義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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王宮の敷地内にある王族別邸。


別邸とは思えない程の広い宮殿なのだけど、かなり古く歴史を感じる。


「ここは元は敵軍を囮に使って殺した城だからな」

「はい?」

「その後もこの城で王族が骨肉の争いをしたので、軽く100人の死体が転がっていたな!ちなみに私も何度も殺されかけたか!はははっ」


笑い事ではない。
かなりの訳あり物件でもあるのかと思うと足がすくむ。


「だが心配ない。訳あり物件だからこそ誰も済みたがらない…本来なら国宝級の宮殿だ」

笑って言えるのがすごいな。


「殿下、お茶の準備が整いました」

「うむ」


私達は広間に案内される。
お茶の用意をしてもらい、エンジュ様にもおやつの用意をされるも。


「んー!やぁ!」

「エンジェル。気に入らなかったか…弱ったな」


テーブルに置かれる子供用の離乳食にお菓子を嫌がって食べなかった。


「ダンテもこの頃は食事はまったく口にせず体は弱まり病が悪化したのだ」

「アリア」

「はい」


本当に出していいのかな?
相手は王族であるのだけど、視線があう。

「あー!」

「アリア嬢、エンジェルのお菓子があるのか?あるなら」

「はっ…はい」

鞄から取り出したのはカボチャで作ったクッキー。
勿論砂糖は使わず、豆乳を使って甘さはカボチャで取っているので体には良い。


「まうまう!」

「おお、そんなに美味しいか…もご!」

「殿下ぁぁぁ!」

食べているエンジュ様は恐れ多くも小さな両手で掴み大公様の口に突っ込んだ。


「どんな握力だ」

「乳児でお菓子を握るなんてすごいですね!」

「アリア様。違いますよ」

私はまたまた大発見をする。
三歳ぐらいの子供でもお菓子をしっかりつかむのは練習が必要だと思ったのだけど。


「美味い…これはなんたる美味だ」

「殿下…」

「アリア嬢、すまぬがもう少しくれぬか?」

「はっ…はい」


いや、赤ちゃん用のお菓子を大公様に差し上げてようのかしら。


「じゅー!」

「はいはい、ジュースね」


お菓子を食べて喉が渇いたのか飲み物を欲しがり急いで哺乳瓶を取り出す。


「アリア嬢…」

「これは流石に」

お菓子は良くても乳児用の飲み物を差し出すわけにはいかないのだけど・・・


「じー」

「うまうま!」

「じー…」


やりずらい。
非常にやりずらいわ。


「飲みたい」


「殿下、なんて見っとも無い」

「目の前に美味しそうに飲まれてお預けを受けているのだぞ」


これはもはや砂漠で水をチラつかされているラクダ状態だわ。

「どうぞ」

「恩に着る…美味い!何だこのまろやかで甘みがあるのにすっきりした味は」


いいえ、ただのリンゴジュースです。
果実を潰して絞っただけのジュースにすぎません。


なのに何で?


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