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170人望故に
しおりを挟む傷害罪、詐欺罪に加えてその他もろもろの被害届に。
ジョイルは若かりし頃、大変優秀な執事であり王宮にも出入りしていた事から理不尽な暴行行為は極めて悪質だった事からエセルバートが締め手配されることになった。
こんな早い段階で大事になるなんて思わなかった。
「通常ではありえないのでは?」
「だろうな‥まぁ、ジョイルの教え子の一人が問題だ」
「問題?」
私の協力者に名乗りあげてくれた皆さんは高位貴族に仕える立場だった。
ただし皆平民だったり下級貴族だった人が多かったはずなのに。
「過去にジョイルに教えを請うた人物が現在正教皇国で聖職者をしているとか」
「あー…」
正教皇国では武力や権力者の理不尽な暴行は論外だった。
当然と言えば当然なのだけど。
「終わったわね」
「ああ、母親と姉よりももっと厳しい罰が下るな」
早々に指名手配が出され懸賞金もかけられている。
生きている方が懸賞金は高いけど最悪生死は問わないと書かれている。
「死んだわね」
「生きていても死んだ方がマシだろうな」
この指名手配書は既に王都内にばらまかされている状態だ。
万一生きて捕まったとしても。
法律である程度守られたとしても。
世間の目は恐ろしいだろう。
民衆の殺意に晒され、命を習われる日々が待っているのだから。
「さてと、どうするか」
「そうですね」
エレンディス様は私と同じ考えのようだった。
「本来ならば、早々に保護と言うべきなのでしょうけど」
「そうだな」
以前の私だったらすぐにでも保護をと考えたけど。
「このまま加速させましょう」
「ああ、恐怖に苦しめばいい。一応私の部下を派遣するが…自分がどれだけ酷い事をしたか思い知らせる必要がある」
人の悪意の恐ろしさ。
何時殺されるかも解らない恐怖を抱きながら逃亡生活をするのはどれ程恐ろしいか解っていないわ。
未だに心が成長していない。
大人にになりきっていないからこそなのかもしれないけど。
「先に捕縛する必要があるのは詐欺を行った連中を先に捕らえよう」
「ええ不正を行ったのは明らかですから」
今からじわじわと攻めていく方が効果的だわ。
もう許さない。
これまでどれだけの人を傷つけて来たか。
苦しめて来たか。
その苦しみを味わってもらわないとならないのだから。
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