし、この家にベッドを用意したのも僕の力なんだからね?」

言いながらアスターは空中から銀色に光り輝く指輪を取り出すと、私の右手の薬指にはめた。

「え・・?この指輪は・・?」

「この指輪は僕とアイリスの間に契約が結ばれた証さ。僕は今アイリスに自分の本当の名を告げた。だからこれからは君が僕の主になったんだ。この指輪を使えばいつでも僕の持てる力を自由に使えるようになるからね。」

「そ、そんな・・・精霊を従えるなんて・・・!」

しかしアスターは言った。

「僕はね・・・この島の精霊として静かに暮らしていたんだ。それをある日人間共がこの島を罪人を送り込む島に勝手に決めたんだよ。そして次々と罪人たちが送り込まれてきた。ある日、僕はへまをして彼等に掴まってしまってね・・精霊だと言う事がバレてしまったんだ。どういう訳か、罪人の中に精霊使いが紛れていて・・僕は奴の手に堕ちてしまった。それから彼等にいいように使われた。地獄だったよ・・・。だけど仲間割れが起こって精霊使いが殺されたんだよ。それでようやく自由の身になれた僕はこの島にいた罪人どもを全て処罰したのさ。」

処罰・・・その言葉に私は思わずゾッとした。

「そうしたら・・・精霊王に封印されてしまったんだ・・・。人を殺した罰として。人間でなければ解けない封印魔法をかけられてね。」

「人間にしか・・解けない封印魔法・・・?」

「うん、だけど・・ここは余程重罪を犯さなければ罪人はこの島に送り込まれない島。だから僕は待った。何十年・・何百年も・・。時々やってきた罪人はいたけど、誰も僕の封印を解いてくれなかった。あの火傷しそうな熱い瓶のせいでね。」

「あ・・・。」

確かにあの瓶は焼けつくような熱さだった・・・。

「だけど、君はそれでも構わずにあの蓋を開けてくれた。まさに僕の救いの女神さまだよ。だから僕はこの先、ずっと君に仕えるって決めたのさ。」

アスターは私の手を取ると言った。

「そう・・なら・・・ずっと私と一緒にこの島で・・・暮らしてくれるの?」

「うん、勿論だよ。」

アスターは笑みを浮かべた。そして私とアスターの2人きりの島での長く・・楽しい生活が始まった―。



 あれから70年の歳月が流れた・・・。今私はアスターに見守られ、安らかな死を迎えようとしている。
私の傍には美しい青年アスターが手を握りしめていてくれる。


「アイリス・・・僕の声が聞こえてる・・・。」

アスターが悲し気に問いかけて来る。

「ええ・・・勿論聞こえているわ・・・。アスター・・貴方のお陰で・・私はこの島で幸せに暮らせたわ・・・。」

もう目もあまり見えない。耳も近くで話してくれなければ聞こえない。

「アイリス・・・本当に幸せだったの・・?罪人として・・・こんな島に送られて・・・。」

「でも・・・貴方に出会えたわ・・・それに貴方の魔法のお陰で・・・私の追放後の・・彼等の様子も知ることが・・出来たし・・。結局・・・王族は滅びてしまったわね・・。アスター・・あれは貴方の仕業でしょう・・・?」

「あ・・・もしかしてばれてた?」

アスターは楽しそうに言う。

「勿論・・・。」

「ねえ・・・アイリス。最後に何か・・望みは無い・・?」

「望み・・・そうね・・・しいて言えば・・あの婚約式の・・せめて学院に入学した頃に戻れれば・・今とは違った生き方が出来たかもね・・・。」

徐々に遠くなっていく意識の中で私は言う。頭もだんだん靄がかかって来る。

「分かったよ・・・・。アイリス。君の願いを叶えてあげる。僕の使える最大の魔法<タイムリープ>をかけて・・・君の望む時間に戻してあげるよ・・。」

え・・?タイムリープ・・?
そして突然私の身体がまばゆい光に覆われた。

「アイリス・・・僕は必ず君に会いに行くよ・・・。」

アスターの言葉を最後に、私の意識はそこで途切れた―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。

恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。 キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。 けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。 セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。 キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。 『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』 キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。   そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。 ※ゆるふわ設定 ※ご都合主義 ※一話の長さがバラバラになりがち。 ※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。 ※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

王子妃だった記憶はもう消えました。

cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。 元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。 実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。 記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。 記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。 記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。 ★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日) ●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので) ●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。  敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。 ●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。 しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は 「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」 夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。 自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。 お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。 本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。 ※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~

イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」   どごおおおぉっ!! 5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略) ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。 …だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。 それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。 泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ… 旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは? 更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!? ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか? 困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語! ※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください… ※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください… ※小説家になろう様でも掲載しております ※イラストは湶リク様に描いていただきました

どうやら断罪対象はわたくしのようです 〜わたくしを下級貴族と勘違いされているようですが、お覚悟はよろしくて?〜

水都 ミナト
恋愛
「ヴァネッサ・ユータカリア! お前をこの学園から追放する! そして数々の罪を償うため、牢に入ってもらう!」  わたくしが通うヒンスリー王国の王立学園の創立パーティにて、第一王子のオーマン様が高らかに宣言されました。  ヴァネッサとは、どうやらわたくしのことのようです。  なんということでしょう。  このおバカな王子様はわたくしが誰なのかご存知ないのですね。  せっかくなので何の証拠も確証もない彼のお話を聞いてみようと思います。 ◇8000字程度の短編です ◇小説家になろうでも公開予定です

処理中です...