義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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87数珠つなぎの不幸

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難産だった奥方は無事に出産を終えた後に大公様は一度王都に戻らなくてはならなかった。


「あの時、無理にでも留まれば良かったんだ」


「その時期は国で不穏な動きがありました、断れなかったでしょうに」

「だがその所為でメリッサと言う女は嫁から子を奪い誘拐犯だと叫んだのだ!」


何ですって!


「当時の報告では出産して一週間後、あの女は自分の子が攫われて騒いだのだ」

「馬鹿げた話です。出産して間もないのに無理なのに証拠をでっち上げたのです。当時はDNA鑑定まで及ばなかった事もあるのですが…旦那様が領地に直接行けていれば」

「私が知ったのは嫁が自殺をした後だった」


「あの女は巧妙に立ち回った。男を誑し込み証拠をでっちあげて、教会の人間に金を握らせていた事が最近になって解ったが、当初の私は…」


「旦那様はダンテ殿下を失い、数珠つなぎのように不幸が重なりました」


ダンテ殿下を追う様にして病弱な大公妃も病死してその後すぐに義娘と孫を失った。


正常な心を持つ事はできないはずだ。
メリッサ様は何故、他所の子供を奪うような真似をしたの?


それとも本当に自分の子供だと…


「私は失意のあまり倒れた…精神を病んだのだ。情けない事に」


国の英雄と呼ばれても大事な家族を失って正気でいることはできなかったのだろう。


「エンジュの魔力を感じられず、最悪の事態を考えたが…ある魔導士がエンジュの消えかかった魂が再び燃えるように強くなっている報告を受けた」

「え…」

「生まれて直ぐは本当に小さく、今のエンジュからは想像できなかった。おそらく時期から言えば」


メリッサ様が王都に戻って来られた時期ということ?


「そなたがエンジュを大切に育て愛情を注いでくれた。そして元気な体にしてくれた…私はそなたに感謝こそしても恨むことはない」

「だが、邸を燃やしてエンジュ様に虐待をして捨てた…許しがたきことです」

「息子に関しては直接手を下したわけではない、王族籍からも除籍しているが…既に当時の証拠を集めている」


遠くない内に相応の裁きは下ると言う事になるのね。
でも、今後あの二人がエンジュ様に接触しないか心配なのだけど。


「そなたは心配しなくても良い」

「アリアは何も悪くないんだ…だが心配な事はあるが」


万一、エンジュが大公様に引き取られたとしたら、メリッサ様はどうでるか。


「既に調査を進めている…血縁関係の調査もな」

「私はどうなりますか」


大公様の話では私に非はないとの事だけど世間はどう見る?
離縁しても邪推する人は多く、カスティージョ家が再び傾いた時にどうなるか。


また利用される?

またあの家族に私は…
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