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第五章
※新章5:船旅編
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そうして新たな事実を知ってから、夜になると、デッキでは……そういった行為を楽しむ貴族たちが増えていく。
そんな彼らの様子に目をつぶる中、シナンとは毎日過ごしているが、最近カミールの姿を見ていない。
朝食へ行っても、彼の姿はなく、シナンと船内を歩いていても、彼を見かけることはなくなった。
最近日が暮れる前に部屋へ戻るようにしているのが原因かもしれないが……。
自室へ戻る際、ふと彼の部屋の前で立ち止まってみるが……いつもそのドアは閉ざされていた。
そんなある夜、真夜中にふと目が覚めると、窓からは眩しいほどの月明かりが差し込んでいた。
喉の渇き水を口にすると、どうも目が覚めてしまったようだ。
寝るに寝付けぬ中、夜風に当たろうと外へ出ると、船内はシーンと静まり返っている。
(一人で部屋からでちゃいけないよ)
シナンにあぁ言われたけれど……こんな夜中に起こすのは悪いわよね。
すぐ戻るし……デッキは出ないようにすれば大丈夫でしょう……。
遠く行くつもりもないし、何かあればここへ逃げれば大丈夫よね。
私は一人薄暗い船内を歩いていくと、ザザーと波の音が耳に届く。
その音をじっと感じていると、突然肩に誰かの手が触れた。
慌てて振り返ると、そこには見知らぬ男が私を見下ろしている。
「ひぃっ、だっ、誰……っっ」
いっ、いつの間に!?
驚きながらに、慌ててその手を振り払うと、後ろから別の男が顔を出す。
「おぉ、上玉じゃねぇか。よし、今日の相手はあんたに決めた」
男はペロリと舌を出すと、私へと抱きついてくる。
その腕を避けようと体を動かすと、いつの間に後ろへ回り込んでいたのだろうか……もう一人の男が私の体を捕まえた。
「ちょっと、いやっ、離して!!!」
「おぃおぃ、なんだ、なんだ?女一人でこんな真夜中にウロウロしているんだ、探してたんだろう男を」
「違うわ、少し涼みに来ただけよ。やめて、離して!!!」
そう力いっぱいに叫ぶと、男は煩わしそうに顔をしかめた。
すると男は私の口を手で覆うと、楽しそうに笑って見せる。
「まぁ、こういうプレイもありだなぁ。ほら、すぐに気持ちよくしてやるよ」
「やべぇ、めっちゃいい匂いするじゃんこの女」
男はローブへ手を伸ばすと、ゆっくりと脱がせていく。
後ろから抑え込まれ身動きが取れない中、男の手が素肌へ触れた。
冷たいその感触に思わず体が跳ねると、くぐもった声が船内に響き渡る。
「うぅぅん、……ッッ、ふぅ……んんん……うぅ、んんん」
気持ち悪さにゾクゾクと鳥肌が立つ中、後ろから押さえつけている男の大きな手が膨らみを掴んだ。
「やべぇ、この女の胸触り心地抜群だぜ」
ゲスな笑いが響く中、後ろの男は胸の突起を摘み上げると、強い刺激に涙が浮かぶ。
イヤ、イヤ、嫌……ッッ。
視界がにじむ中、太ももに男の手が触れると、私は必死で抵抗してみせる。
しかし男の力にかなうはずもなく……脚は大きく開かれていった。
「うぅぅ……ッッ、んんん……、ふぅ、……ッッ」
「おぃおぃ、抵抗すんなよ。優しくしてやるからさ」
嫌……こんなのイヤ……。
抗えない力に目の前が闇に染まっていく。
男の息を間近で感じる中、私はギュッと目を閉じると、突然大きな音が船内に響いた。
すると私を捕らえていた男の腕が離れ、強い衝撃が走ると、体が自由になっていく。
突然の事に恐る恐る目を開けてみると、そこにはカミールの姿があった。
彼の姿を茫然と眺める中、彼の拳には血が付いている。
ゆっくりと辺りへ視線を向けてみると、殴られたのだろうか……先ほどの男二人が蹲るように倒れ込んでいた。
「……どうして……?」
そう一言呟くと、バタバタバタとの足音が後方から響いた。
「もうカミール、いきなりどうしたのよ!?」
可愛らしい声に振り返ると、そこにはシミーズ姿の女性が驚いた様子で佇んでいた。
その女性は倒れ込む男二人に小さく悲鳴を上げると、カミールの傍へ走り寄りしがみ付く。
するとカミールはそれを煩わしそうに払いのけると、冷たい眼差しを浮かべながら女を見下ろした。
「もうお前に用はない、さっさと戻れ」
「はぁ!?何よ急に!!あぁ……もう、いいわよ!!!最低!!!」
女は金切り声を上げながらにカミールを突き飛ばすと、そのままどこかへと走り去っていく。
唐突な出来事に何の反応も出来ぬままに、シーンと辺りが静まり返ると、カミールは茫然とする私の腕をとり、ひっぱりあげた。
「あっ、ありがとう。それよりもいいの……?今から追いかければ……」
「いや、あの女はもう用済みだ。……あんたに相手をしてもらうんだからな」
カミールは私の腕を引き寄せると、そのままゆっくりと顔を近づけてくる。
その姿に慌てて身をよじらせると、彼の胸を押し返しながらに距離を取った。
そんな彼らの様子に目をつぶる中、シナンとは毎日過ごしているが、最近カミールの姿を見ていない。
朝食へ行っても、彼の姿はなく、シナンと船内を歩いていても、彼を見かけることはなくなった。
最近日が暮れる前に部屋へ戻るようにしているのが原因かもしれないが……。
自室へ戻る際、ふと彼の部屋の前で立ち止まってみるが……いつもそのドアは閉ざされていた。
そんなある夜、真夜中にふと目が覚めると、窓からは眩しいほどの月明かりが差し込んでいた。
喉の渇き水を口にすると、どうも目が覚めてしまったようだ。
寝るに寝付けぬ中、夜風に当たろうと外へ出ると、船内はシーンと静まり返っている。
(一人で部屋からでちゃいけないよ)
シナンにあぁ言われたけれど……こんな夜中に起こすのは悪いわよね。
すぐ戻るし……デッキは出ないようにすれば大丈夫でしょう……。
遠く行くつもりもないし、何かあればここへ逃げれば大丈夫よね。
私は一人薄暗い船内を歩いていくと、ザザーと波の音が耳に届く。
その音をじっと感じていると、突然肩に誰かの手が触れた。
慌てて振り返ると、そこには見知らぬ男が私を見下ろしている。
「ひぃっ、だっ、誰……っっ」
いっ、いつの間に!?
