義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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78崩壊の序章~エセルバートside②

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他人の癖に口出しをするなんて!

ここにいないあの二人に苛立ちを感じるが今は何とか誤魔化さなくては。


「アリッサは攫われたんです。だから…」

「しかし、捜索願を出されていないようですね」


「それは…噂になっては困るので…女の子ですし」


何だこいつ等は!
僕を疑いの目で見ているのか!


「アリッサ様の母君は貴女ですか」

「そうだけど何?いなくなったんだから仕方ないでしょ」

「それより火災保険はちゃんとでるのよね?」


この状況で空気を読まない二人に頭が痛かった。


「主任!ありました…火事の不始末の原因です」

「既に証拠がポンポン出ていますね。それから偽造工作の証拠も…お時間いただけますでしょうか?」


言い訳を考えても、通じる事はなく連行されてしまった。


邸から僕達は騎士達に馬車に押し込められ、連行されてしまった。


その後僕達は取り調べを受け、殺人未遂容疑をかけられたが、証拠不自由分で帰されたが。


しかし、連行され事をきっかけに社交界で新たな容疑をかけられてしまった。



「聞きまして、カスティージョの事件」

「ええ、火事だったのは偽造で実は自作だったとか」

「なんて酷い事を…もしや奥方も本当は殺していたとか」

「まだ幼い姪まで焼き殺そうとしたとか」


社交界では僕が殺人犯として疑われていた。
証拠は十分になかったが疑われただけだ。


なのに世間は僕達…というか。


僕を疑っていた。

火の不始末は僕の責任じゃない。
火事でアリッサが逃げ遅れたのも、メリッサが見ていなかったからだ。


なのに――。


「残念ですが火災保険は一切出ません」

「何ですって!」

「契約者にもちゃんと記入しておるように、ご自身の火の不始末では保険金は支払えません」

「そんな!」


「では他の保険は…」


そうだ、他にも住宅保険には入っていたはずだ。


「三か月前に保険料を見直され、一番安い最低の保険に変更されています。あのままだった保険料はこの程度出ていたでしょうに」


「これは…」


僕がこの邸に戻って来てから邸内の支払いを見直したんだ。

「この保険はかなりお得だったのですが…途中で解約されましたので」

「そこを何とかしてくれ!」

「法律上無理です。どうしてもとおっしゃるならプリメーラ商会に相談されてはどうでしょうか」



できるはずないだろう!
結局保険金は支払われることがないだけではなく、邸から出た火事により借りていた馬車が丸焦げになり弁償させられ赤字の我が家は更に赤字になってしまった。



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