猫舌ということ。

結愛

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出会い

第1話

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「今日の天気は晴れ気温は17%と春らしい気温となっておりますが
少し風が吹いて肌寒く感じるかもしれませんので
薄手の羽織るものを持ち出掛けたほうがいいかもしれません。続いては週間天気です」
朝7時、テレビでは天気予報師が天気についての話をしている。
リビングにある縦と横の辺の長さにあまり差がない
長方形というカテゴリーに含まれるのだろうが限りなく正方形の
ダイニングテーブルとセットのイスに
父、父の正面に妹そして妹の隣に僕が座っている。
母は父のコーヒーを淹れたり家族分のトーストを焼いたりと朝から忙しそうだ。
僕の朝はバターの塗った少し香ばしくなるまで焼いたトーストに
砂糖をスプーン1杯入れたストレートの紅茶という小洒落た朝食だ。
妹は少し表面に焼き色が付くくらいのトーストに牛乳。
直接聞いたことはないが妹は身長がコンプレックスらしい。
僕が身長174cm。ありふれた身長だ。
その僕と比べておおよそのことをいうと妹は恐らく156cmくらいだろうか。
高校2年生でその身長はやはりコンプレックスなのだろうか。
それにしても毎朝そして夜毎お風呂上がりにも牛乳。
ミルクを飲んでも身長にはあまり影響のない事実を彼女は知らないのだろう。
そして知らなくても良いだろう。
そんなことを思っている中父と母が他愛もない話で笑い合っている。
そんな仲の良い両親を見て妹もクスリと笑っている。
自分でいうのもなんだが僕の家族が仲が良い。
そんな仲の良い家族の光景に僕の口元にも笑みがこぼれる。そして紅茶を1口。
「っつ」
舌がざらざらする感覚。やってしまった。微笑ましい光景につい油断が生じた。
「お兄ちゃんいつも冷まして飲むのにどうしたの?なに?自分の猫舌忘れてんの?」
と妹が笑う。
「今日そんな熱かった?ごめんね」
「コーヒーはそうでもないぞ?」
「パパは猫舌じゃないもん」
「そういえばなんかのバラエティーで見たけど
猫舌って舌の使い方がへただかららしいな」
と猫舌でない父がもう食べ終わりトーストのカスが乗ったお皿の横にある
湯気の立つミルクと砂糖の入ったコーヒーを飲みながら言った。
そんな猫舌の会話で父、母、妹はまた一盛り上がり。
僕も皆に合わせて笑っていたが心の底からは笑えない。

「「猫舌は舌の使い方がへただから」」

僕の嫌いな言葉だ。いくら家族でも嫌なことは嫌である。
ただ家族のことは大好きであり大切だ。そんな家族の雰囲気を壊したくはない。
だから嫌でもグッっと心の底にその感情を押し殺し表面では家族と一緒に笑い合っている。
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