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3話 これって……アレだよね?
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何、これ……これって、どうみても人参じゃない。
どうりで地面に埋まっているし、このフサフサの葉に納得する。
「変だなぁ~……もしかして、畑違いなんじゃないの?」
そう、まさに畑違いだ。普通、『シンデレラ』って言ったらカボチャの馬車だ。きっと、あのおばあさんは間違えたに違いない。
「あの~おばあさーん!」
畑の真ん中に立ち、私は大声で魔法使いのおばあさんに声をかけた。
「こら! 誰がおばあさんだね! 魔法使いとお呼び!」
光り輝く杖をブンブン振り回しながら魔法使いのおばあさんが怒っている。
「すみませーん! 魔法使いさん! あの、人参が掘れましたけど!?」
「ああ、掘れたようだね。ではその人参を持っておいでー!」
大きな声で訴えると、負けじと魔法使いのおばあさん……あ~めんどくさい! 老女も負けじと声を張り上げる。
「え……?」
本当に? これって人参だよ? それとも魔法使いだから、あの杖を振り回してカボチャに変えてから馬車にするのだろうか?
何だかまどろっこしい気もするが……
「何やってんの! さっさと持ってきなさい!」
老女は地団駄を踏んでいる。
「は、はい! すみません!」
人参片手に歩きにくい畑の中を通り抜けて、老女の元へ戻ってきた。
「あの……人参掘ってきましたけど……」
私は人参と老女を交互に見る。
「うん、オレンジ色で美味しそうだ。掘りたてで新鮮だから、きっと美味しいだろうねぇ」
目を細める老女。ま、まさか……
「あ、あの~ひょっとして人参を食べるために掘らせに行かせたのですか?」
「そんなはず無いだろう? お前はこれからどこへ行こうとしているのかもう忘れてしまったのかい?」
ジロリと睨まれる。
「い、いえ……舞踏会ですよ……ね?」
「ああ、そうだ。だからその前に、その小汚くてみすぼらしい姿をなんとかしなくちゃね。全く……見るに耐えかねない姿ったらありゃしないよ」
ブツブツ文句を言う老女に謝る私。
「はい、すみません……」
本当に何故こんなに不快感を顕にしているのに、わざわざここへ来たのだろう?
謎だ……。
「よし、では目を閉じておいで。これからお前に魔法をかけてやろう。感謝するんだよ」
「はい、お願いします」
言われたまま目を閉じると、魔法使いの口から何やらお経のような呪文が紡がれ……
「トウッ!!」
最後奇妙な掛け声とともに、自分の身体が温かい光りに包まれるのを感じた。
「シンデレラ、目を開けてごらん」
「はい……」
言われるまま目を開ける。すると水色の……あの、有名なシンデレラのドレスを身にまとっているではないか。
「す、すごい! まさか、このドレスを自分が着る日がくるなんて!」
こんなに美しいドレスを着れただけでも本望だ。
「どうだい? 気に入ってくれたかい?」
いい仕事をしたと言わんばかりに胸を反らせる老女……もとい、魔法使い。
「ええ、ええ! もちろんです! もうこのドレスを着れただけで本望です! 舞踏会なんか行かなくても構いません!」
すると――
「何言ってるんだい! 何のために、この私がお前のためにここまでしてやったと思っているんだい! これからが本番だよ。お前に馬車をプレゼントしてやるんだから! さぁ! シンデレラよ! その人参を地面に置くが良い!」
杖で人参をビシッと指してきた。
「分かりました」
人参を地面に置くと魔法使いが命じる。
「危ないから、下がっておいで。うん、いいね。それくらい離れれば十分だ。ではいくよ。ハイヨー!!」
またまた奇妙な掛け声とともに、魔法使いは杖を人参に向けて振りかざした――
どうりで地面に埋まっているし、このフサフサの葉に納得する。
「変だなぁ~……もしかして、畑違いなんじゃないの?」
そう、まさに畑違いだ。普通、『シンデレラ』って言ったらカボチャの馬車だ。きっと、あのおばあさんは間違えたに違いない。
「あの~おばあさーん!」
畑の真ん中に立ち、私は大声で魔法使いのおばあさんに声をかけた。
「こら! 誰がおばあさんだね! 魔法使いとお呼び!」
光り輝く杖をブンブン振り回しながら魔法使いのおばあさんが怒っている。
「すみませーん! 魔法使いさん! あの、人参が掘れましたけど!?」
「ああ、掘れたようだね。ではその人参を持っておいでー!」
大きな声で訴えると、負けじと魔法使いのおばあさん……あ~めんどくさい! 老女も負けじと声を張り上げる。
「え……?」
本当に? これって人参だよ? それとも魔法使いだから、あの杖を振り回してカボチャに変えてから馬車にするのだろうか?
何だかまどろっこしい気もするが……
「何やってんの! さっさと持ってきなさい!」
老女は地団駄を踏んでいる。
「は、はい! すみません!」
人参片手に歩きにくい畑の中を通り抜けて、老女の元へ戻ってきた。
「あの……人参掘ってきましたけど……」
私は人参と老女を交互に見る。
「うん、オレンジ色で美味しそうだ。掘りたてで新鮮だから、きっと美味しいだろうねぇ」
目を細める老女。ま、まさか……
「あ、あの~ひょっとして人参を食べるために掘らせに行かせたのですか?」
「そんなはず無いだろう? お前はこれからどこへ行こうとしているのかもう忘れてしまったのかい?」
ジロリと睨まれる。
「い、いえ……舞踏会ですよ……ね?」
「ああ、そうだ。だからその前に、その小汚くてみすぼらしい姿をなんとかしなくちゃね。全く……見るに耐えかねない姿ったらありゃしないよ」
ブツブツ文句を言う老女に謝る私。
「はい、すみません……」
本当に何故こんなに不快感を顕にしているのに、わざわざここへ来たのだろう?
謎だ……。
「よし、では目を閉じておいで。これからお前に魔法をかけてやろう。感謝するんだよ」
「はい、お願いします」
言われたまま目を閉じると、魔法使いの口から何やらお経のような呪文が紡がれ……
「トウッ!!」
最後奇妙な掛け声とともに、自分の身体が温かい光りに包まれるのを感じた。
「シンデレラ、目を開けてごらん」
「はい……」
言われるまま目を開ける。すると水色の……あの、有名なシンデレラのドレスを身にまとっているではないか。
「す、すごい! まさか、このドレスを自分が着る日がくるなんて!」
こんなに美しいドレスを着れただけでも本望だ。
「どうだい? 気に入ってくれたかい?」
いい仕事をしたと言わんばかりに胸を反らせる老女……もとい、魔法使い。
「ええ、ええ! もちろんです! もうこのドレスを着れただけで本望です! 舞踏会なんか行かなくても構いません!」
すると――
「何言ってるんだい! 何のために、この私がお前のためにここまでしてやったと思っているんだい! これからが本番だよ。お前に馬車をプレゼントしてやるんだから! さぁ! シンデレラよ! その人参を地面に置くが良い!」
杖で人参をビシッと指してきた。
「分かりました」
人参を地面に置くと魔法使いが命じる。
「危ないから、下がっておいで。うん、いいね。それくらい離れれば十分だ。ではいくよ。ハイヨー!!」
またまた奇妙な掛け声とともに、魔法使いは杖を人参に向けて振りかざした――
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