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閑話 イタリア共同演習8
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合流地点に到着すると、何人かはすでに到着しているようだった。二言三言交わすと、それぞれ周りを警戒する。すると庵君がやってきた。
「夜神中佐、奇襲大丈夫でしたか?」
「庵君も大丈夫だった?私の方は大丈夫だよ。ちゃんと気絶させたからね」
微笑みながら庵とやり取りをする。それを見た庵は安心したのか強張っていた顔に少しだけ安堵の表情をうかべる。
心配していたのだろう。始まってすぐに攻撃されたのだから。初めての演習参加でいきなり目の前で誰かが攻撃されたら心配するだろう。
「初めての演習でこんな事あったらビックリするものね。でも大丈夫だよ・・・・・・・・・・庵君。つけられていたね」
夜神は周りの異変にすぐに察知する。
迂闊だった。学生の目の前で教育係が攻撃を受けていたら、探すと思うだろう。虎次郎の指示とはいえ相手には作戦はわらからない。
ただ、学生は自分の教育係を探すかもしれないと。
「庵君は攻撃は受けた?」
「受けましたが相手も自分の攻撃を受けてます。ただ夜神中佐の稽古のような絶体絶命の危機的状況のような攻撃ではなかったです」
なんか、私の稽古は命のやり取りを含む言い方をされているような・・・・気がするけど今は置いとこう。
周りの仲間たちに警戒をするように指示をだす。武器を構えていると、色々な方向から隊員達が一斉にやってくる。その中には今、一番会いたくないカルロ・ベルナルディ中佐もいた。
『学生の後をつけていくのは正解でしたよ。特に夜神中佐が教育係をしている学生の後をつけていくのはね』
『ベルナルディ中佐、今一番会いたくない人ですよ。他の部隊に何故やら・・・・・残念です』
『私はとても会いたかったですよ。手合わせ頂けると嬉しいのですが、どうでしょう?』
そう言ってベルナルディ中佐は剣を構える。同じ剣士同士ここは下がるわけにはいかない。
夜神は刀を抜くと正眼の構えでベルナルディ中佐と間合いをとる。
ベルナルディ中佐はイタリア剣術・・・レイピアの使い手だ。前屈みになり、刃を垂直に構える。
厄介だ。出来ることなら相手にしたくない人だ。ベルナルディ中佐も同じ階級で、イタリア軍の上位にくる強さを持っている。そして同じ剣士だ。
ジリジリと間合いを詰めていくと、ベルナルディ中佐から鋭い突きの攻撃を受ける。それをかわして夜神は袈裟斬りで対応していく。
突く、かわす、斬るこれを何度も繰り返すが中々に勝負がつかない。ベルナルディ中佐の本気度が桁違いで分かるのは剣を交えているからかもしれない。だがここで負ける夜神でもない。
夜神は刀を納めると、抜刀術で迎え撃つ。ベルナルディ中佐はその動きに一瞬、不思議そうな顔をしていたが気を取り直して構えから、突く。
だか夜神もこのまま引くつもりはない。構えから、突くわずかな空きに刀を抜いて、相手の剣を折る。
だか折れていても関係なく突き出していく剣の鍔めがけて、刀を滑らして攻撃をないでいき、鍔の辺りで剣を更に折る。
流石のベルナルディ中佐も剣が使えないと判断して、その剣を捨てると体術に変更する。拳を構えるベルナルディ中佐から距離をとって夜神も片手のみ構える。
もう片手は後ろにある銃のホルスターから銃のグリップを持つ。するとベルナルディ中佐が跳躍のみでこちらの間合いに入ってきたので、後ろに飛んで距離をとると同時に銃を抜いて何発か撃ち込む。
二発ほど当たったが、あとはかわされるとそのまま持っている銃に拳をぶつけてくる。それを銃で受け止めて自分には当てないようにしたが、拳の重みが違う。
何とか距離をとって銃を戻すと自分も体術のみに変更する。
そしてお互いで腹の探り合いのように睨み合っていると、突然周りから叫び声が聞こえてくる。
『何ごとだ!』
『日本軍が多数押し寄せてきました。我々を取り囲んでいます。退路も塞がれました』
『なんだと!』
ベルナルディ中佐と他の軍人達は一斉に慌てふためく。それを見逃すはずもなく夜神は、すぐさま号令を下す
「本隊が到着した。このまま挟み撃ちにして蹴散らせ」
「「「了解!!」」」
別働隊と本隊の挟み撃ちでやってきた部隊に攻撃していき、持ち点を減らしていくのが七海の作戦である。
上手くいって良かったが、まさかその部隊がベルナルディ中佐率いる部隊だったのは中々にキツいものがある。
