蒼炎のカチュア

黒桐 涼風

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第十七章 忌まわしき過去

17ー後日談② サリナサイド

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「ねぇ、サリナさんとユミルさんは、カステラって、知っていますか?」

 急にエドナが、私とユミルに尋ねて来た。

「カステラ? わたくしは、知りませんわ」

 カステラ。どこかで聞いたことあるような。……ああ! 思い出した。

「それは、お菓子だね。小麦粉は使うけど、他のお菓子よりも卵を多く使うね。でも、何でカステラが出て来たんだ?」
「あたし達が戦った魔物に、そのカステラがいたんだよ」

 いきなりの衝撃発言にビックリしてしまった! そんな魔物いるのか?

「まあ。お菓子の魔物は珍しいですわ」
「それ以前にどんな魔物だよ!?」

 その魔物を考えていた。待てよ。心当たりあるな。そのカステラの魔物に。

「もしかして、ロックドールのこと? 岩でできたような人形の?」
「確かに、岩でできたような人形の魔物だったんだよ」

 やっぱり、あのゴーレム見たいな魔物のことだったんだ。

 実は、ロックドールと命名したのは、ティアだ。しかし、その前に名付けたのが、カステラだったんだ。さすがに、危機感を感じられる名前を名付けろって、指摘したらロックドールになったんだ。

 確かに、あのゴーレムは、岩のブロックを、組み立ててできたような人形で、その岩のブロックがカステラのような色合いをしているんだ。

「じゃあ、カステラって、人形の型をしているんですね」
「違う、違う。ロックドールは、岩のブロックを組み立てて、それが人形の型をした魔物なんだ。その岩のブロックがカステラ見たいな色をしているんだ」
「はわわ。じゃあ、カステラって、ああやって組み合わせるんですね」
「違うから! 作り方知っているから、一度本物のカステラを見ろよ!」
「はわわ! サリナさん、お菓子作れるんですね! 食べたいんだよ、そのカステラを」

 このまま、ズレた会話をしていたら、収集が付かなくなった。

 しかし、ロックドールをカステラと例えたカチュアは、思考がティアに似ているんだよね。
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