憧れはすぐ側に

なめめ

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憧れの人

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結局昨夜は考えすぎて頭の中が興奮してよく眠れずに朝を迎えてしまった。時間に余裕があったものの、寝ようとしても寝つけずに早めに起きて身支度をしては、朝食をとることにした。

イマイチ冴えない思考のまま無心でテレビを眺めながら角食を頬張る。ふと、一冊の雑誌の話題が朝の情報番組から流れてきては今日はお目当ての雑誌の発売日だったと気付かされる。

一人暮らしで大学までは自転車で15分圏内の場所に住んでる。慌てて出る必要は無かったが、早く雑誌を手に入れたくて気持ちが焦り、身支度を済ませると直ぐに家を出た。

渉太は構内に入る前に真っ先にコンビニに立ち寄ると、雑誌コーナーでお目当ての物を手に取る。表紙にyanyanと書かれた女性誌。

 勿論、雑誌の内容に興味があるんじゃなくて
表紙男。昨夜聴いていた律が表紙の雑誌。
ストレートな黒髪に端正な顔立ち。
写真の中の律は上から下まで何もかも完璧で腹筋が六つに割れた上半身に、ギリギリを攻めたセミヌードは全体的に引き締まった体をこれでもかと言うくらい見せつけていた。極めつけには整った顔が此方を睨みつけるような瞳が雄雄しくて渉太をドキっとさせる。

175cmの高身長で25歳の律は歳を重ねる度に大人の色気が溢れてきて、一般の成人男性より低めの身長、童顔の自分とは比べるに値しないくらい。渉太はそんな雲の上の存在の人に憧れていた。

憧れもあるが明確に言えば理想なタイプだろうか。断言できるほど経験がある訳じゃないが、昔からドキドキしたり意識するのは同性が多かった。だから、自分は異性愛者ではない気は何となく自覚している。

だから友達にすら恋をしてしまったのだと·····。

沈みがちの気持ちを上げるために雑誌を開いたのに再び、負の無限ループの地獄に陥りそうになった。渉太は気持ちを持ち直すために頭を軽く振っては切り替えると雑誌を閉じて昼のお弁当と雑誌を持ってレジへと向かった。
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