義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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133不調

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バルト様の長期滞在を反対するのは一人だけだった。
言うまでもなく。


「バルト、早く帰れ」

「嫌だ」

「何でだ!」


毎日このやりとりだわ。
使用人達は明るくて陽気なバルト様を歓迎している。
お客様なのに時々仕事を手伝ってくださるし、侍女からも大人気だ。


「俺はここが気に入った。永住しようかな」

「頼むから止めてくれ。頭下げるから」

「食事は上手い、庭も美しい。素晴らしい環境だ」


褒められて素直に嬉しいけど、エレンディス様の表情が死んでいる。

「私の新婚生活をぶち壊す気か!」

「別に気にするな」

「気になる!」


私は別にいいのだけど。
どうしても気のなるようだわ。


そうだ、そろそろ昼食の仕込みをしないと。
パンも焼けるはずだわ。


「奥様、本日は少し変わったパンを用意しました」

「ありがとうマヤ…」


ブランデーの香りがしてとっても…


「うっ!」


気持ち悪い。


どうして?


何時もなら素敵な香りだと思うのに気持ち悪い。


「奥様、果物を…奥様!」

「気持ち悪い」

「すぐに桶を!誰か!」


エレナが私の背中をさすってくれる。


「無理をせずに出してください」

「ゲホッ…ゲホゲホっ!」


何これ。

ものすごく気持ち悪い。


「何も悪い物食べてないのに」

「そうですわね。奥様は賞味期限の切れた食材、古い魚を食べても平気な方でしたし」


「エレナ…奥様に失礼過ぎです!奥様は胃袋が鋼なだけですわ!」


マヤ、庇おうとしてくれているのは解る。

解るんだけど庇っているように見えないわ。


「うっ‥気持ち悪い」

「ああ!奥様」


何で嘔吐が。
これまで病気にかかる事は滅多にない。

知恵熱はあったけど。
それ以外にこんな事はなかったのに。


「奥様!」

「ジョイル…」

「どうなされたのです」


ジョイルとジョナが私にかけより部屋で休ませてくれた。


「何か悪い物は食べていませんか?どんぐりを拾ったり、その辺にできている毒性の木の実を食べたとか!」


私を何だと思っているの。
そんなことするわけないでしょ?

いくら私でも毒性のある木の実なんて食べないわ。
ちゃんと毒じゃないか見てから食べるわ。


「うっ…」


「奥様!吐くんですね!吐くんですね!」

「エレナ、吐くなんて言葉を連呼するんじゃありません」


このタイミングで最悪だわ。
これではお客様を招く事ができないじゃない。


折角バルト様が来てくださったのに病気になるんなんて!


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