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第二章

33対策

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干ばつの対応は昨日今日でできるわけではないが、木を伐採して干ばつん対策を行うことにより、変化は訪れた。

ただし成果が出るまで時間がかかるのでエレーナ様の魔道具が活躍した。
その代わりに複数の生徒が犠牲となった。


「まずまずですわね」

「最近、魔術科が学級閉鎖になったそうだ」

「ああ、尊い犠牲だったな」


風の噂で聞いたけど魔力の強いあの二人も選ばれたそうだが…


「あの二人、まったく使い物にならなかったそうだ」

「はぁ…」

魔力は強いはずなのだけど魔力の供給には残りかすだと言われていた。
供給を始めて即倒れたとか。


もはやあれは公開処刑ではないか?とも思ったけど。
もう縁を切っているので私には関係ないのだけど。


クラスメイトからさらに冷たい目で見られることになっただけでなく、あれだけ威張っていて魔力がたいしたことないとなれば笑い者にされたとか。


特に騎士科に在籍しているロイドは同じ騎士科の友人に責められただろう。


「伐採の効果は少しずつ出ている。しかし、木の葉に袋をかぶせるとは」

「異国ではその昔干ばつの対策として行われていましたが、キャサリン様は本当に博識ですのね」


干ばつの対策で最も基本なのが木の葉に袋をかぶせることだ。
前前世で課外授業で行ったし、子供の実験でもよくしていたのだけど、この世界では熱い国で干ばつの対策でその昔に行われていたらしい。


ただし、詳しくは書かれていないけど。

「薬草が育たないのは害虫の影響も多かったので薬で駆除しました」

「その害虫が毒を持っていたとは」

「人の手によるものだ。自然なものではないことが調査員が発見した」


恐らく敵国が害虫を放ち薬草を枯らさせ、その後は病原菌を放ったのだろう。
調べら結果、その害虫を食べた動物を私達が口にすれば毒で死ぬだろう。

既にその被害者はあった。
そのほかにも食中毒も多発していたが、食中毒という概念が未だないのだ。

なんて恐ろしいのかしら。


「とにかく安全の為に害虫の駆除が終わって、害虫の毒もありますから」

「ああ、虫を食べて育った家畜等は」


後にこの放置が国の家畜を処分するに至る。
阻止できて良かったけど、薬草が不足で私の知る未来で亡くなるかもしれない人を救わなくては。


「次なる計画がございます」

「え?」


干ばつの状態と一緒にその被害を受けたした人を救わないと。
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