半人半馬の子供

シオ

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「……ジオ、ジオルクス。私の愛しい子」

 二人で寝台の上に横になり、私がジオの頭を抱きかかえるような形になっていた。ジオの頭を私の胸に押し付けて、撫でる。こんな風に眠るのは、何年ぶりのことだろうか。多幸感に全身が浸る。数時間前までの絶望が嘘のようだ。

「幸せすぎて、死にそうだ」

 私に抱きしめられながら、ジオがぼそりとそんな言葉を漏らす。腕の中の愛しい子は、目を閉じてにこにことしていた。私も、幸せすぎて恐ろしさを感じるほどだった。

「それは困る。長生きして、私と共に生きてくれるんだろう?」
「そうでした」

 ジオの額に口付けをする。穏やかで、幸福な時が流れていた。

「俺たち、これで番になったんですよね?」
「そう、だな。……私たちの慣習では、名を明かしあえば番になる。けれど、森の賢者としては、どうするのが良いのだろう?」
「さぁ。俺は、貴方が納得した形になればそれでいいので、俺たちの慣習のことは放っておきましょう」

 森の賢者として、それで良いのだろうか、と思いつつも本人が気にしていないのであれば、まあ良いか、と私も適当に流す。私とジオが番になった、という事実と自覚が何よりも大切なのだ。

「……体、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ」
「何か、軟膏とか塗った方がいいのかも」

 ジオルクスの手が、私の腰を優しく撫でる。その手つきは、あまりにも優しかった。心配性なジオが微笑ましくて、ふふ、と笑いを零してしまう。

「今度は、しっかりと慣らしてもらわないと」
「任せてください」

 無理やりな挿入で、私の孔は少しばかり裂け、血が滲んでいた。けれど、それはジオが気に病むような事柄ではない。これから、丁寧にしてもらえれば私は十分だった。

「ジオのものは……その、私が受け入れるには、随分と大きいから」
「そう……ですよね。しっかり解します」

 森の賢者のものは、我々の種族のものよりも大きく、十分に解さなければ再び傷を負うだけだ。けれど、しっかり解して慣らせば、受け入れることが出来ると思う。愛するジオのものなのだから、私はなんとしてでも彼を受け止めたかった。

「……っ!」

 決意を固めていた私の体に、衝撃が走る。胸のあたりを鼻先で撫でられたのだ。そして、それが丁度、胸の突起を掠めてぞくりとした感覚が背を撫でた。ぐりぐりと、鼻先で敏感なところを押し潰されて、変な声が出そうになる。

「ジオ……?」
「貴方に、ハルに触れたいんです。……痛いことはしないから……、駄目ですか?」

 上目使いでジオルクスが懇願する。熱の篭った双眸だった。そんな目で見つめられたら、私は断れない。

「……痛くないなら」

 痛くないなら、良いよ。そう言おうとしたのに、最後の言葉を口にする前にジオが動いた。寝間着の前を閉じていた紐を咥えて解き、私の胸を晒す。平らで、何の面白味もない体に、ジオは頬を摺り寄せた。くすぐったくて身じろぎする。

「あ……っ、……ん、ぅ」

 胸の先端にジオの舌先が触れる。胸全体を舐められて、ぐりぐりと突起を押し潰された。慌てて、手で口を押えようとするが、その手首を掴まれジオに阻止された。情けない声が漏れていく。

 足の指先にまで力を込めて耐えているというのに、ジオは私を翻弄するようなことばかりをした。思い切り胸を吸い上げたり、指で摘まんだり、僅かに噛んで引っ張ったり。あまりにも同じことを繰り返すので、次第に胸がじんじんと痛みだした。甘い痛みと、激しい快楽に弄ばれて私は瞳から涙を零す。

「痛いことは、しないって言ったのに……っ」
「あっ、ご、ごめんなさい! もうしません!」

 慌てて動きを止めたジオルクスは、私に寝間着を着せて、今度は私を抱きしめる形で横になった。私よりもうんと大きな体に包まれて、とても心地よい。世界で一番、心が安らぐ腕の中だった。


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