敵国に身代わりとして捧げられた花嫁はモフモフ姫巫女だった件

ユウ

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第一章婚約破棄と国外追放

17.味方

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マリンフェスタ帝国を支える三騎士と呼ばれる人物。


重臣であり、現皇帝陛下ですら頭が上がらない。


元老院とも呼ばれている彼等。
先帝陛下の側近を務め、現在も政治に発言権が強いとされている。


騎士団を取り仕切る将軍、政を仕切る宰相、神殿を取り仕切る教皇。

国を治めるに至って彼等の能力は今でも必要とされている。

元老院の一人であるネイサンは元は辺境貴族出身であったが、長年の功績が認められ現在に至る。


その為、血筋だけの貴族よりもずっと地位も財も権力も持っている。

彼等がいなければ先代の皇帝は国を治めることも難しかったと言われる程有能かつ、敵に回せば恐ろしい人物だった。





「しばらくはわしと一緒に領地で暮らし、その後は旅巡りでもしようではないか」

「はっ…はぁ」

冗談に聞こえない騎士達は本気だと思った。
既に高齢でありながら、未だに衰えていないのは体だけでなく頭の中も若いままだった。


「師匠、本気ですか?」

「わしは本気じゃぞ。先帝陛下も楽しみにしておる故な」

「「「ええええ!!」」」

先帝陛下とは現皇帝陛下の祖父に当たる。
現在年齢は九十を超える高齢で、マリンフェスタ帝国では一番のご長寿とも言われている。



側近でもあるネイサンも似たような歳だったので、帝国内でも仙人にのように扱われているのだった。


「病院を紹介しましょう。ついに頭のネジがおかしくなったようですね」

「なんじゃ?羨ましいのか」

ニヤリと笑うネイサンにカイルは殺意を抱く。
見守っている部下は気が気でなく、冷や冷やしていた。

反対に、ここまでの待遇を用意され信じられず思わず失言をしてしまうエリーゼ。


「当初は高齢の公爵様の愛妾になると聞いていましたので」


その失言で彼等は声を荒げる。

「はぁ!王太子妃であらした方を愛妾だと!!」

「ふざけやがってあの馬鹿王子!!」

普通人質になる令嬢などは高位貴族か王族が多い。
人質であるならば王の側妃として後宮に迎えられることは多くとも、慰み者のような扱いをするなどありえない。

時と場合によっては、売られることがあっても極まれなことである。


「アイツら、どんだけ腐ってやがる」

「やはり生かしておけませんね」


「滅びる前に滅ぼす方がこの世の為でしょう」


彼等全員一致であの国を滅ぼそうと思ったが、それを止めたのは意外にもカイルだった。


「止めろ」

「何でですか団長!」

「外交問題になるだろう、殺るなら戦場にしろ」


‥‥が、カイルの方が質が悪かった。

ある意味あとくされなく葬れるので一番恐ろしい考えをしていた。


「リゼ姫には酷かもしれぬが、これからは帝国の人間として生きてもらいたい」

「はい、勿論です」


ネイサンは部下を見ながら、エリーゼに向き直り改めて告げた。
これからはマリンフェスタ帝国の民として生き、骨をうずめて欲しいと。


「祖国を捨てて貰うことになろう」

「既に帰る場所はありません…ただ」

エリーゼは家族にも未練は一切ない。
あるとすれば…


「王族の方々や宰相様にはどうか責めるようなことをなさらないでください」

「リゼ姫…」

「此度の一件の責任は両親と妹にあります。王妃様や宰相様はこんな私に良くしてくださいました」

きっと今回の人質に関しては王妃も宰相も異論を唱えてくれたのかもしれない。

だが、それを無理矢理推したのはトビアスや両親だろう。
特に王妃は病弱で、都合のいいことを並べて嘘をついたに違いない。

「もとより王妃殿下には何もせん」

「ありがとうございます」

最期まで迷惑をかけ別れの挨拶もできなかった王妃に申し訳なく思いながらも、落ち着いたら手紙をだそうと考えていた。



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