壊れた玩具と伝説の狼

鈴紐屋 小説:恋川春撒 絵・漫画:せつ

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脱出1-5

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町を見つけたセイラの足は一層早まり、全速力で駆けて町に向かった。
町の入り口にさしかかり、人を見つけた。
「助けて下さい!」
そう叫んだ所で体が動かなくなった。
(なんで?)
両手を前に伸ばした姿勢のまま、口をハクハクと動かしながらセイラは焦った。
背後から、スルリと見慣れた手が肩越しに伸びて来て、セイラの顎を掴んだ。
「なんだ。お前も裏切るのか」
ダイアスが後ろにいた。
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