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93愚か者の悪あがき~エセルバートside②
しおりを挟む昨日の今日で記事になるなんておかしい。
しかも王都新聞は国内でも格式のある新聞社だ。
「何よこれ…粗悪品を売りつけたカスティージョ家?」
「金儲けの為に軽度の病人を重病にした殺人一家」
「エセルバート!どういう事!」
新聞の見開きのページに僕の写真だけでなく、醜聞を抜かれてるメリッサに。
夜な夜な遊び歩いている母上の写真。
「こんな晒されて」
「これじゃあ…」
「うるさいうるさい!大体誰の所為で邸が傾いたと思っているんだ!そもそもくだらない美容薬品を作って失敗したのはメリッサだろう!」
「私の所為にする気?」
「母上も無駄な宝石を騙されて買って、商売になるとか言って…結局無駄だったじゃないか!」
「なんて事を!」
二人は自分自身で何もせずそのしわ寄せは全部僕に来る。
それだけでは飽き足らず、無駄に金を使い既に借金地獄になっている。
「そもそもこうなった原因は母上がアリアを追い出したからだ」
「何言っているの?お兄様がちゃんとあの女を飼いならさなかったからでしょ?」
「そうよ。好き勝手させて生意気になって…頭を下げれば私は許してやるつもりだったのに!子供も作れない出来損ないの癖に」
「全ての原因は二人だろ!」
僕はアリアと幸せな生活を送れるはずだったんだ。
なのに婚約時代から二人の所為でどれだけ辛い思いをしたか。
けれど耐えることができた。
なのにアリアは僕を愛しているのに僕の為に邸を出て行き離縁に応じてしまった。
今でも僕を愛しているだろうに。
カスティージョ家は既に没落寸前で、父上は領地に引っ込み寝たきりだった。
一時は回復したように思えた病気は悪化してしまった。
しかもその病気は完治不可能で余命僅かだが治療費に当たる金はないので領地に押し込んだ。
だが領地内でもエタノール病が流行出して近づこうともしない。
領地に戻っても何もないならば、王都でやり直した方が良いとも思ったが…
既に僕達に手を貸してくれる貴族はいない。
真面な商人も僕と関係を持とうとしてくれない。
できるのは金利の高い金貸に金を借りるぐらいだ。
なんとかして一度に稼ぐ方法を…
「カスティージョ!出てこい!」
ドンドンと扉を叩く音が聞こえ。
「カスティージョさん、お話を聞かせてください」
「どうなんですか!」
「患者を殺す気だったんですか!」
他の新聞記者が押し寄せ邸の周りを囲んでいた。
前の邸ならば入る事は出来ないが今の狭い邸では門なんてあってないようなものだ。
「お兄様!何としなさいよ!」
「エセルバート!」
何もしない役立たずが!
僕だってできるならしている!
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