8 / 61
第1章 7 数学の授業で拍手を浴びる
しおりを挟む
この女性教師は数学担当であった。
今、私は空席となっていた机に向かい、授業を受けている。びしょ濡れにされていたロザリアの机と椅子はあの後、教師から渡された布で綺麗に水を拭き取り、今は教室の外のベランダで日の光にあてて乾かしている最中なのだ。
結局、ロザリアの机と椅子をびしょ濡れにした犯人は現れる事は無かったし、私も期待はしていなかった。こんな子供じみたいたずらに、24歳の大人の女性は相手になどしていられないのだよ?
黒板では女性教師が微分積分の3次不等式の証明問題を書いていた。
おお~・・・・懐かしい。何だか大学を受験したときの記憶が蘇ってくる。私は早速ノートに書き写し、スラスラと問題を解き始めたが、他の生徒たちは悩んでいるようだ。・・・恐らく習いたてなのだろう。余裕で問題を解いて前を向いて座っていると女性教師と目が合った。
「あら・・?ロザリアさん。もうお手上げですか?他の人達は頑張って解いていると言うのに・・貴女は考えることもしないのですね?」
この言葉に私はイラッときた。このロザリアと言う少女・・・クラス中だけでなく、教師からも嫌われていると見える。それにしても・・不本意だ。私は何の因果か、この身体に憑依してしまっただけのに、自分が馬鹿にされているような感覚に陥ってしまう。そこで私は言った。
「いいえ、先生。解けましたけど?」
「はい?」
女性教師はずれ落ちそうになった眼鏡を直した。一方生徒たちの視線が私に集中する。
「ホホホ・・・まさか・・留年寸前の貴女が解けるはずないでしょう?」
これ見よがしな意地悪な笑みを浮かべる女性教師。
「いいえ、本当に解けましたけど?」
腕組みして答えた。
さらに教室ではざわめきが起こる。
「う、嘘をついても貴女の為にはなりませんよ?」
この女教師めっ!どこまで私を疑う気だ?
「それなら、黒板の前で解いてみせましょうか?」
「ええ!解けるものなら是非解いてごらんなさい!」
正に売り言葉に買い言葉状態。しかし・・こんな性格で良く教師なんかやってられるな。
私は無言で、ガタンと席を立つと黒板に向って歩く。そして1本チョークを手に取ると・・・・。
サラサラサラ・・・・・。
あっという間に解いてしまった。そして私はチョークを置き、手をパンパンと叩くと女性教師を見た。
「どうですか?先生。」
「そ・・・そんな・・・嘘でしょう・・?」
女性教師は身体をカタカタと震わせている。
「か・・・完璧な答えですっ!大正解っ!信じられませんっ!」
そして何故か大げさに拍手をする。
「さあ!皆さんも・・・ロザリアさんに拍手をっ!素晴らしいですっ!」
女性教師に促された生徒たちは・・しぶしぶ手を叩き始め、やがて教室は拍手の渦に包まれた。
フフン、どうだ?思い知ったか。私はこちらを悔しそうに見ているセレナを良い気分で見つめた。
これで少しは・・ロザリアを見る周囲の目が変わったかな?
私は心の中でほくそ笑むのだった―。
今、私は空席となっていた机に向かい、授業を受けている。びしょ濡れにされていたロザリアの机と椅子はあの後、教師から渡された布で綺麗に水を拭き取り、今は教室の外のベランダで日の光にあてて乾かしている最中なのだ。
結局、ロザリアの机と椅子をびしょ濡れにした犯人は現れる事は無かったし、私も期待はしていなかった。こんな子供じみたいたずらに、24歳の大人の女性は相手になどしていられないのだよ?
黒板では女性教師が微分積分の3次不等式の証明問題を書いていた。
おお~・・・・懐かしい。何だか大学を受験したときの記憶が蘇ってくる。私は早速ノートに書き写し、スラスラと問題を解き始めたが、他の生徒たちは悩んでいるようだ。・・・恐らく習いたてなのだろう。余裕で問題を解いて前を向いて座っていると女性教師と目が合った。
「あら・・?ロザリアさん。もうお手上げですか?他の人達は頑張って解いていると言うのに・・貴女は考えることもしないのですね?」
この言葉に私はイラッときた。このロザリアと言う少女・・・クラス中だけでなく、教師からも嫌われていると見える。それにしても・・不本意だ。私は何の因果か、この身体に憑依してしまっただけのに、自分が馬鹿にされているような感覚に陥ってしまう。そこで私は言った。
「いいえ、先生。解けましたけど?」
「はい?」
女性教師はずれ落ちそうになった眼鏡を直した。一方生徒たちの視線が私に集中する。
「ホホホ・・・まさか・・留年寸前の貴女が解けるはずないでしょう?」
これ見よがしな意地悪な笑みを浮かべる女性教師。
「いいえ、本当に解けましたけど?」
腕組みして答えた。
さらに教室ではざわめきが起こる。
「う、嘘をついても貴女の為にはなりませんよ?」
この女教師めっ!どこまで私を疑う気だ?
「それなら、黒板の前で解いてみせましょうか?」
「ええ!解けるものなら是非解いてごらんなさい!」
正に売り言葉に買い言葉状態。しかし・・こんな性格で良く教師なんかやってられるな。
私は無言で、ガタンと席を立つと黒板に向って歩く。そして1本チョークを手に取ると・・・・。
サラサラサラ・・・・・。
あっという間に解いてしまった。そして私はチョークを置き、手をパンパンと叩くと女性教師を見た。
「どうですか?先生。」
「そ・・・そんな・・・嘘でしょう・・?」
女性教師は身体をカタカタと震わせている。
「か・・・完璧な答えですっ!大正解っ!信じられませんっ!」
そして何故か大げさに拍手をする。
「さあ!皆さんも・・・ロザリアさんに拍手をっ!素晴らしいですっ!」
女性教師に促された生徒たちは・・しぶしぶ手を叩き始め、やがて教室は拍手の渦に包まれた。
フフン、どうだ?思い知ったか。私はこちらを悔しそうに見ているセレナを良い気分で見つめた。
これで少しは・・ロザリアを見る周囲の目が変わったかな?
私は心の中でほくそ笑むのだった―。
24
あなたにおすすめの小説
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる