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人食い湖の住人2ー14
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通路を進むにつれて、寝台に寝転ぶ人達の様子がよく見えてきた。
数人の人間達が、中心にいる人物へ夢中になって絡み付いている。
セイラ達が来たというのに、お構いなしで中心にいる一人にキスをし、殆ど裸で体を密着させていた。
前から後ろから大事そうに抱き着いて、下半身を繋げて体を揺らしている。
近くに行くにつれて、中心にいる人物こそがアヤの言う『海月』なのだと説明されずとも直ぐに分かった。
何せその人物は、肌が雪の様に白く、唇すら白かった。
挙げ句、セイラが今まで出会ったどんな人間よりも美しかった。
すっと筋の通った高い鼻、音もなく揺れる絹糸の様な純白の長い髪、伏し目がちの目の回りにはけぶる様にやはり純白の睫が映えている。町の高級美術商で売られているビスクドールだってここまで美しくは無い。
そんな美しい人が五人も六人もの男達に犯されているのに、汗一つかいていない、むしろ涼しげにすら見えた。
人間にしてはあまりにも現実離れしてい過ぎる。
何よりも、その真っ白な人物は腰から下が寝台と合体していた。
否、寝台だと思っていた物もどうやらただの寝台では無かった。
シーツだと思っていた物は、下に何も無い所まで不自然に波打ち、まるで水面の様に光を反射している。
時折、勝手に割れて触手となり、周囲の人間達に絡み付いたりくすぐったりまでした。
寝台も床と癒着でもしているかの様に繋がっている。
すべてが、セイラの視界に入る建物の、人間以外の全てが海月に繋がっていた。
それなのに、海月の周囲にいる人間達はまるで気にせず、むしろ自ら触手の間に自分の手や体を滑り込ませてまさぐり、腰を突き動かしている。
セイラの喉が人知れずゴクリと鳴った。
あまりの視界の異様さにクラクラした。
アヤの先ほどの言葉がセイラの脳裏に蘇る。『腹の中を食いちぎられたいのか』アヤは先ほど確かにそう言った。
(この建物全体が海月なんだ。ここは海月のお腹の中なんだ・・・・)
セイラは先ほど来た道を振り返った。
道は先ほどと同じ形をとってそこにあった。
両脇にズラリと連なる部屋が、光を反射して、神々しく煌めいている。中では人間達が相変わらず海月の触手と戯れている。
先ほどよりも、岸が遠く見えた。
数人の人間達が、中心にいる人物へ夢中になって絡み付いている。
セイラ達が来たというのに、お構いなしで中心にいる一人にキスをし、殆ど裸で体を密着させていた。
前から後ろから大事そうに抱き着いて、下半身を繋げて体を揺らしている。
近くに行くにつれて、中心にいる人物こそがアヤの言う『海月』なのだと説明されずとも直ぐに分かった。
何せその人物は、肌が雪の様に白く、唇すら白かった。
挙げ句、セイラが今まで出会ったどんな人間よりも美しかった。
すっと筋の通った高い鼻、音もなく揺れる絹糸の様な純白の長い髪、伏し目がちの目の回りにはけぶる様にやはり純白の睫が映えている。町の高級美術商で売られているビスクドールだってここまで美しくは無い。
そんな美しい人が五人も六人もの男達に犯されているのに、汗一つかいていない、むしろ涼しげにすら見えた。
人間にしてはあまりにも現実離れしてい過ぎる。
何よりも、その真っ白な人物は腰から下が寝台と合体していた。
否、寝台だと思っていた物もどうやらただの寝台では無かった。
シーツだと思っていた物は、下に何も無い所まで不自然に波打ち、まるで水面の様に光を反射している。
時折、勝手に割れて触手となり、周囲の人間達に絡み付いたりくすぐったりまでした。
寝台も床と癒着でもしているかの様に繋がっている。
すべてが、セイラの視界に入る建物の、人間以外の全てが海月に繋がっていた。
それなのに、海月の周囲にいる人間達はまるで気にせず、むしろ自ら触手の間に自分の手や体を滑り込ませてまさぐり、腰を突き動かしている。
セイラの喉が人知れずゴクリと鳴った。
あまりの視界の異様さにクラクラした。
アヤの先ほどの言葉がセイラの脳裏に蘇る。『腹の中を食いちぎられたいのか』アヤは先ほど確かにそう言った。
(この建物全体が海月なんだ。ここは海月のお腹の中なんだ・・・・)
セイラは先ほど来た道を振り返った。
道は先ほどと同じ形をとってそこにあった。
両脇にズラリと連なる部屋が、光を反射して、神々しく煌めいている。中では人間達が相変わらず海月の触手と戯れている。
先ほどよりも、岸が遠く見えた。
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