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第八章
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ラディッシュは天世の剣である白剣「天流虚空丸」を右手に、地世の剣である黒剣「地流閻魔丸」を左手に握り構え、背後で各々武器を構える仲間たちと共に、
『終わりにさせてもらいます!』
怒りをチカラに駆け出し、
『百人勇者の残りカスがァア!』
フリンジや合成獣の群れも一斉に駆け出した。
真っ向、ついに開戦する二つの勢力。
その中で先陣を切るラディッシュが目指す相手は言わずもがな、フリンジ。
仲間たちもそれが分かっているが故に、
『雑魚は私たちにお任せなさいなのですわ!』
背後からのドロプウォートの叫びに、彼は走りながら肩越しチラリと振り返り無言で小さく頷くと、改めて正面を見据え、
『フリンジィーーーッ!』
抑え切れぬ憤怒の形相で襲い掛かった。
彼の非道な策により命を落した「無辜なる数多(あまた)の魂」の無念を晴らそうとするが如くに。
瞬間的に加速して双刀を怒り任せに振り下ろし、
『平穏に暮らしていた家族をナゼに巻き込んだァアァァ!』
急襲にも関わらず、
「差別に追われ逃げ隠れする家族を「平穏」と言えるのですかァアァ!」
ガァガアキィイィィイイィン!
二振りを同時に、両手持ちの大剣の一刀で受け止める両目をつぶったままのフリンジ。
卑劣な面ばかりが目立つ「策士の彼」ではあるが、彼もまた、かつては魔王軍討伐で地世に殴り込み、前魔王と直接対峙まで果たした中世の七草の一人。
ラディッシュに飛び込まれた勢いの分だけ多少押されはしたものの、
「何のぉ!」
ギャァキキィーーーン!
強引に弾き返し、
「あの家族に限らずゥ、進歩の無い煩悩まみれの愚民どもなどぉ「全能なる指導者」であらせられるプエラリア様に管理、統治されるべきなのです! そしてぇ!」
追い打ちを仕掛けながら、
『あの御方の傍らに立つは智将(※自称)である「当方こそ」が相応しいのです!』
手前勝手な思いの丈を剣先に乗せ、ぶつけるが如き「瞬息の乱撃」を放つ。
しかし、
『私欲にまみれた貴方が立って良い場所じゃナイッ!』
怒れるラディッシュはそれを上回る「神速の受け」で連撃を次々いなし、最後の一刀にはチカラを込め、
『貴方はどうしてぇ平静で居られる!』
ギィキィィィン!
フリンジごと大剣を弾き飛ばし、仲間たちが強力な合成獣たちと激戦を繰り広げる輪の真ん中で、天流虚空丸の切っ先を向け、
『仲間に自爆攻撃までさせておいてぇ!』
向けられた怒りに、
「サロワートの事を言っておいでかぁ!」
神経質そうな面立ちに不敵な半笑いを浮かべたかと思うと、
「何を言い出すかと思えばぁ」
顔色を、みるみるみるみる急変。
最後に見せたのは、
『敵将への恋慕に溺れ「我が君」を裏切った愚か物(者)などぉ仲間であるものかァアアァア!!!』
異様、異常とも思える激昂であり、周囲で戦闘中であったドロプウォート達も、
「「「「「「!」」」」」」
思わずチラ見してしまうほど。
『だからと言ってぇ!』
ラディッシュは向けられた「呪い染みた激昂」を切り払うように天流虚空丸を素早く一振り、
「人を強制的に合成獣にしてイイ理由にはならなァい!」
地流閻魔丸で素早く斬り掛かったが、フリンジは下がらず、
「戦(いくさ)において非情は付き物ぉ! だから貴方は甘いと言う!」
体を直接ぶつける気概で走り出し、
『その甘さのせいで、いったい何人が死地へ追いやられたと思っているのです!』
(ッ!?)
真っ先に浮かんだのはラミウムの笑顔。
(ラミィ……)
未だ癒えぬ心の傷をえぐられ、平静を失う横顔に、
『いけませんですわぁ!』
気付いたドロプウォートが加勢に駆け付けようとしたが、多勢に無勢。
しかも相手にしているのは「有象無象の合成獣」などではなく、フリンジが直接手を加えた「特別製の合成獣」の群れであり、中世の七草と言えど気を抜けば形勢は一気に不利へと傾く。
とは言えその間にも、精神的動揺を覚えてしまったラディッシュは次第に防戦一方となり、ドロプウォートはサイクロプスの強打を受け止めながらも八方塞がりの現状に、
(いったいどうすれば良いですわの!)
焦りから奥歯を噛みしめた。
すると彼女と鍔迫り合いを演じていたサイクロプスを、剛腕を振り回して、
『オルラァ!!!』
ドガガァアァ!
