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げんなりしながら部屋に戻ってくると、机で事務処理中の女性式部京子が肩まである髪を揺らし、切れ長な目で帰ってきた二人の姿を見て、
「お帰りなさい」
と一言、声をかけてまた事務処理を開始した。会議で何かあったのだろう?と一目で分かった。何故ならあの虎次郎がニヤニヤして、室長がゲンナリな顔をしているからだ。
虎次郎が何かをすれば二人の顔は対象的な顔になる。とてもわかりやすいが、他の隊員達は室長の無表情を読み取る事が難しいそうだ。すべて同じ無表情の顔に見えるらしい。
最初の頃は自分も分からなかったが、月日が経つと変化が分かっていくのだから人間すごいと思った事もあったりする。
室長に渡す書類を作成するためパソコン作業をしていると、まるで口笛を吹いているような軽い感じで虎次郎が部屋の中を見ながら式部に確認をしてきた
「あれー?あの二人は何処にいんの。たしか二人共今日は任務地から帰って来るはずだよな?まだ、帰ってきてないの。式部知らない?」
「相澤少佐は二人が会議中に帰ってきてお昼まだとか言って食堂に行ったわ。そろそろ帰って来ると思う。夜神中佐はまだ帰って来てないみたいね。道が混んでるんじゃないの?」
「ふーん、じゃー皆が揃っててから一週間後の学生受け入れの事とか説明したほうがいいっすよね。室長!今年は今までと違う受け入れて体制になったからなぁー」
今までと違う受け入れ体制?何それ、あーだからかー。この対象的な顔になったのか。納得だわ。大方、虎あたりが無精ひげを撫でながら変な案を提案してきたんだ。うん、納得。だてに高校からの付き合いではないからねー私達。
式部が「うわ~」な顔をしながら室長を見ると室長も「はーっ」とため息をして自分の席に戻っていく。ご愁訴さまです室長。と目線を送ると、扉から軽いノック音が聞こえてきたと思ったら二人の男女が部屋に入ってきた。
男の方は眼鏡をかけて少し神経質そうな顔をしているが、顔に似合わずしっかりとした体つきで黒い軍服を隙なく着て、そこから見えるネクタイもしっかりと締めている。ベルトにはデザートイーグルを二丁、肩にはライフル銃を下げている。相澤千明は虎次郎と私と同期で階級は少佐
そして女の方が背中まである髪をポニーテールにして、特徴的な瞳を持っている。白い目をしているのだ。遺伝子の問題だそうだか視力は普通に良く、将来的に何らかの障害があるのかといえばそれもないそうだ。色素が薄いだけらしいと本人は言っている。そんな特徴を持っている彼女は夜神凪中佐で、軍の中ではトップクラスの実力を持っている。特徴的な瞳は大きく、美女の部類に入る顔立ちで華奢だか意外と胸が大きいというアンバランスな体付きで軍の中では隠れファン(男女とも)が多いという。なんとも不思議な存在の彼女だ。相澤と同じく軍服もネクタイも隙なく着ていて、ベルトからは二本の日本刀を下げている。
そんな彼らが室長のいる机まで行き、敬礼をしてそれぞれ帰還の挨拶をしていた
「夜神中佐、只今任務地より帰還しました。こちら報告書です」
「相澤少佐、同じく任務地より帰還しました。報告書のお目通しお願いします」
二人はそれぞれ自分達の任務していた報告書を室長の机に置き、もう一度敬礼をして自分の机に向かおうとしていたが、長谷部が一言
「すまんが、二人共話を聞いて欲しい事がある。式部中尉も七海少佐も来てくれ」
無表情で隊長クラスの四人を呼び、今朝の会議の事を報告したのであった。
「お帰りなさい」
と一言、声をかけてまた事務処理を開始した。会議で何かあったのだろう?と一目で分かった。何故ならあの虎次郎がニヤニヤして、室長がゲンナリな顔をしているからだ。
虎次郎が何かをすれば二人の顔は対象的な顔になる。とてもわかりやすいが、他の隊員達は室長の無表情を読み取る事が難しいそうだ。すべて同じ無表情の顔に見えるらしい。
最初の頃は自分も分からなかったが、月日が経つと変化が分かっていくのだから人間すごいと思った事もあったりする。
室長に渡す書類を作成するためパソコン作業をしていると、まるで口笛を吹いているような軽い感じで虎次郎が部屋の中を見ながら式部に確認をしてきた
「あれー?あの二人は何処にいんの。たしか二人共今日は任務地から帰って来るはずだよな?まだ、帰ってきてないの。式部知らない?」
「相澤少佐は二人が会議中に帰ってきてお昼まだとか言って食堂に行ったわ。そろそろ帰って来ると思う。夜神中佐はまだ帰って来てないみたいね。道が混んでるんじゃないの?」
「ふーん、じゃー皆が揃っててから一週間後の学生受け入れの事とか説明したほうがいいっすよね。室長!今年は今までと違う受け入れて体制になったからなぁー」
今までと違う受け入れ体制?何それ、あーだからかー。この対象的な顔になったのか。納得だわ。大方、虎あたりが無精ひげを撫でながら変な案を提案してきたんだ。うん、納得。だてに高校からの付き合いではないからねー私達。
式部が「うわ~」な顔をしながら室長を見ると室長も「はーっ」とため息をして自分の席に戻っていく。ご愁訴さまです室長。と目線を送ると、扉から軽いノック音が聞こえてきたと思ったら二人の男女が部屋に入ってきた。
男の方は眼鏡をかけて少し神経質そうな顔をしているが、顔に似合わずしっかりとした体つきで黒い軍服を隙なく着て、そこから見えるネクタイもしっかりと締めている。ベルトにはデザートイーグルを二丁、肩にはライフル銃を下げている。相澤千明は虎次郎と私と同期で階級は少佐
そして女の方が背中まである髪をポニーテールにして、特徴的な瞳を持っている。白い目をしているのだ。遺伝子の問題だそうだか視力は普通に良く、将来的に何らかの障害があるのかといえばそれもないそうだ。色素が薄いだけらしいと本人は言っている。そんな特徴を持っている彼女は夜神凪中佐で、軍の中ではトップクラスの実力を持っている。特徴的な瞳は大きく、美女の部類に入る顔立ちで華奢だか意外と胸が大きいというアンバランスな体付きで軍の中では隠れファン(男女とも)が多いという。なんとも不思議な存在の彼女だ。相澤と同じく軍服もネクタイも隙なく着ていて、ベルトからは二本の日本刀を下げている。
そんな彼らが室長のいる机まで行き、敬礼をしてそれぞれ帰還の挨拶をしていた
「夜神中佐、只今任務地より帰還しました。こちら報告書です」
「相澤少佐、同じく任務地より帰還しました。報告書のお目通しお願いします」
二人はそれぞれ自分達の任務していた報告書を室長の机に置き、もう一度敬礼をして自分の机に向かおうとしていたが、長谷部が一言
「すまんが、二人共話を聞いて欲しい事がある。式部中尉も七海少佐も来てくれ」
無表情で隊長クラスの四人を呼び、今朝の会議の事を報告したのであった。
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