夜神はため息をしたが、すぐに切り替えて刀を抜くと相手部隊に攻撃を仕掛ける為走り出した。
「夜神中佐、奇襲大丈夫でしたか?」
「庵君も大丈夫だった?私の方は大丈夫だよ。ちゃんと気絶させたからね」
微笑みながら庵とやり取りをする。それを見た庵は安心したのか強張っていた顔に少しだけ安堵の表情をうかべる。
心配していたのだろう。始まってすぐに攻撃されたのだから。初めての演習参加でいきなり目の前で誰かが攻撃されたら心配するだろう。
「初めての演習でこんな事あったらビックリするものね。でも大丈夫だよ・・・・・・・・・・庵君。つけられていたね」
夜神は周りの異変にすぐに察知する。
迂闊だった。学生の目の前で教育係が攻撃を受けていたら、探すと思うだろう。虎次郎の指示とはいえ相手には作戦はわらからない。
ただ、学生は自分の教育係を探すかもしれないと。
「庵君は攻撃は受けた?」
「受けましたが相手も自分の攻撃を受けてます。ただ夜神中佐の稽古のような絶体絶命の危機的状況のような攻撃ではなかったです」
なんか、私の稽古は命のやり取りを含む言い方をされているような・・・・気がするけど今は置いとこう。
周りの仲間たちに警戒をするように指示をだす。武器を構えていると、色々な方向から隊員達が一斉にやってくる。その中には今、一番会いたくないカルロ・ベルナルディ中佐もいた。
『学生の後をつけていくのは正解でしたよ。特に夜神中佐が教育係をしている学生の後をつけていくのはね』
『ベルナルディ中佐、今一番会いたくない人ですよ。他の部隊に何故やら・・・・・残念です』
『私はとても会いたかったですよ。手合わせ頂けると嬉しいのですが、どうでしょう?』
そう言ってベルナルディ中佐は剣を構える。同じ剣士同士ここは下がるわけにはいかない。
夜神は刀を抜くと正眼の構えでベルナルディ中佐と間合いをとる。
ベルナルディ中佐はイタリア剣術・・・レイピアの使い手だ。前屈みになり、刃を垂直に構える。
厄介だ。出来ることなら相手にしたくない人だ。ベルナルディ中佐も同じ階級で、イタリア軍の上位にくる強さを持っている。そして同じ剣士だ。
ジリジリと間合いを詰めていくと、ベルナルディ中佐から鋭い突きの攻撃を受ける。それをかわして夜神は袈裟斬りで対応していく。
突く、かわす、斬るこれを何度も繰り返すが中々に勝負がつかない。ベルナルディ中佐の本気度が桁違いで分かるのは剣を交えているからかもしれない。だがここで負ける夜神でもない。
夜神は刀を納めると、抜刀術で迎え撃つ。ベルナルディ中佐はその動きに一瞬、不思議そうな顔をしていたが気を取り直して構えから、突く。
だか夜神もこのまま引くつもりはない。構えから、突くわずかな空きに刀を抜いて、相手の剣を折る。
だか折れていても関係なく突き出していく剣の鍔めがけて、刀を滑らして攻撃をないでいき、鍔の辺りで剣を更に折る。
流石のベルナルディ中佐も剣が使えないと判断して、その剣を捨てると体術に変更する。拳を構えるベルナルディ中佐から距離をとって夜神も片手のみ構える。
もう片手は後ろにある銃のホルスターから銃のグリップを持つ。するとベルナルディ中佐が跳躍のみでこちらの間合いに入ってきたので、後ろに飛んで距離をとると同時に銃を抜いて何発か撃ち込む。
二発ほど当たったが、あとはかわされるとそのまま持っている銃に拳をぶつけてくる。それを銃で受け止めて自分には当てないようにしたが、拳の重みが違う。
何とか距離をとって銃を戻すと自分も体術のみに変更する。
そしてお互いで腹の探り合いのように睨み合っていると、突然周りから叫び声が聞こえてくる。
『何ごとだ!』
『日本軍が多数押し寄せてきました。我々を取り囲んでいます。退路も塞がれました』
『なんだと!』
ベルナルディ中佐と他の軍人達は一斉に慌てふためく。それを見逃すはずもなく夜神は、すぐさま号令を下す
「本隊が到着した。このまま挟み撃ちにして蹴散らせ」
「「「了解!!」」」
別働隊と本隊の挟み撃ちでやってきた部隊に攻撃していき、持ち点を減らしていくのが七海の作戦である。
上手くいって良かったが、まさかその部隊がベルナルディ中佐率いる部隊だったのは中々にキツいものがある。
夜神はため息をしたが、すぐに切り替えて刀を抜くと相手部隊に攻撃を仕掛ける為走り出した。
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