殴り飛ばしたのは、ターナップ。
彼は周囲の敵に対する警戒は緩めず、
『行って下せぇドロプの姉さァん!!!』
笑顔を見せると、激闘のさ中にあるニプルウォート達も戦いながら笑顔を見せ、仲間たちに背中を押されたドロプウォートは、
『ありがとうございましてですわ! 誓約者としての務めを果たして来ましてですわぁ!』
苦戦を強いられるラディッシュの下へ駆けて行った。
その背に、
「「誓約者としての務め」ですかぁい?」
ターナップは人狼の急襲を軽々かわしながら、
「素直じゃねぇっスねぇ~♪」
困ったような笑みを浮かべると、ニプルウォート達も戦いながら苦笑を浮かべた。
『終わりにさせてもらいます!』
怒りをチカラに駆け出し、
『百人勇者の残りカスがァア!』
フリンジや合成獣の群れも一斉に駆け出した。
真っ向、ついに開戦する二つの勢力。
その中で先陣を切るラディッシュが目指す相手は言わずもがな、フリンジ。
仲間たちもそれが分かっているが故に、
『雑魚は私たちにお任せなさいなのですわ!』
背後からのドロプウォートの叫びに、彼は走りながら肩越しチラリと振り返り無言で小さく頷くと、改めて正面を見据え、
『フリンジィーーーッ!』
抑え切れぬ憤怒の形相で襲い掛かった。
彼の非道な策により命を落した「無辜なる数多(あまた)の魂」の無念を晴らそうとするが如くに。
瞬間的に加速して双刀を怒り任せに振り下ろし、
『平穏に暮らしていた家族をナゼに巻き込んだァアァァ!』
急襲にも関わらず、
「差別に追われ逃げ隠れする家族を「平穏」と言えるのですかァアァ!」
ガァガアキィイィィイイィン!
二振りを同時に、両手持ちの大剣の一刀で受け止める両目をつぶったままのフリンジ。
卑劣な面ばかりが目立つ「策士の彼」ではあるが、彼もまた、かつては魔王軍討伐で地世に殴り込み、前魔王と直接対峙まで果たした中世の七草の一人。
ラディッシュに飛び込まれた勢いの分だけ多少押されはしたものの、
「何のぉ!」
ギャァキキィーーーン!
強引に弾き返し、
「あの家族に限らずゥ、進歩の無い煩悩まみれの愚民どもなどぉ「全能なる指導者」であらせられるプエラリア様に管理、統治されるべきなのです! そしてぇ!」
追い打ちを仕掛けながら、
『あの御方の傍らに立つは智将(※自称)である「当方こそ」が相応しいのです!』
手前勝手な思いの丈を剣先に乗せ、ぶつけるが如き「瞬息の乱撃」を放つ。
しかし、
『私欲にまみれた貴方が立って良い場所じゃナイッ!』
怒れるラディッシュはそれを上回る「神速の受け」で連撃を次々いなし、最後の一刀にはチカラを込め、
『貴方はどうしてぇ平静で居られる!』
ギィキィィィン!
フリンジごと大剣を弾き飛ばし、仲間たちが強力な合成獣たちと激戦を繰り広げる輪の真ん中で、天流虚空丸の切っ先を向け、
『仲間に自爆攻撃までさせておいてぇ!』
向けられた怒りに、
「サロワートの事を言っておいでかぁ!」
神経質そうな面立ちに不敵な半笑いを浮かべたかと思うと、
「何を言い出すかと思えばぁ」
顔色を、みるみるみるみる急変。
最後に見せたのは、
『敵将への恋慕に溺れ「我が君」を裏切った愚か物(者)などぉ仲間であるものかァアアァア!!!』
異様、異常とも思える激昂であり、周囲で戦闘中であったドロプウォート達も、
「「「「「「!」」」」」」
思わずチラ見してしまうほど。
『だからと言ってぇ!』
ラディッシュは向けられた「呪い染みた激昂」を切り払うように天流虚空丸を素早く一振り、
「人を強制的に合成獣にしてイイ理由にはならなァい!」
地流閻魔丸で素早く斬り掛かったが、フリンジは下がらず、
「戦(いくさ)において非情は付き物ぉ! だから貴方は甘いと言う!」
体を直接ぶつける気概で走り出し、
『その甘さのせいで、いったい何人が死地へ追いやられたと思っているのです!』
(ッ!?)
真っ先に浮かんだのはラミウムの笑顔。
(ラミィ……)
未だ癒えぬ心の傷をえぐられ、平静を失う横顔に、
『いけませんですわぁ!』
気付いたドロプウォートが加勢に駆け付けようとしたが、多勢に無勢。
しかも相手にしているのは「有象無象の合成獣」などではなく、フリンジが直接手を加えた「特別製の合成獣」の群れであり、中世の七草と言えど気を抜けば形勢は一気に不利へと傾く。
とは言えその間にも、精神的動揺を覚えてしまったラディッシュは次第に防戦一方となり、ドロプウォートはサイクロプスの強打を受け止めながらも八方塞がりの現状に、
(いったいどうすれば良いですわの!)
焦りから奥歯を噛みしめた。
すると彼女と鍔迫り合いを演じていたサイクロプスを、剛腕を振り回して、
『オルラァ!!!』
ドガガァアァ!
殴り飛ばしたのは、ターナップ。
彼は周囲の敵に対する警戒は緩めず、
『行って下せぇドロプの姉さァん!!!』
笑顔を見せると、激闘のさ中にあるニプルウォート達も戦いながら笑顔を見せ、仲間たちに背中を押されたドロプウォートは、
『ありがとうございましてですわ! 誓約者としての務めを果たして来ましてですわぁ!』
苦戦を強いられるラディッシュの下へ駆けて行った。
その背に、
「「誓約者としての務め」ですかぁい?」
ターナップは人狼の急襲を軽々かわしながら、
「素直じゃねぇっスねぇ~♪」
困ったような笑みを浮かべると、ニプルウォート達も戦いながら苦笑を浮かべた。
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