驚きながらに、慌ててその手を振り払うと、後ろから別の男が顔を出す。
「おぉ、上玉じゃねぇか。よし、今日の相手はあんたに決めた」
男はペロリと舌を出すと、私へと抱きついてくる。
その腕を避けようと体を動かすと、いつの間に後ろへ回り込んでいたのだろうか……もう一人の男が私の体を捕まえた。
「ちょっと、いやっ、離して!!!」
「おぃおぃ、なんだ、なんだ?女一人でこんな真夜中にウロウロしているんだ、探してたんだろう男を」
「違うわ、少し涼みに来ただけよ。やめて、離して!!!」
そう力いっぱいに叫ぶと、男は煩わしそうに顔をしかめた。
すると男は私の口を手で覆うと、楽しそうに笑って見せる。
「まぁ、こういうプレイもありだなぁ。ほら、すぐに気持ちよくしてやるよ」
「やべぇ、めっちゃいい匂いするじゃんこの女」
男はローブへ手を伸ばすと、ゆっくりと脱がせていく。
後ろから抑え込まれ身動きが取れない中、男の手が素肌へ触れた。
冷たいその感触に思わず体が跳ねると、くぐもった声が船内に響き渡る。
「うぅぅん、……ッッ、ふぅ……んんん……うぅ、んんん」
気持ち悪さにゾクゾクと鳥肌が立つ中、後ろから押さえつけている男の大きな手が膨らみを掴んだ。
「やべぇ、この女の胸触り心地抜群だぜ」
ゲスな笑いが響く中、後ろの男は胸の突起を摘み上げると、強い刺激に涙が浮かぶ。
イヤ、イヤ、嫌……ッッ。
視界がにじむ中、太ももに男の手が触れると、私は必死で抵抗してみせる。
しかし男の力にかなうはずもなく……脚は大きく開かれていった。
「うぅぅ……ッッ、んんん……、ふぅ、……ッッ」
「おぃおぃ、抵抗すんなよ。優しくしてやるからさ」
嫌……こんなのイヤ……。
抗えない力に目の前が闇に染まっていく。
男の息を間近で感じる中、私はギュッと目を閉じると、突然大きな音が船内に響いた。
すると私を捕らえていた男の腕が離れ、強い衝撃が走ると、体が自由になっていく。
突然の事に恐る恐る目を開けてみると、そこにはカミールの姿があった。
彼の姿を茫然と眺める中、彼の拳には血が付いている。
ゆっくりと辺りへ視線を向けてみると、殴られたのだろうか……先ほどの男二人が蹲るように倒れ込んでいた。
「……どうして……?」
そう一言呟くと、バタバタバタとの足音が後方から響いた。
「もうカミール、いきなりどうしたのよ!?」
可愛らしい声に振り返ると、そこにはシミーズ姿の女性が驚いた様子で佇んでいた。
その女性は倒れ込む男二人に小さく悲鳴を上げると、カミールの傍へ走り寄りしがみ付く。
するとカミールはそれを煩わしそうに払いのけると、冷たい眼差しを浮かべながら女を見下ろした。
「もうお前に用はない、さっさと戻れ」
「はぁ!?何よ急に!!あぁ……もう、いいわよ!!!最低!!!」
女は金切り声を上げながらにカミールを突き飛ばすと、そのままどこかへと走り去っていく。
唐突な出来事に何の反応も出来ぬままに、シーンと辺りが静まり返ると、カミールは茫然とする私の腕をとり、ひっぱりあげた。
「あっ、ありがとう。それよりもいいの……?今から追いかければ……」
「いや、あの女はもう用済みだ。……あんたに相手をしてもらうんだからな」
カミールは私の腕を引き寄せると、そのままゆっくりと顔を近づけてくる。
その姿に慌てて身をよじらせると、彼の胸を押し返しながらに距離を取った。
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