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第二十章 悪女の素顔
20-10 ナギサイド
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何とか、ユミル達は、毒尾の狐を倒し終わったようで、私達の元へ駆けつけてくれた。
今思い出したんだけど、毒尾の狐って、確か、尻尾が本体で、胴体を切り離したら、死ぬんだった。でも、対象方法は知っていたかわからないけど、尻尾を切り取って倒したようだ。
見た感じ、毒尾の狐の毒を受けていないようだ。あの毒は即死系ではないが、すぐに、症状がでるんだ。確か、もの凄い激痛が襲いかかるんだっけ?
無事で何よりだ。バルンクなんか、まともに喰らってしまったからね。幸い、障壁を纏っていたから、毒は通さなかったんだ。
「やりますね。思ったよりも、早く倒しましたね。あの狐、結構厄介な魔物はずなんですが……」
ネールがため息を吐いた。
「ここから、私が一人で相手にしないといけないか。……とは言え、勇能力を持っていたとしても、さすがに、一人で、相手にするのは、厳しいか。私の攻撃にも耐えるし、毒尾の狐も、一瞬で倒しちゃうし。……仕方がない」
ネールの全身が光り始めた。これって……。
「さあ、本当の恐怖を教えてあげるわよ」
まずい! あれは確か……、いや! もう手遅れだ! 今向かったら、返り討ちに合う!
「ふう。これ使うと我を忘れがちだから、使いたくはなかったんですが」
覚醒しやがった。しかも、覚醒後の姿が、まるで女王様だ。勿論、悪徳の方で。
「ネール。今更だけど、あんたと闘う必要があるのか? とてもじゃないけど、あんたが、ゲス皇帝のために戦う柄ではないはず」
アイラが問い出す。
「それで、戦いをやめると思う?」
「あんたの考えは、全く分からない。ユンヌお姉ちゃんのことは嫌いの様だけど」
「そうよ。ユンヌは嫌いだよ、私」
「でも、分からない。あの日、ユンヌお姉ちゃんが、魔物の毒にやられた時、あんたは必死に看病していたはず。嫌いな相手なのに何でだ?」
ユンヌが魔物の毒にやられた話って、確か、マリンの父の前皇帝アスラが、軽率な行動によって引き起った事件。その毒の後遺症でユンヌは死んだと。それがきっかけで、アイラは、アスラを憎んだんだっけ?
「……お喋りは、そこまでよ」
話を途中で、遮断しやがった。何か、聞かれるのが嫌なことでもあるのか?
「行くわよ」
消えた!? いや!
キーーーーーン!!!
「きゃあぁぁぁぁぁ!」
ユミルが後方へ飛ばされていった。ユミルがいた所には、鉤爪の籠手を左手に装着したネールの姿があった。
鉤爪の籠手も、さっき戦った時に、装備していた鉤爪の籠手よりも、爪の部分が長くなっている。その長さはネールの身長分の長さだろう。
一瞬だったけど、ユミルは刀を抜いて、ネールの攻撃を防いだが、力負けして吹き飛んでしまった。
幸い、ユミルは、飛ばされながらも、背中の翼を広げて、体制を整えた。
「お姫様にしては、いい反射真剣ね。パワーがあれば、受け止められたのに」
やばい。ネールの足が一歩、踏み込んだ。ユミルに留めを刺しに行くのか? そうはさせ……。
チャラーーーーーン!!
「何!?」
ネールは床から生えてきた鎖に手足を巻きつかれていた。
その鎖は、アイラの魔術で構成した鎖だ。その鎖で、ネールの動きを封じているんだ。
「あら? 次の魔術の発動がないわね。この短時間で発動もできるのに。それに、あなたの、魔術の発動が遅いわね。じゃなきゃ、セシルの王女様に近づけさせる前に、その鎖で私の動きを封じられていたのに。もしかして、この鎖の魔術は無詠唱ではない? あなたは、確か、勇能力を持っていたはずでしょ?」
「お生憎様、僕は、勇能力が使えなくなったんだ」
「ふーん。勇能力がなくなったの? そんなことも、あるのね。なら」
アイラの背が縮んでいる? いや、アイラの真下に、黒い沼見たいのが出来ていて、アイラはその黒い沼へ沈んでいっている。以前、リリカも似たような魔術を使っていたが、これは、闇の魔術か?
