闇夜の星 暗闇の燈火(やみよの ほし くらやみの ともしび)

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

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暗闇の灯火

◆◆◆◆22

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ロモソルーンの上には、魔法陣でできたまばゆいばかりの光の棟が天高く出来上がっていた。
近くに行くと、時折、というか、最近では二人で愛し合っている時には必ず聞こえてきた、あの、薄い氷がぶつかり合う時の様なキラキラとした音が鳴っていた。
ロモソルーンは、相変わらずドラゴン語が分かる魔法をかけてもらったシェルですら分からない言葉で呪文を唱えていた。
シェルも歌った。初代トホスマ・スダ国王が編み出したという呪い歌を、繰り返し、繰り返し歌った。
太陽はすっかり山影の向こうへ沈んで行って、空は濃紺に染めあがり、小さな星がまたたき始めていた。
空はもう夜空なのに、二人の周りは金色の魔力の粒と光の棟の輝きで、真昼のごとく明るく照らされ、幻想的な美しい光景が出来上がっていた。
夜空の濃紺と無数の小さな輝き、海の漆黒に現れては消える波の白、草原の緑、白い岩肌は魔方陣の光を反射して、自ら光を発している様にも見える。
その中で、向かい合って立つシェルとロモソルーンは、まるで絵本に描かれたトホスマ・スダ初代国王とその妃の様だった。
誰もがその光景に見惚れ、溜息を着いた。
ロモソルーンの周囲を、クルクルと舞っていた最後の魔法陣が光の棟に加わった。
瞬間、ロモソルーンは国中に響き渡るのではないかと錯覚するほど強烈な、地を揺るがす雄叫びを上げた。
その瞬間、光の棟を作っていた魔法陣は、ロモソルーンの体まで降りて来た。
そして、ロモソルーンの体に突き刺さったまま、回転し始めると、ロモソルーンは断末魔のごとき鳴き声を上げた。
メキメキと、硬い何かが軋む音と共に、ロモソルーンの体が変形し始めた。
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