異世界ボーナスを引き当ててしまったようです。

SAIKAI

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第98話 叫び

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 (…はぁ、あれマジで動いたりしないよな?なぁ?)
 
 と、自問自答する凶夜
 
 (誰でもいい、話相手がほしい…つらい)
 
 かれこれ30分程だろうか、扉から謎の人形らしきものを見つめていた
 
 (てか、ここってミールの家だって話だよな、あのボンクラ(クラリ)によるとだが)
 
 ふと、大声で叫んでみるのはどうだろうか、と考えが巡る
 
 (でもなぁ、ここに俺を引きずり込んだ黒い手の件もあるしな、叫んだりしても大丈夫か…?いや)
 
 しかし、ここでこうしていても仕方がない、何よりあの不気味な人形がある限りここから進める気がしない。なら、クラリかミールに見つけてもらう方がまだ可能性がある
 
「じゃ、まぁこれしかねーわな」
 
 すぅ、と大きく息を吸い込み
 
「クラリーーー!ミール!どこだぁああああ!あああー、ああぁー、ぁぁー(エコー)」

 (思ったよりも声、響いたな…)
 
 しーんと、今のはかなり広域に声が響いたと思うのだが、クラリの声もミールの声も聞こえてこない。やはり、そんなに上手くはいかないようだ、というか、それだけだったら良かったのだが
 
 だっだだだだだだだ
 
 (ん?んん?)
 
 凶夜が叫んでから数秒、何やら、地面か何かを激しく叩く様な音が聞こえてきたのだ
 
 そして、それはさっきまで凶夜が恐る恐る観察していた方向…正面の廊下からだった
 
 (まさか…な)
 
 嫌な予感を胸に抱きつつ、凶夜はチラリと扉の隙間から正面を覗き見る、瞬間息がつまるとはこの事だろうか、極度の緊張と恐怖で硬直した。何故なら、さっきまで決して近くは無い距離に配置されていて、薄っすらとしか見えなかった人形が鮮明にくっきりはっきり見える状態になっていたからだ
 
 まぁ…つまりは、目の前まで走り寄ってきたのだ。もの凄いスピードで。
 
「う、うあああああああぁああぁぁあ」
 
 半狂乱になりながら全力で扉を閉め、全身を使って扉を抑え込みながら凶夜は軽い走馬燈を見ていた
 
 (スロットォォォォ、いや無い、いやいやいやいやぁぁぁぁ)
 
「クラリーーー!ミール!いやぁぁぁぁぁぁ」
 
 どんどんどんどんどんどんどんどんどんドンドンドンドン

「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」

「ななななな、なんか怨みがましい声が聞こえるぅぅぅ!」
 
 扉がガタガタと軋み、揺れが強くなっていく、恐らくあの人形モドキがこの扉の向こうで必死に扉を叩いているのだろう
 
 (マジで無理だから!誰か助けてぇ!)
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