「子供の時よりも弱くなったじゃないの?」
まずい、いつの間にか、ネールがアイラの傍へ移動していた。
あの爪が、アイラに襲い掛かる。
速過ぎて、詠唱が間に合わない! 簡単な魔術じゃ、あの武装に当てても、全く動じない。
くそ! 今更だけど、勇能力を失った弊害がここに来るなんて……。
「そうはさせないよ。」
いつの間にか、リリカがネールの目の前にいた。そして、リリカは、二本の立てた指をネールに向けた。
ピッカーーー!!!
二本の指から、光線が放出され、ネールは避けることができないまま、光線を受けてしまい、後方へ飛ばされていった。
飛ばされたネールの真上に、瞬間移動したかのように、いつの間にか、リリカが現れて、傘の先を真下にいるネール目掛けて、思いっきり刺し押した。
ドーーーーーン!!!
ネールは床に思いっきり叩きつけられた。
「よくもやったわね」
起き上がったネールは、爪をリリカ目掛けて、切り裂こうとしたが、リリカの傘によって、防がれた。
覚醒による身体強化はあるものの、リリカはそれに負けないぐらい、攻撃を受け止めていた。
「強い! 覚醒状態の私と、誤解にやり合うなんて、あなたは、人間ではなく、何かしらの亜種かしら」
「ヴァルキュリア族」
「ヴァルキュリア族? ああ、幻の亜種と呼ばれているわね」
「そうよ。でも、油断しないことよ」
ネールの攻撃を受け止めつつ、リリカは足を上げて、上空に目掛けて、蹴りを入れた。だが、ネールはそしてを察して、蹴りから避けた。
ピッカーーー!!!
そして、蹴りと同時に床から光の柱が出現して、その柱の天辺がネールに命中した。
「さすがのヴァルキュリア族でも、障壁を壊すことは、難しいよね」
ネールの装備している、籠手についている爪が、さらに大きくなっていった。
ネールはリリカに切りつけようとするが、リリカは、それを軽々と躱した。
躱したはずだった。
ズバ!!!
「え?」
リリカの左腕に切口が出来ていて、飛び散った血が飛翔していた。
何が起きている?
だけど、リリカが危ない!
「こっちだよ」
私は咄嗟に、星型の氷を複数構成して、ネール目掛けて投げつけた。
星型の氷の一つがネールの足元に当たると、当たったところから凍り始めた。
「リリカ! 無事か?」
怪我を負った、リリカの元に、マリンとロゼッタが駆けつけてくれた。
ロゼッタは槍で、ネールを攻撃しようとするが、ネールは鉤爪で受け止められてしまう。
「危ない!」
マリンが大鎌を構えて、ロゼッタの真横に立った。
シャキーーーーン!
マリンの鎌に何かがぶつかったようだ。
私が見えたのは、ネールが鉤爪で切り裂く動作した場所から、まるで、獣の爪で切り口を付けられた跡の形をした、黒い物体が出来ていた。その物体が、ロゼッタの元へ飛んで行ったんだ。マリンが築いていなければ、ロゼッタは、黒い物体によってダメージを受けていたと思う。
さっきのリリカもこれにやられたのか。
「……時間が経ち過ぎたわね。そろそろけりをつけないと」
ネールの姿が消えた? いや。
「そこだ!」
シャキーーーーン!
私の真後ろに、ネールが現れて、私を咄嗟に、魔術で構成した炎の剣で、ネールの攻撃を受け止めた。
すると、また、ネールの姿が消えた。
シャキーーーーン!
今度は、マリンの背後に現れ、マリンも、ネールの奇襲を防いだ。そして、また消えた。
シャキーーーーン!
今度は、ロゼッタ。ロゼッタも何とか、奇襲を防いだ。
こんな感じで、何度か。ネールの攻撃を防いだ、私達。
そして、諦めたかのように、私達の目の前に、ネールが姿を現した。
「これで、終わりよ」
まずい! 築けば、私達の周りには、無数の、爪痕の様な黒い物体が宙に浮いている!
ネールめ、これが狙いだったのか!
「さよなら、子猫ちゃん達」
爪痕の様な黒い物体が私達を襲う。
ここまでなのか?
絶望の状況だった。
ボオオオオオオオオオオオ!!!
