寵妃にすべてを奪われ下賜された先は毒薔薇の貴公子でしたが、何故か愛されてしまいました!

ユウ

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私の婚姻は周りの人間を驚かせた。
一度婚約が無くなったこともり、相手が貴族ではなくともそれほど驚かれないかった。


言い方はおかしいが私は傷物といってもいい。
そんな私に嫁がされた女性はこの毒でしかないと思うができる限りのことはしよう。


そう思ったのだが、顔合わせの日。


「え?ナタリー?」

「ルイス様…」

バツの悪そうな表情をする彼女に私も思うところがある。


これはどういうことなのだろうか。

いや、以前に父君が騎士だと言っていたが…


「ご存じなかったのですね」

「いきなりだったからな。その日に言い渡されていたっからな」


「そうですか」


私以上にナタリーが被害者だと思うが、何故そんな申し訳なさそうな表情をする?


「知り合いだったか」


「失礼いたしました。黒騎士閣下」



隣にいらっしゃる騎士団の中で黒騎士閣下と呼ばれているのは常に顔色が変わらず、黒い魔力を待とうが故だった。

鎧も黒く、返り血を浴びてもどす黒いオーラ―を放つからと言われているが、剣一つでのし上がった方で、純粋に騎士という職業に誇りを持っているものは敬意を抱いている。


言葉数は少なく常にマスクをはずすことはないのだが。


「お待ちください!」


黒騎士閣下はマスクを外そうとした。

「良いのです。本日は騎士としてではなく父親としております」


「お父さん…」



戦場では数多の敵将の首を持ち帰ると言われるほどの方だが、父親としての彼は愛情深いのだろう。

その意思が見える。


そうでなければナタリーが教会で父君のことを話すときはあんなにも嬉しそうに話すわけがない。


「改めて名を名乗らせていただく。アルタイル・ウィンブルックと申します」


深々と頭を下げられた姿は娘を思う父親そのものだった。
戦場の噂とは結び付かないほどのお優し表情で、富と名声を欲する欲深い我が父とは正反対だった。



「ルイス・サイルドと申します」



名を名乗ると苦笑される。
娘の身を難じているのが解る。

侯爵様とも違う。

本当に愛情深い方なのだと思った。


同時に、私はこの良縁はあの馬鹿王子が仕組んだとは到底思えない。


第三者から見れば嫌がらせのように見えるかもしれないが、私からすれば騎士と名高き肩を舅に持つことはデメリットどころかメリットしかないのだから。


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