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16駆け落ち決定
しおりを挟むお義理母様は侯爵家に嫁ぐ予定だと思っていたが元から駆け落ちする気でいたメリッサ様と衝突をした。
「駆け落ちって本気なの」
「ええ、私はロベスペール家に嫁ぐ気はないわ。それにお腹に赤ちゃんがいるの」
「は?」
最初は勢いで言っていたのだと思ったらしい。
二人が愛し合っているのなら侯爵家はメリッサ様を受け入れると思っていたのだが、侯爵家は結婚を認めないと言ったらしい。
しかしそこで問題が生じた。
ロベスペール家の次男は妾腹の子であることから跡継ぎはおろか、爵位を得ることもできない。
つまり独立をしなくてはならないのだ。
学校を卒業するまでは援助はしてもその後は一切援助しないと義母である侯爵夫人は言っているとか。
でも赤ちゃんがいるって…
「メリッサ…お前と言う奴は!」
「私達は愛し合ったのよ。問題ないわ」
「まぁ子供が。侯爵家も多少の援助はしてくれるはずよ。だって…」
そんなに上手くいくだろうか。
既に勘当する気でいるのだから資金援助をするとは思えない。
「メリッサなら大丈夫よ」
「ええ、私は幸せになるわ。お先にごめんなさいね?」
「いえ…」
その笑顔は恐らく私がまだ子供がいないからという意味で他意はない。
「お体にお気をつけくださいね」
「ええ…チッ」
あれ?
今されか舌打ちをしたかしら?
聞き間違いかと思う中、顔色の悪いお義父様に頭を抱えるエルセバート様。
メリッサ様の門出を祝うパーティーを行ったけど、急だったので友人は来ることができず家族だけのパーティーとなるはずだったが…
「ふざけないでくれる」
「きゃああ!」
親族を呼んでメリッサ様を祝うパーティーでハーベルト子爵夫人がシャンパンをお義母にかけた。
「何をするの!」
「私の息子をこんなくだらないパーティーに呼んで侮辱するとは…しかも婚約前に体をと汚すとは本当に恥知らずですわね?本当に恋人としたのかしら?」
「なっ…」
パーティーが始まってすぐは無言だったハーベスト子爵夫人。
だけどパーティーで派手な演説にミハイル様に対して配慮の無い言葉や自由な恋愛だと豪語する言葉は彼に対して侮辱だった。
「婚約者がいながら略奪愛をして楽しむなんて汚らわしい…」
「母上、もう止めてください。私は婚約が無くて安堵しているのですから」
「ミハイル…」
「この婚姻は望まない形でした。伯母上、私は貴方を訴えはしませんが、ご自分のした事がいかに非常識だったか理解してください」
「なんて無礼な…」
あくまでお義母様は自分は悪くないと言い放ち空気は最悪な形となったが、翌日。
侯爵家から不貞行為を行った事で慰謝料の請求と、ハーベスト子爵家からも今回の一方的な婚約破棄に関してこれまでお付き合いのある商家から手を切るとの手紙が寄せられたのだった。
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