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②
しおりを挟む幼少期の頃から好かれているというのはなんとなく察していた。
嫌われるよりもいいとは思ったが、あまり好意を表に出されるのは困りものだった。
「ルイス様!」
ずっと妹のように思っていた。
侯爵家の息女としてプレッシャーもあるし、母君は早くに亡くされ今は後妻が入ってるので孤独だったのだと。
だけど、彼女はどうも差別的な言葉が多かった。
「何をなさっているのです!」
「いえ…」
「そこの貴女、ルイス様は将来この侯爵家の婿になる方よ。荷物を持たせるなんて何様なの!貴女は解雇よ。身の程を弁えなさい」
「申し訳ございません」
「謝罪の仕方も解らないわけ?」
高圧的な態度を取り、身分が低かったり。
血筋が悪いことを貶す所があり、私は受け入れがたかった。
何より…
「彼女は怪我をしているんです!そんな…」
「まぁ、自己管理もできないなんてどこまで侯爵家の顔に泥を塗る気なの。侍女長に注意をしなくては。すぐにこの場から立ち去りなさい」
「はっ…はい」
立ち去るも何も足を挫いているのに無理だ。
「うっ…」
「彼女は聞き足を挫いているんです。そんな…」
「だから何ですの?ルイス様おそんな下々の事など気にすることはありません。身分の低いものは身分の高い者の為に尽くすのです。使えない物は廃棄し余分になると同じ事」
「アラクネ様…」
高位貴族であれば下級貴族や平民は人間以下と考えることは少なくない。
だが傷ついた人間を労わることさえしないのか?
「申し訳ありません。私は大丈夫です」
痛む聞き足を引きずる彼女を手助けしたかった。
でも、ここで私が抱きかかえれば周りは彼女を中傷するだろう。
中傷だけで済まない場合もある。
「裏口に馬車を用意しておく…後はこれを」
「そんな…」
「母君を心配させてはいけない」
そっと金貨一枚とハンカチを握らせる。
この時の私ができたのはこれぐらいだ。
馬車の御者にも彼女のことを頼み込み、無事に帰れたか心配した。
「ルイス様、もうこんなことをなさってはいけませんわ。騎士にだって無理になる必要はないのですわ」
「いいえ、騎士になるのは私の夢でしたので」
「まぁ、婚約期間中だけですし」
深いため息をつきながら私は息が詰まるような気持だった。
政略結婚に気持ちはない。
義務が発生するのは理解していたが、先の見えない未来に私の心は疲れていた。
だが、こんなのは序の口だった。
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