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第三章
19最も不要な存在~エレーナside
しおりを挟む目の前にいる男はこの世の為にも排除すべき存在だわ。
ええ、この世に必要のない人間はいないとある知識人が言っていた。
聖職者もすべての人に慈悲をと言っているけど。
「キャサリン!いい加減にしろ」
「いい加減にするのは貴方です」
「この俺が情けをかけてやれば調子に乗って…お前程度で妥協してやると言っているんだ。お前が俺を愛しているから仕方なく」
まるで言葉の通じない男。
言語が通じないとかそういうレベルではないわ。
人の言葉をキャッチできない。
しかもすべて自分の都合の良いように脳内変換をしているのだから余計にたちが悪い。
「殿下、これは不敬罪になるのではありませんか?」
「無論だ」
「相手は王弟殿下のご子息の婚約者。後の公爵夫人ですわ」
「ついでに言えば、キャサリンが男を産めばその子供は王位継承権を持つな」
「あの人は頭がおかしい以前の問題ですか。それとも自殺願望があるのでは?」
流石歩く天然さん。
でも、今回だけは賛同してもいいわ。
「落ち着け、二人共。準備はできている」
そういいながら殿下が取り出したのは私が改良した魔道具だ。
これまでは音声か、映像の片方しか録音、録画ができなかったけれど私がキャサリン様のアドバイスで改良した。
しかも画質も向上して、いつ何時。
どこにでも発信できるようになっている。
ちなみにだが、この暴言も録音、録画もされている。
「本当に馬鹿ですわね」
「そのおかげで罪状を増やすことができる」
既に脅迫罪、侮辱罪ともろもろあるのだけど。
これ以上罪を増やすなんて馬鹿のすることだけど、この男はどうしようもないほどの馬鹿のようだ。
自分の発言を理解していない。
「折角ですからマイクのスイッチを入れましょうか」
「まだ駄目だ。まだ弱い」
もっと踊らせなくてはならないということね。
「殿下も中々悪ですわね」
「君には敵わないよ」
そういいながら常にスタンバイをしていつでもあの男を殺せる準備をしているのだから。
「殿下、もうこのままあの男を殺してもいいんじゃないですか」
セルシアさん。
あどけない表情で中々いうわね。
当初よりキャサリン様を慕っていたから仕方ないけど。
「フィルベルト様はよく我慢できますね」
「我慢?よく見なさい」
「え?」
私達の中で一番腸が煮えくり返っているのはあの方でしょうに。
その証拠に例の物を取り出している。
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