義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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77崩壊の序章~エセルバートside

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事業は尽く失敗して、社交界で覚えのない噂を流された。
その所為で真面な商人と取引所か金を借りる事は出来ななかった。


それどころかある機関が邸に訪れた。

「エセルバート・カスティージョ!乳児保護違反として拘束する」

「福祉保護団体の調査により、乳児を虐待したとの知らせを受けています」

「馬鹿な!」


社交界で妻に暴行を加えた噂を流された次は姪を虐待しただと?


「つきましてはアリッサ嬢を我らで保護させていただきます」

「ちょっとなんなのアンタ達!」


許可を取らずに勝手に入って来る団体。

「待て…」

「急いでアリッサ・カスティージョを保護しろ!」

「待て!」


勝手に部屋に上がった連中の左胸を見ると十字の紋章が見えた。

あれは聖クラリス騎士団だった。

「何で…」

通常の騎士団と異なり、騎士団と医療団体で出来た組織だ。
福祉団体が代表となり、家庭内暴力や虐待。

犯罪すれすれの行いをしている家庭に潜入して、保護対象を保護した後にその家族は一時期監察対象に置かれることになった。



「お息女は何処に!」

「知らないわよ…三日前に邸内で火事で!」

「一緒に焼けたんじゃない?」

「メリッサ!」



三日前に邸内のボヤが原因で火事になった。
幸いにも火はすぐに消されたが、僕達はボヤ騒ぎを誤魔化さなくてはならなかった。


その理由は火災保険が降りないからだ。
他にもボヤ騒ぎを僕達の不始末であれば被害を受けた者への賠償責任が問われるかもしれない。

そこで思いついたのが我が家のボヤが強盗になるように偽造した。
世間の風当たりを少しでも和らげるため。

そしていなくなったアリッサの事を隠すために。


「いたか!」

「いいえ、アリッサ嬢はいませんが…血のついた後の手袋が」

「証拠品として回収しろ。後は警備隊に連絡して殺人未遂として処理する」

「ちょっと待ってくれ!」


殺人未遂?
何でそんなことになるんだ?


「アリッサは攫われたんです」


なんとか誤魔化さなくては。
あくまで僕達は賊により火事となりアリッサは攫われたという事にしなくては。


「その割には捜索願いを出されていませんね」


「公にしたくない。だから…」

「既にネタは上がってんだよ!」

「火事はアンタ達の不始末だって事もな!火災調査員が調査すれば直ぐに解る」

「何を言っているんだ!」


まだ誤魔化せる。

大丈夫なはずだ。


そう思っていたのに。


「主任、奥の部屋に紐が見つかりました。恐らく長らく拘束されていたようです」

「ちなみに赤ん坊、乳児の拘束は罪になります。幼児保護法第三条を犯しております」


何だその法律。
そんなものは知らないし、僕は虐待なんてしていない。


「福祉団体に所属される貴族夫人より虐待の疑いがあると」


あの二人の仕業か!


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