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第二章
閑話4晒される噂①
しおりを挟む学園長が無理難題を命じた一か月後。
キャサリンはその予測を超えて干ばつの対応と、薬草の不作の原因は人為的なものだという証明を行った。
そのおかげで、不治の病で苦しむ患者を救うことができた。
敵国が害虫を送り、薬草を食い、虫を食べた家畜を人間が食べ、病になるというサイクルを企てたのだ。
他にも感染した敵国の商人を送り込んだのだ。
並行して間者をあぶりだすことができたのだが、あくまでキャサリンが起こったのは干ばつの対策と害虫が何故国に入ったかまで出会って間者をあぶりだしたわけではないのだが。
周りはここぞとばかりにキャサリンを褒めちぎった。
「聞きましてキャサリン様の噂」
「ええ、古来より伝わる方法で干ばつの対策を見つけたとか」
「南帝国に伝わる伝承と聞きますが、キャサリン様は古語も読めたとは」
干ばつの対策が書かれている本は古語で書かれており学者でも読めなかった。
もし読めたとしても書かれているだけで詳しく書かれていないので実験を繰り返して試行錯誤の末に方法を見つけるのだが、キャサリンは二回ほどの実験を行っただけだった。
科学の知識にも優れていることを世に知らしめたのだ。
「社交界で良くない噂が流れていましたが」
「ロイド様には手が余る方だったのですね」
「そうですわね。これまでは侯爵令嬢に遠慮されていたのですね」
「噂では婚約者が前に出るなと言ったとか」
キャサリンの評価が上がれば上がるほど正反対に二人の評価はがた落ちだった。
「オレリア様も随分と酷い事を」
「婚約者のいる男性に手をだされるなんて」
「聞けば見せつけるように二人の仲の良さをアピールしていたとか」
「なんて陰湿なのかしら」
社交界では既にオレリアの悪女説が知れ渡っている。
ただの噂ならばよかったが、事実オレリアは悪女となっている。
その理由が…
「不義を働きながら慰謝料を支払わずあくまで円満な婚約解消にと命じたそうですわ」
「クレイン家は伯爵家ですものね…侯爵家に抗議など難しいですし」
「王族に忠誠を誓っている家柄ですもの。それを利用するなんて」
「フォーカス家は金銭手金も厳しとか」
「クレイン家におんぶに抱っこですものね」
次々と話題が尽きず、貴族令嬢たちは好き勝手話すのだが、その内容はしっかり耳に入っていた。
「何なの!」
謹慎がようやく解けて気晴らしに舞踏会に参加していたオレリアはこれ以上無いほどの屈辱を受けたのだった。
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