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愛してるって何度でも。

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「何もかもありがとうございます」

後宮内に小さな部屋を与えられた白露バイルーは幸運にはち切れんばかりの喜びを感じていた。
「昼間はお仕事があるから、子供達は牡丹保育園にあずけてね。安心していいのよ」
「あたしの孫娘もあずけてるから大丈夫だよ」
急遽孫を娘から預かってきた茉莉モアリーも優しく話す。

雲泪ユンレイの言葉に白露バイルーは深く頭を下げる。
「なんとお礼をいえばいいか」
「ご覧の通り、後宮はずっと閉められているから人手不足で、来てもらえて大助かりよ。私も長年お掃除係りを務めてきて人事に信頼があって良かったわあ」

しらじらしい嘘だが、白露バイルーは全く疑うことを知らなかった。暖かい寝床を与えられた子供たちはスヤスヤと眠っている。


雲泪ユンレイの髪に翡翠のかんざしがみえたが、白露バイルーはもう返してもらうつもりは無かった。これ以上のぞんだらバチがあたる。

子供たちが安心して眠れる場所をただただ守っていきたい。あの日出会った名も知らぬ誰かが自分たちを迎えにくるなんて夢物語より、確実に自分の頑張りで地に足ついた生活をつないでゆきたいと思った。

まずは、ゆっくり休んでと雲泪ユンレイたちは立ち去り、子供たちと3人並んで暖かい布団に包まれる。

愛してるわと何度でも子供たちにつぶやいて。

眠りに落ちる寸前、あの日出会ったあの人が熱い口づけをしながら「愛してる」と髪に翡翠のかんざしをさした瞬間が目の裏にうかんで、胸がチクンとしたが、その面影を最近どこかで見た気がしたが、意識はストンと落ちてしまい次の朝には忘れてしまった。
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