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第1章 6 私は問題児?
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ロザリアの机の上は水びたしなっていた。机の端からはぽたぽたと水がしたたり落ちている。それは机に限ったことでは無く、椅子まで水浸しだった。
い・・一体誰がこんな・・子供じみた嫌がらせを?!
私はグルリと教室を見渡したが、全員が知らんふりで顔を背けている。あ・・そう。そういう事なのね?
つまりロザリアはクラス中から嫌われ、彼女を庇う人物は1人もいない・・・。
「ふう・・・。」
私はわざと大きな声で溜息をつき・・・ 何か拭くものがないか探した。しかし、ここは全く見知らぬ場所なので掃除用具があるかどうかも分からない。いや、そもそも日本では学生が掃除するけども・・ここは全くの別世界。そもそも学生が掃除をする文化は無いのかもしれない。
「何か拭くものは無いかしら~・・・。」
私はわざとらしく教室を見渡し・・・窓につるしてあるカーテンに目を付けた。
「そうだ!あれを使いましょう!」
そして窓に近づき、カーテンを手に取り・・・窓枠によじ登り、カーテンを外そうとしたところ・・・。
「おいっ!お前・・・何してるんだよっ!」
眼鏡をかけた男子学生に止められた。
「え・・?カーテンを外そうとしてるんだけど・・?」
「はあ・・お前、ふざけるなよっ!まさかカーテンでお前の水浸しの机と椅子をふくつもりかよ!」
別の男子学生がわめく。
「だって拭くものが無いんだもの。仕方がないじゃない。」
しれっと言ってのけてるうちにチャイムが鳴り、すぐに50代ほどの年齢の女性教師がやってきた。そして私がカーテンにしがみ付いているのを見ると声を荒げた。
「な、何をしているのですかっ!ギンテルさんっ!」
はて・・・ギンテル?ギンテルとは誰の事なのだろう?しかしあの教師は私から目を離さない。と言う事は・・・きっとロザリアのセカンドネームなのだろう。
「とにかく、窓から降りなさいっ!全く何ですか・・淑女ともあろうものが・・・。」
しぶしぶ降りると、女性教師はツカツカと私の前まで歩いて来ると言った。
「何故、このような真似をしたのか言いなさい。」
・・この女教師・・・随分傲慢な態度に見える。ひょっとするとロザリアは教師からも目をつけられているの?
「全く・・貴女はただでさえ、成績が悪くて問題児だと言うのに・・。」
女教師は頭を抱えながらとんでもない事を言った。こんな大勢の生徒たちの前で・・今の発言はロザリアの人権を無視した発言だ。
「先生、その問題児と言う発言は・・・先生個人の言葉ですか?」
私が反論すると、女教師は目を見開いた。
「え・・?今、なんと言ったのですか?」
「ええ、ですから私に対する今の問題児と言う言葉は、先生個人で言ってるのですか?それとも学校全体の評価ですか?」
「な・な・・・貴女・・一体何を・・。」
「先生の言葉は完全に私の人格を否定する言葉です。もし仮に私が本当に問題児であるならば、手を差し伸べるのが教師ではありませんか?見てください。この机と椅子を。」
私は自分のびしょ濡れの机と椅子を指さした。
「まあ・・・・!」
女性教師は目を見開いた。
「あの様にびしょ濡れでは座る事も机も使う事が出来ません。ですが、私は拭き取る物が一切ありません。それでやむを得ずカーテンを拝借しようとしただけです。あれはどう見ても嫌がらせ・・いじめです?この学校では生徒が虐めれていても教師は目をつぶっているだけなのですか?」
「ロ・・ロザリアさん!そんな・・そんなはずはありません!だ、誰ですか?!彼女の机と椅子を水浸しにしたのは・・・名乗り出なさいっ!」
教室中がシンと静まり返った―。
い・・一体誰がこんな・・子供じみた嫌がらせを?!
私はグルリと教室を見渡したが、全員が知らんふりで顔を背けている。あ・・そう。そういう事なのね?
つまりロザリアはクラス中から嫌われ、彼女を庇う人物は1人もいない・・・。
「ふう・・・。」
私はわざと大きな声で溜息をつき・・・ 何か拭くものがないか探した。しかし、ここは全く見知らぬ場所なので掃除用具があるかどうかも分からない。いや、そもそも日本では学生が掃除するけども・・ここは全くの別世界。そもそも学生が掃除をする文化は無いのかもしれない。
「何か拭くものは無いかしら~・・・。」
私はわざとらしく教室を見渡し・・・窓につるしてあるカーテンに目を付けた。
「そうだ!あれを使いましょう!」
そして窓に近づき、カーテンを手に取り・・・窓枠によじ登り、カーテンを外そうとしたところ・・・。
「おいっ!お前・・・何してるんだよっ!」
眼鏡をかけた男子学生に止められた。
「え・・?カーテンを外そうとしてるんだけど・・?」
「はあ・・お前、ふざけるなよっ!まさかカーテンでお前の水浸しの机と椅子をふくつもりかよ!」
別の男子学生がわめく。
「だって拭くものが無いんだもの。仕方がないじゃない。」
しれっと言ってのけてるうちにチャイムが鳴り、すぐに50代ほどの年齢の女性教師がやってきた。そして私がカーテンにしがみ付いているのを見ると声を荒げた。
「な、何をしているのですかっ!ギンテルさんっ!」
はて・・・ギンテル?ギンテルとは誰の事なのだろう?しかしあの教師は私から目を離さない。と言う事は・・・きっとロザリアのセカンドネームなのだろう。
「とにかく、窓から降りなさいっ!全く何ですか・・淑女ともあろうものが・・・。」
しぶしぶ降りると、女性教師はツカツカと私の前まで歩いて来ると言った。
「何故、このような真似をしたのか言いなさい。」
・・この女教師・・・随分傲慢な態度に見える。ひょっとするとロザリアは教師からも目をつけられているの?
「全く・・貴女はただでさえ、成績が悪くて問題児だと言うのに・・。」
女教師は頭を抱えながらとんでもない事を言った。こんな大勢の生徒たちの前で・・今の発言はロザリアの人権を無視した発言だ。
「先生、その問題児と言う発言は・・・先生個人の言葉ですか?」
私が反論すると、女教師は目を見開いた。
「え・・?今、なんと言ったのですか?」
「ええ、ですから私に対する今の問題児と言う言葉は、先生個人で言ってるのですか?それとも学校全体の評価ですか?」
「な・な・・・貴女・・一体何を・・。」
「先生の言葉は完全に私の人格を否定する言葉です。もし仮に私が本当に問題児であるならば、手を差し伸べるのが教師ではありませんか?見てください。この机と椅子を。」
私は自分のびしょ濡れの机と椅子を指さした。
「まあ・・・・!」
女性教師は目を見開いた。
「あの様にびしょ濡れでは座る事も机も使う事が出来ません。ですが、私は拭き取る物が一切ありません。それでやむを得ずカーテンを拝借しようとしただけです。あれはどう見ても嫌がらせ・・いじめです?この学校では生徒が虐めれていても教師は目をつぶっているだけなのですか?」
「ロ・・ロザリアさん!そんな・・そんなはずはありません!だ、誰ですか?!彼女の机と椅子を水浸しにしたのは・・・名乗り出なさいっ!」
教室中がシンと静まり返った―。
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