私達は蒼い炎に包まれていた。そして、わたしの目の前には、見覚えのある少女の姿があった。
「お待たせ~。遅れて、ごめんね~」
今思い出したんだけど、毒尾の狐って、確か、尻尾が本体で、胴体を切り離したら、死ぬんだった。でも、対象方法は知っていたかわからないけど、尻尾を切り取って倒したようだ。
見た感じ、毒尾の狐の毒を受けていないようだ。あの毒は即死系ではないが、すぐに、症状がでるんだ。確か、もの凄い激痛が襲いかかるんだっけ?
無事で何よりだ。バルンクなんか、まともに喰らってしまったからね。幸い、障壁を纏っていたから、毒は通さなかったんだ。
「やりますね。思ったよりも、早く倒しましたね。あの狐、結構厄介な魔物はずなんですが……」
ネールがため息を吐いた。
「ここから、私が一人で相手にしないといけないか。……とは言え、勇能力を持っていたとしても、さすがに、一人で、相手にするのは、厳しいか。私の攻撃にも耐えるし、毒尾の狐も、一瞬で倒しちゃうし。……仕方がない」
ネールの全身が光り始めた。これって……。
「さあ、本当の恐怖を教えてあげるわよ」
まずい! あれは確か……、いや! もう手遅れだ! 今向かったら、返り討ちに合う!
「ふう。これ使うと我を忘れがちだから、使いたくはなかったんですが」
覚醒しやがった。しかも、覚醒後の姿が、まるで女王様だ。勿論、悪徳の方で。
「ネール。今更だけど、あんたと闘う必要があるのか? とてもじゃないけど、あんたが、ゲス皇帝のために戦う柄ではないはず」
アイラが問い出す。
「それで、戦いをやめると思う?」
「あんたの考えは、全く分からない。ユンヌお姉ちゃんのことは嫌いの様だけど」
「そうよ。ユンヌは嫌いだよ、私」
「でも、分からない。あの日、ユンヌお姉ちゃんが、魔物の毒にやられた時、あんたは必死に看病していたはず。嫌いな相手なのに何でだ?」
ユンヌが魔物の毒にやられた話って、確か、マリンの父の前皇帝アスラが、軽率な行動によって引き起った事件。その毒の後遺症でユンヌは死んだと。それがきっかけで、アイラは、アスラを憎んだんだっけ?
「……お喋りは、そこまでよ」
話を途中で、遮断しやがった。何か、聞かれるのが嫌なことでもあるのか?
「行くわよ」
消えた!? いや!
キーーーーーン!!!
「きゃあぁぁぁぁぁ!」
ユミルが後方へ飛ばされていった。ユミルがいた所には、鉤爪の籠手を左手に装着したネールの姿があった。
鉤爪の籠手も、さっき戦った時に、装備していた鉤爪の籠手よりも、爪の部分が長くなっている。その長さはネールの身長分の長さだろう。
一瞬だったけど、ユミルは刀を抜いて、ネールの攻撃を防いだが、力負けして吹き飛んでしまった。
幸い、ユミルは、飛ばされながらも、背中の翼を広げて、体制を整えた。
「お姫様にしては、いい反射真剣ね。パワーがあれば、受け止められたのに」
やばい。ネールの足が一歩、踏み込んだ。ユミルに留めを刺しに行くのか? そうはさせ……。
チャラーーーーーン!!
「何!?」
ネールは床から生えてきた鎖に手足を巻きつかれていた。
その鎖は、アイラの魔術で構成した鎖だ。その鎖で、ネールの動きを封じているんだ。
「あら? 次の魔術の発動がないわね。この短時間で発動もできるのに。それに、あなたの、魔術の発動が遅いわね。じゃなきゃ、セシルの王女様に近づけさせる前に、その鎖で私の動きを封じられていたのに。もしかして、この鎖の魔術は無詠唱ではない? あなたは、確か、勇能力を持っていたはずでしょ?」
「お生憎様、僕は、勇能力が使えなくなったんだ」
「ふーん。勇能力がなくなったの? そんなことも、あるのね。なら」
アイラの背が縮んでいる? いや、アイラの真下に、黒い沼見たいのが出来ていて、アイラはその黒い沼へ沈んでいっている。以前、リリカも似たような魔術を使っていたが、これは、闇の魔術か?
