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転校生 櫛橋さゆり
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天王本家会議
「人妖の神……今の狐をどう見る、けあき?」
「はい、ご老公。狐は今、自ら意思を持って正道翔に取り付いています。意思の主導権は彼にあると思います」
「うむ……しかし、狐の本質は傾国になる。人間の意思で封じられるか、否か……分家の方々はどう思うかのう?」
暗い部屋。複数の気配が出現した。
「私は狐の抹殺を進言します。必要ならは、少年もろとも……」
「確かに狐を人類の味方に引き入れるならば魅力的。しかし、人間の寿命から残り60年。その程度の封印ならば……必要か?」
「ジャパンの皆さまは、アグレッシブですNE! バット! フォクスに怯えすぎじゃアリマセンか?」
「「「お前は黙ってろ西洋かぶれ!」」」
「oh my God!」
「天王家の重鎮では少年の抹殺が多いようだが……ふっ、随分と豊かな表情を見せるようになったな。少年――――正道翔、次期党首さまのお気に入りか」
「私はそのような私情を――――」
「うむ、早く孫の顔も見たいのう」
「ご老公の意見もごもっとも! 狐付きを天王家に入れるのなら次代はより強く発展いたしましょう!」
「次期党首さまの婿殿ならば、我らの家族! 国を亡ぼすかねない困難? 家族のためならば我らは謹んで受け入れよう」
「ちょ……おじ様たち、悪ふざけが過ぎますよ!」
「なにが悪ふざけか! 可愛い姪が惚れた男よ! 全力を出さなくて何が家族か!」
「みんな待て! 西洋かぶれの反応が消えた! リモート会議を抜けて、既に動きやがった! こうしちゃいられねぇ!」
「ま、待って! お願い待ってください!」
「本家会議は、これまでじゃ! 皆、自由に励めよ!」
「くっ! リモート会議だから油断しました。親族の奔放さを見余った!」
珍しく、悪態をつくけあきだった。
そんな時――――
「HELLO ガール! 早速、登場してみましたNE☆!」
「窓から! 西洋かぶれさん! 全てを見越して、屋根から配信をしてましたか…… 護衛はどうしましたか!」
「安心して下さい! 命までは取ってまセーン!」
「当り前です! 身内に護衛を殺されたら冗談にもなりませんよ!」
「それでは、明日からユーのハイスクールにレッツゴーね!」
「……明日は土曜で休日ですよ」
「OH! ミステイックね!」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「櫛橋さゆりです。皆さん、よろしくお願いします」
「はい、転校生のさゆりさんは海外で留学していましたので、日本の学校ではわからない事が多いそうです。皆さんもさゆりさんが困っていたら助けてあげてくださいね」
「ふ、普通に喋れるじゃないですか! なんという擬態……」と誰に聞かれてる事もなく、けあきは呟いた。
そして休み時間。 さゆりを囲んで質問責めを開始する同級生たち。
転校生の通過儀礼だ。 しかし、さゆりは会話の隙をついて――――
「そう言えば、こちらに正道翔さんが居られると聞きましたが、どなたでしょうか?」
「え? 正道? 彼だよ?」
「そうですか、親戚がお世話になっているみたいなので挨拶をしてきますね」
離れて様子を窺っていた天王けあきが反応する間もなかった。机を囲む同級生たちをやり過ごして正道翔の前に移動した。
「初めまして正道くん、けあきちゃんから話は聞いていますよ」
「けあき……あぁ、彼女と親戚なのか?」
「はい、正道くんはけあきちゃんのボーイフレンドと聞いていますが、実際の所は胴なのでしょうか?」
「ボーイフレンド……男友達って意味なら、そうだけど?」
「なるほど、やはり愉快なボーイですね」
「え?」
「放課後に少し話してもいいかな、正道くん?」
「人妖の神……今の狐をどう見る、けあき?」
「はい、ご老公。狐は今、自ら意思を持って正道翔に取り付いています。意思の主導権は彼にあると思います」
「うむ……しかし、狐の本質は傾国になる。人間の意思で封じられるか、否か……分家の方々はどう思うかのう?」
暗い部屋。複数の気配が出現した。
「私は狐の抹殺を進言します。必要ならは、少年もろとも……」
「確かに狐を人類の味方に引き入れるならば魅力的。しかし、人間の寿命から残り60年。その程度の封印ならば……必要か?」
「ジャパンの皆さまは、アグレッシブですNE! バット! フォクスに怯えすぎじゃアリマセンか?」
「「「お前は黙ってろ西洋かぶれ!」」」
「oh my God!」
「天王家の重鎮では少年の抹殺が多いようだが……ふっ、随分と豊かな表情を見せるようになったな。少年――――正道翔、次期党首さまのお気に入りか」
「私はそのような私情を――――」
「うむ、早く孫の顔も見たいのう」
「ご老公の意見もごもっとも! 狐付きを天王家に入れるのなら次代はより強く発展いたしましょう!」
「次期党首さまの婿殿ならば、我らの家族! 国を亡ぼすかねない困難? 家族のためならば我らは謹んで受け入れよう」
「ちょ……おじ様たち、悪ふざけが過ぎますよ!」
「なにが悪ふざけか! 可愛い姪が惚れた男よ! 全力を出さなくて何が家族か!」
「みんな待て! 西洋かぶれの反応が消えた! リモート会議を抜けて、既に動きやがった! こうしちゃいられねぇ!」
「ま、待って! お願い待ってください!」
「本家会議は、これまでじゃ! 皆、自由に励めよ!」
「くっ! リモート会議だから油断しました。親族の奔放さを見余った!」
珍しく、悪態をつくけあきだった。
そんな時――――
「HELLO ガール! 早速、登場してみましたNE☆!」
「窓から! 西洋かぶれさん! 全てを見越して、屋根から配信をしてましたか…… 護衛はどうしましたか!」
「安心して下さい! 命までは取ってまセーン!」
「当り前です! 身内に護衛を殺されたら冗談にもなりませんよ!」
「それでは、明日からユーのハイスクールにレッツゴーね!」
「……明日は土曜で休日ですよ」
「OH! ミステイックね!」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「櫛橋さゆりです。皆さん、よろしくお願いします」
「はい、転校生のさゆりさんは海外で留学していましたので、日本の学校ではわからない事が多いそうです。皆さんもさゆりさんが困っていたら助けてあげてくださいね」
「ふ、普通に喋れるじゃないですか! なんという擬態……」と誰に聞かれてる事もなく、けあきは呟いた。
そして休み時間。 さゆりを囲んで質問責めを開始する同級生たち。
転校生の通過儀礼だ。 しかし、さゆりは会話の隙をついて――――
「そう言えば、こちらに正道翔さんが居られると聞きましたが、どなたでしょうか?」
「え? 正道? 彼だよ?」
「そうですか、親戚がお世話になっているみたいなので挨拶をしてきますね」
離れて様子を窺っていた天王けあきが反応する間もなかった。机を囲む同級生たちをやり過ごして正道翔の前に移動した。
「初めまして正道くん、けあきちゃんから話は聞いていますよ」
「けあき……あぁ、彼女と親戚なのか?」
「はい、正道くんはけあきちゃんのボーイフレンドと聞いていますが、実際の所は胴なのでしょうか?」
「ボーイフレンド……男友達って意味なら、そうだけど?」
「なるほど、やはり愉快なボーイですね」
「え?」
「放課後に少し話してもいいかな、正道くん?」
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