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【四章】王と魔王
二十一話*
しおりを挟む俺の内側をギチギチに満たしていたクワルクが動き出せば、雁で腹の中を掻き出されるような錯覚に陥る。内壁をゴリゴリと押されるだけで気持ち良さが襲い、身震いしてしまう。
「ンンッ……んぅ……くっ」
「苦しいですか?」
「……ち、がう……」
その否定の言葉にクワルクは小さく笑い、奥に再び性器を押し込んだ。
「んッ……ん!」
「はぁ……ルービン様の中、とても気持ちが良いです。全体的に肉厚なのも、抱き心地がとても素晴らしい……」
「く……ふっ……ん、ンッ……クワルクっ……ぅう」
俺の上半身の筋肉を撫でつつ、クワルクの出し入れに速さが増していく。ギシギシとベッドが軋む音でその激しさが耳からも伝わってくる。
行為に慣れていない今の肉体では、我を忘れるような快感に襲われる事はまだない。だが、お陰で内壁を行き来するクワルクの感覚をより深く意識する事ができた。
俺の上で動くクワルクを見つめているだけで、鼓動が激しくなる。こんな美しい男がこの肉体に興奮しているという事実が嬉しくてたまらない。
クワルクと目が合い、うっとりとした表情をした綺麗な顔がこちらに近付いてきた。
「ルービン様……」
「ぁ……は、ンッ……んぅ!」
口付けかと思いきや、クワルクは俺の胸にしゃぶりつく。腰を動かしながらの乳頭への刺激は、俺の腹の奥をギュッと締め付けるような感覚をもたらした。
小さくはあるが、中イキと近い衝撃に俺は息を呑んだ。
「ヒ、ッ……ん、ぐっ……!」
「ん……反応が変わりましたね。やはり胸がお好きなようだ……」
少し前まで気弱そうにしていたのに、動きが始まった途端いつものクワルクになっているのが少し悔しい。
デキる男というのは本番に強いのだろう。クワルクは俺の乳首に歯を立てて少し強めの刺激を与えてきた。
「ンッ、んぅ!」
「ふふ……少し痛いくらいの方が興奮するのはルーシャンと同じですね」
「ち、ちがぅ……ッぁア!」
「ホラ、やはり中がとても締まる」
クワルクの指で力強く乳首を捻り上げられ、俺は情けなく声をあげてしまう。
そのまま性器で奥を突かれれば、ゾクゾクと快楽の波が全身に広がる。
「アッ、は、あ、ぅあ……ッ」
「良い声になってきましたね……そのまま、いつもみたいに気持ち良くなりましょうね」
「やっ……はぁ、ぐ、ん、んッ……!」
「ルービン様……気持ち良い、ですか?」
クワルクは腰を打ち付ける勢いを強めながら、両手で俺の乳首を指の腹で苛め続けた。
クワルクの言葉は質問のように聞こえるが、これは質問などではなく命令だ。この行為が気持ち良い事だと、ハッキリと言葉にして俺に自覚させるための調教でしかない。
「は、ぅ……ぁッ……きもちいい……」
「具体的には、どのように?」
「胎……が……熱くて、もっと……突いて欲しッ……んぐッ!?」
突然、クワルクが俺の片足を高く持ち上げ、俺の脚は大きく広げられてしまった。
さっきまでと比べ物にならないくらい露わになった結合部に、クワルクは更に腰を密着させて奥へ侵入してきた。
「ア゛ッ……あっ、ん、はっ……!」
「普段よりも、貴方の身体が大きいですからね……より深く突くならば、これが良いでしょう」
「うぁっ、はっ……深……ッぃ」
「奥を犯されるの、好きでしょう?」
奥を抉じ開けられた事によって、胎内で感じていた熱さがどんどん大きくなっていった。
俺の身体は脳で覚えてしまった快感を求め、クワルクの性器に従順になっていく。ルービンの肉体でも少しずつ余計な力が抜けて、クワルクを更に奥へ導こうとしていた。
「ンッん、んぁっ……ア、アッ!」
「ここ、ですね……」
クワルクは抱えた俺の脚の角度を少しだけ変え、中を大きく突いた。
「ッ──ぁ゛!?」
「その調子です……ココを突かれると、貴方は女の子のようになってしまうのですよ。しっかり思い出してください」
「あっ、はッ……」
激しく腰を叩きつけるクワルクの顔はまるで肉食獣の様だ。瞳にはギラギラとした欲望が映り、紛れもなく俺へとその全てが注がれている。
慣れていない身体でイけないかもしれないなんて考えはもうなかった。こんなに愛されて心から満たされているのだから、気持ち良くなって当然だ。何も恥ずかしい事は無い。
「ハァッ、あ……クワルク……ッ中、きもち、いい……いっしょに、イきたい……」
「ふふ……イけそうですか?」
「んっ、ん……できる……からっ……!」
そう言って俺は自らの乳頭に触れた。突かれながら自分の乳首を愛撫するなど、ルーシャンの時ですらした事がない。
クワルクが恋人としてルービンが中でイくのを見たいと望んだから、俺も恋人としてその願いを叶えたい。慣れていない身体では、さすがに中でイクための補助が必要そうなのは理解していた。
俺はクワルクに触られたのを思い出して、強く指先で摘まんだり、指の腹で擦って刺激した。胸の刺激は確実に俺の中へ快感を繋げ、電流が走ったような衝撃に、大きめの声が出てしまう。
「ぅアッ、はん……ぅうっ!」
「……なんという絶景でしょう……視覚だけで、もう……イってしまいそうです……ッ」
クワルクは本当に余裕が無くなったらしく、唇を噛んで腰を更に激しく俺にぶつけてきた。俺も限界だった。いつもよりも、もっと大きな快楽の波を感じていた。
「んぐっ、うっ、あッ……クワルク、はげしっ……イきそ……だめだ、もう……!」
「ああっ……王、共に、イきましょう……く、ぅ──ッ」
「がっ……あっ……アッ、くわるく、クワルっ──!!」
強過ぎる快感が全身を駆け抜け、ビクビクと俺の身体は仰け反った。
絶頂の影響で収縮した中の動きだけでまたイきそうになり、高く上げられている俺の脚は痙攣を続けている。
「あ……ぁ……」
「ルービン、さま……」
「ふぁっ……ん、ぅ」
クワルクが少し動くだけでも簡単に快楽の波が押し寄せ、甘ったるい声が出てしまう。射精の時の様な終わりが見えず、次の刺激を期待してしまう自分がいた。
「クワルク……まだ、いけるだろ……?」
「ふっ……ええ、勿論」
俺は次を強請ったものの、人間と人魔の性欲の差を侮っていた。
普段のルーシャンの感覚のままでいた自分が悪いのはわかっている。五回辺りまでは覚えているのだが、それ以降はなかなか終わらない快楽地獄に俺は密かに死を覚悟していた。
いつ気を失ったのかもわからないまま、気が付けば俺はルーシャンに戻っていたのだった。
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