「子供の時よりも弱くなったじゃないの?」
まずい、いつの間にか、ネールがアイラの傍へ移動していた。
あの爪が、アイラに襲い掛かる。
速過ぎて、詠唱が間に合わない! 簡単な魔術じゃ、あの武装に当てても、全く動じない。
くそ! 今更だけど、勇能力を失った弊害がここに来るなんて……。
「そうはさせないよ。」
いつの間にか、リリカがネールの目の前にいた。そして、リリカは、二本の立てた指をネールに向けた。
ピッカーーー!!!
二本の指から、光線が放出され、ネールは避けることができないまま、光線を受けてしまい、後方へ飛ばされていった。
飛ばされたネールの真上に、瞬間移動したかのように、いつの間にか、リリカが現れて、傘の先を真下にいるネール目掛けて、思いっきり刺し押した。
ドーーーーーン!!!
ネールは床に思いっきり叩きつけられた。
「よくもやったわね」
起き上がったネールは、爪をリリカ目掛けて、切り裂こうとしたが、リリカの傘によって、防がれた。
覚醒による身体強化はあるものの、リリカはそれに負けないぐらい、攻撃を受け止めていた。
「強い! 覚醒状態の私と、誤解にやり合うなんて、あなたは、人間ではなく、何かしらの亜種かしら」
「ヴァルキュリア族」
「ヴァルキュリア族? ああ、幻の亜種と呼ばれているわね」
「そうよ。でも、油断しないことよ」
ネールの攻撃を受け止めつつ、リリカは足を上げて、上空に目掛けて、蹴りを入れた。だが、ネールはそしてを察して、蹴りから避けた。
ピッカーーー!!!
そして、蹴りと同時に床から光の柱が出現して、その柱の天辺がネールに命中した。
「さすがのヴァルキュリア族でも、障壁を壊すことは、難しいよね」
ネールの装備している、籠手についている爪が、さらに大きくなっていった。
ネールはリリカに切りつけようとするが、リリカは、それを軽々と躱した。
躱したはずだった。
ズバ!!!
「え?」
リリカの左腕に切口が出来ていて、飛び散った血が飛翔していた。
何が起きている?
だけど、リリカが危ない!
「こっちだよ」
私は咄嗟に、星型の氷を複数構成して、ネール目掛けて投げつけた。
星型の氷の一つがネールの足元に当たると、当たったところから凍り始めた。
「リリカ! 無事か?」
怪我を負った、リリカの元に、マリンとロゼッタが駆けつけてくれた。
ロゼッタは槍で、ネールを攻撃しようとするが、ネールは鉤爪で受け止められてしまう。
「危ない!」
マリンが大鎌を構えて、ロゼッタの真横に立った。
シャキーーーーン!
マリンの鎌に何かがぶつかったようだ。
私が見えたのは、ネールが鉤爪で切り裂く動作した場所から、まるで、獣の爪で切り口を付けられた跡の形をした、黒い物体が出来ていた。その物体が、ロゼッタの元へ飛んで行ったんだ。マリンが築いていなければ、ロゼッタは、黒い物体によってダメージを受けていたと思う。
さっきのリリカもこれにやられたのか。
「……時間が経ち過ぎたわね。そろそろけりをつけないと」
ネールの姿が消えた? いや。
「そこだ!」
シャキーーーーン!
私の真後ろに、ネールが現れて、私を咄嗟に、魔術で構成した炎の剣で、ネールの攻撃を受け止めた。
すると、また、ネールの姿が消えた。
シャキーーーーン!
今度は、マリンの背後に現れ、マリンも、ネールの奇襲を防いだ。そして、また消えた。
シャキーーーーン!
今度は、ロゼッタ。ロゼッタも何とか、奇襲を防いだ。
こんな感じで、何度か。ネールの攻撃を防いだ、私達。
そして、諦めたかのように、私達の目の前に、ネールが姿を現した。
「これで、終わりよ」
まずい! 築けば、私達の周りには、無数の、爪痕の様な黒い物体が宙に浮いている!
ネールめ、これが狙いだったのか!
「さよなら、子猫ちゃん達」
爪痕の様な黒い物体が私達を襲う。
ここまでなのか?
絶望の状況だった。
ボオオオオオオオオオオオ!!!
私達は蒼い炎に包まれていた。そして、わたしの目の前には、見覚えのある少女の姿があった。
「お待たせ~。遅れて、ごめんね~」
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