皇太后(おかあ)様におまかせ!〜皇帝陛下の純愛探し〜

菰野るり

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仲良しの女友達

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「ふむ、理解した。3年前に出会った女を探して、この翡翠のかんざしを持つ女に呼びかけたのか」

蕣花シュンホワは律儀にも順を追ってちゃんと話を聞いてくれた。上の世代でもなく、下のものでもない対等な関係は、堯舜ヤオシュンが初めて体験する関係性でもある。

皇帝と知っても、全く意に介さず、厩戸係の時と同じように人間として接してくれた。堯舜ヤオシュンはさっきまで冷え切っていた心が暖められていくような気がした。

「まあ、申し訳ないがそなたの探し人は私ではないようだ」

今度は蕣花シュンホワの事情を聞く番であった。
「まずはそなたの招待ともてなしに感謝する。名を名乗らなかって非礼をお許し願おう」


蕣花シュンホワは跪はせず、腰に両手をあて膝を軽く曲げ礼をする。
「私はハオトラルより、来た。龔鴑ゴンヌの王女蕣花シュンホワだ。北の国境を隔てヤオの国とは隣人。この20年続いた平和を祝賀しつつ、皇帝陛下に拝をいたす」

「普通にしてくれ、朕こそ謁見を先延ばしにし、失礼をした」
蕣花シュンホワは笑った。
「先延ばしにしたことは認めるんだな」
堯舜ヤオシュンも一緒に笑った。

「陛下はとは気も合いそうだし、色々話をしたい気持ちもあるのだが、厩戸に青影がいるということは龔鴑ゴンヌの王が来ているはずだ」
「あー…ね」
「私のせいで、この国に迷惑をかけてはいけない。私を連れ戻しにきたのかもしれない。足早に去るゆえ、既におらぬと伝えてはくれまいか」

堯舜ヤオシュンは非常に言いにくそうに、歯切れ悪く答える。
「あの念のために確認するが、龔鴑ゴンヌの王は奕世イースに違いないだろうか」
「左様」

堯舜ヤオシュンは非常に後ろめたい気持ちながらも、モヤモヤした気持ちを共有できる相手がいた喜びを感じながら続けた。

「それならば数日前には着いている、なんというか…蕣花シュンホワを探しに来たわけではなさそう…という、か、我が母とは旧知のようで…旧友をを温めにいらしたというか…」
直接的な言い方を避けると、なかなか伝わりにくいものもある。仲良しの女友達のようですとは隠語にもほどがある。そして話を総合すれば私たちは実は腹違いの兄弟かもしれないという事実に堯舜ヤオシュンは気がついた。対の名は偶然などではない。

ヤオの皇太后娘娘が、父の友人…?そんな話は初めて聞くぞ。あの父に友人なんているのか?屍しか周りにいないのに…」

人払いをしたはずだが、歩いてくる足音が聞こえてきた。皇帝陛下の命を覆せる者が月華宮にいるとすればただ1人。

堯舜ヤオシュン、どうゆうことなの。翡翠のかんざしのおふれのこと、奕世イースから聞いたわ。最初から説明しなさい」

扉を開けた雲泪ユンレイの傍には、ささえて寄り添う奕世イースがいて。堯舜ヤオシュンは心から蕣花シュンホワに同情をした。
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