義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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くれなかった国の法律では離縁した後に元夫が強引に復縁を迫った場合。
または修道院に出家した修道女に恋愛的感情を抱き強引に迫るような真似をした時に措置が行われる。


正当な理由があり、未だに男尊女卑が激しいからこそ作られた法律だった。
権力を利用してやりたい放題する男が多すぎる。

特に聖職者に手を出すのは論外だと言う事でできた法律。


女性保護条約。


その条約の中に私も入る。


「通常貴女の場合、このような手紙を出すのは異例だわ」

「はい」

「だけど裁判所にしかるべき手続きをしていない。貴女が情けをかけたからでしょうけど」


現在私は今後の事を相談するべく私は侯爵夫人の元を訪ねた。


「手続きをすれば相手を加害者として裁けるわ。役人達は理由をつけて貴女に厄介事を押し付けようとしているけど、貴女が声を出して自分は被害者だと言わなくてはダメよ」

曖昧にして来たからこそ今の状態になっている。
私がはっきり言わないから裁判に持って行くこともできないとの事だ。



「貴女は優しいから、自分がどんな目に合っても相手を糾弾できないと思っていた」

「侯爵夫人‥私は卑怯な人間です」


自分が嫌だから。
傷つきたくないから、傷つけるのが怖いからだ。


「逃げていたんです」


「人間誰しも逃げるわ。弱い者よ」


でもこのままじゃダメだ。
どんなに言葉を尽くして心を尽くして、誠心誠意を持ってしても解ってくれない。


「優しさだけがすべてじゃないわ。既にカスティージョの連中は人としての理性すらなくなっている。病的よ」

「はい…」

何がここまで彼等をおかしくしたのか。
どうしてこんな事になってしまったのか解らない。


「時が変われば状況も人の心も変わるわ。でも変わらない人もいる」

「それは…」

「アリア、貴女は幸せになる為に沢山傷つきならがも前を見て来たわ。違う?」

「はい」


どんなに辛くても前を見て一歩ずつ歩いていけばいいと言い聞かせ折り合いをつけて来た。


「誰もが貴女のように強くなれないのよ」

「私は一人で歩いてきたわけではありません」


そうだ。
一度だって私は一人で立ち上がれなかつた。

誰かに支えられて来た。


「アリア、貴女は何時も他者に感謝を忘れなかった。その結果よ」

「はい」

「だからこそ、今回は一人で踏ん張る必要があるわ」


今度こそ私は一人で。


あの人達と直接会いに行く。
全てを終わらせる為に。





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