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第二章 コンプレックスと無条件の愛
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晃との生活を始めて、3か月がたった
仕事も辞め、自宅にいるだけの玲は、暇を持て余していた
「あー…暇すぎる」
初めの内は、ゲームをしたりして楽しんでいたけど、毎日何時間もゲームをするだけってのも、案外疲れるものだと知った
晃の帰りはまちまちで、早い日もあれば、遅い日もある。遅くなる時は必ず連絡をくれている。案外マメなんだなと思ったものだ
ボーっとしていた玲のスマホが鳴る。メールが来ていたので、確認すると晃からだった。今日は早く帰れると書いてある
「晃さん、今日は早く帰って来てくれるのか」
そう言う玲は、どこか嬉しそうにしていた
「ご飯作っておこうかな」
いそいそと、キッチンへ向かう玲。エプロンをして、料理を始める。けして得意と言う訳でもない料理を、勉強して練習しているのは、他でもない晃の為だった
喜んでほしい、ただそれだけのために
晃は玲が作ったご飯を、いつも「美味しい」と言って食べてくれる。初めの頃は、お世辞にも美味しいと言えなかった料理でも、美味しいといって喜んでくれた
そんな晃の気持ちが、玲にはとても嬉しくて
今では、味もそうだが健康面でも、きちんと考えて料理するまでになっていた。玲の努力は結果となり、味はそこそこで、作る事が出来る様になっていた
料理の合間で、お風呂を沸かす。最早、専業主婦のような生活をしている玲
―――ガチャ
料理を終え、食卓に並べている時、リビングのドアが開き、晃が入って来た
「ただいま、玲」
「おかえりなさい、晃さん」
「今日も食事を作ってくれたんだな。ありがとう」
「これくらいしか、出来ないから」
恥ずかしそうに言う玲を、抱き寄せ
「いつも、ありがとうな。愛してる、玲」
甘い甘い空気を漂わせながら、愛しくて堪らないと言わんばかりの声音で言う晃
晃は、玲にいつも愛を囁く。それはもう、惜しみなく。そして、その囁く愛が、偽りではない事は、玲にも伝わっていた。と言うよりも、偽りかどうかなど、疑うまでもないのだ
玲は、そんな晃の気持ちが嬉しくて、堪らなかった。玲の不安なんか、消飛ぶくらいには
だけど、この3ヶ月の間、玲は晃の周りにいる人々を、沢山見て来た。そして、やっぱりコンプレックスが刺激され、自分の中にあった、なけなしの自信も崩れそうになっていたのだ
『平凡で、なんの取り柄もない自分は、晃に相応しくない』
そう思えてならない。玲と晃が、番だと言う事は変えようのない事実。だけど、だからこそ晃にとって、玲が番だった事が、不運だったのではと思うのだ
自分よりも、もっと優秀で見目も整っている人が、晃の番だったなら、晃の隣にいても違和感はない。でも、自分はどうだろうか?
晃の隣に立つ自分を想像しても、違和感しか感じない。それに、ほぼ軟禁状態の自分の状況は、晃が自分を番だと知られたくないからなのではないか
不安は憶測の無い疑いまでも生じさせる
晃からの愛は素直に嬉しいし、玲だって晃の事を番だからではなく、愛おしいと思っている。だけど、晃からの愛に、「愛している」と返せないでいた
仕事も辞め、自宅にいるだけの玲は、暇を持て余していた
「あー…暇すぎる」
初めの内は、ゲームをしたりして楽しんでいたけど、毎日何時間もゲームをするだけってのも、案外疲れるものだと知った
晃の帰りはまちまちで、早い日もあれば、遅い日もある。遅くなる時は必ず連絡をくれている。案外マメなんだなと思ったものだ
ボーっとしていた玲のスマホが鳴る。メールが来ていたので、確認すると晃からだった。今日は早く帰れると書いてある
「晃さん、今日は早く帰って来てくれるのか」
そう言う玲は、どこか嬉しそうにしていた
「ご飯作っておこうかな」
いそいそと、キッチンへ向かう玲。エプロンをして、料理を始める。けして得意と言う訳でもない料理を、勉強して練習しているのは、他でもない晃の為だった
喜んでほしい、ただそれだけのために
晃は玲が作ったご飯を、いつも「美味しい」と言って食べてくれる。初めの頃は、お世辞にも美味しいと言えなかった料理でも、美味しいといって喜んでくれた
そんな晃の気持ちが、玲にはとても嬉しくて
今では、味もそうだが健康面でも、きちんと考えて料理するまでになっていた。玲の努力は結果となり、味はそこそこで、作る事が出来る様になっていた
料理の合間で、お風呂を沸かす。最早、専業主婦のような生活をしている玲
―――ガチャ
料理を終え、食卓に並べている時、リビングのドアが開き、晃が入って来た
「ただいま、玲」
「おかえりなさい、晃さん」
「今日も食事を作ってくれたんだな。ありがとう」
「これくらいしか、出来ないから」
恥ずかしそうに言う玲を、抱き寄せ
「いつも、ありがとうな。愛してる、玲」
甘い甘い空気を漂わせながら、愛しくて堪らないと言わんばかりの声音で言う晃
晃は、玲にいつも愛を囁く。それはもう、惜しみなく。そして、その囁く愛が、偽りではない事は、玲にも伝わっていた。と言うよりも、偽りかどうかなど、疑うまでもないのだ
玲は、そんな晃の気持ちが嬉しくて、堪らなかった。玲の不安なんか、消飛ぶくらいには
だけど、この3ヶ月の間、玲は晃の周りにいる人々を、沢山見て来た。そして、やっぱりコンプレックスが刺激され、自分の中にあった、なけなしの自信も崩れそうになっていたのだ
『平凡で、なんの取り柄もない自分は、晃に相応しくない』
そう思えてならない。玲と晃が、番だと言う事は変えようのない事実。だけど、だからこそ晃にとって、玲が番だった事が、不運だったのではと思うのだ
自分よりも、もっと優秀で見目も整っている人が、晃の番だったなら、晃の隣にいても違和感はない。でも、自分はどうだろうか?
晃の隣に立つ自分を想像しても、違和感しか感じない。それに、ほぼ軟禁状態の自分の状況は、晃が自分を番だと知られたくないからなのではないか
不安は憶測の無い疑いまでも生じさせる
晃からの愛は素直に嬉しいし、玲だって晃の事を番だからではなく、愛おしいと思っている。だけど、晃からの愛に、「愛している」と返せないでいた
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閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
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