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127疫病神の元妻~エセルバートside
しおりを挟む何所にいても軽蔑の目を向けられる。
数週間前に役人から突きつけられた幼児虐待に殺人未遂だと訴えられ裁判になる前に罪を突きつけられた。
理由は弁護士がないかったからだ。
弁護士を雇う金はないがそれ以前に前科があると言われたのだ。
僕は一度だってアリアを傷つけるような真似をした事はない。
アリアが至らないから再教育として少し厳しい事を言っただけなのに。
「奥方に暴行を働き、追い出す形で離縁した時点で貴方を弁護する人はいないでしょう」
「何を…」
「目撃証言もあります。貴方がアリア様に暴行を加え、アリア様のお作りになった新薬の特許を奪った報告も」
「何だと…」
誰がそんな真似を。
第一、妻の権利を夫が使って何が悪い。
「まぁ、頭のネジが緩んだ貴方に言っても無駄でしょうが」
「第一、今回の放火は事故だ。少し荒く扱ったが殺そうなんて」
「別に虐待程度でここまでの重罪になりません。貴方の妹君が犯罪を犯した故に罪が重くなったんですよ」
「犯罪?」
「貴方の妹君は自身が生んだと偽りある方の赤ん坊を誘拐しました。自身の子供は死んでしまったので」
「え…」
意味が解らない。
アリッサはメリッサの娘じゃないのか?
「血液鑑定をした結果、二人は親子である確率はない。そしてアリッサ…いいえ、エンジュ様はとある方のご子息のご令嬢だということが解りましてね」
「本当に報告を聞いた時は驚きました。大公殿下のご子息ダンテ様のご息女なんですよ」
「嘘だ!」
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「既に貴族籍ではない」
「だったらここまで重い罪には…」
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相手は平民ならそこまで大きな罪になるはずがない。
「そのご息女が正式に大公殿下のお孫様として迎えられることになった。貴方の妹君は王族に手を出したことになる。一族揃って王家に手を出したのですよ」
「僕は知らなかった…そうだ。僕は!」
大体、責任があるなら僕だけじゃない。
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「アリアだって責任が…そうだ。アリアが悪いんだ。一番罪深いのはアリアだ!裁くならアリアが受けるべきだ!一番に罪を背負うのはちゃんとアリッサの面倒を見れなかったんだからな」
そうだ。
こうなったらすべての責任をアリッサに押し付けよう。
相すれば僕達は助かる。
こうなったのは全部あの疫病神の所為なんだから。
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