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第六章
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少し大きめのボートに乗り移動を続けるラディッシュ達――
乗っているのは乗合馬車的な船であり、決められた航路を定期巡回する水上バスのような物である。
しばし観光気分で流れる景色をゆったり眺めていると、愛想良さげな船頭が操船席から振り返り、
「冒険者さん方はぁ、アクア国は初めてでぇ?」
「「「「「「「「?」」」」」」」」
不思議顔を見合わせる勇者一行。
どうして分かったのかが気に掛かり、
「見て分かるモノなんですか?」
ラディッシュの素朴な疑問の問い掛けに、船頭はニカッと笑い、
「船の乗り方やぁ一挙手一投足を見てりゃぁ誰でも分かりまさぁ、この国のモンならぁ♪」
「へぇ~そう言う物なんですねぇ」
感心していると、
「そう言うの物ですわの、イリィ?」
ドロプウォートの不意なフリに、
「長く床に伏せてたアタシに訊く話じゃないだろさねぇ」
イリスは困惑気味に、半笑いで首を横に振りながら、
「船より「床に居た時間」の方が遥かに長いアタシにさぁねぇ~」
仲間たちも釣られるように苦笑を見せ合うと、船頭は商売人として客の話に深く立ち入らない、差し障りのない笑顔を見せながら、
「王都に行くのも初めてで?」
「そうなんです。どんな所なんですか?」
「住み易い、良い町でさぁ~」
船頭は笑みを浮かべて頷きながら、
「手前味噌になっちまいますがねぇ、名君と呼ぶに相応しい王様と王妃様の、人となりを体現したようなぁ町でさぁ~」
その笑顔には嘘や偽り忖度の類いが感じられず、皇女として誇らしく、思わず頬を緩めるイリス。
そんな彼女の横顔を、仲間たちはそれとなく窺い見て静かに笑みをこぼしたが、イリスと勇者一行は、船頭の口から語られた次の話で顔を曇らせた。
故国の話を、自慢話のように語って聞かせる船頭ではあったが、
「ですがねぇ……」
ため息を一つ吐くと、
「病床に伏せていた皇女様が行方不明って噂でしてぇ、しかも次期国王候補がアノ御方じゃぁ」
困惑顔でこぼしかけた途端、船頭は重くなった空気を自省する様に、
『コイツぁいえけねぇなぁ♪』
おどけて自身の額をピシャリと叩き、
「よそから来て下さった御客人に「聞かせる愚痴」じゃぁなかったでさぁねぇ♪」
笑って見せたが「アノ御方」とは紛れもなく、
((((((((ディモルファンサ……))))))))
彼に他ならず、何処へ行っても耳にする悪評に、幼少を共に過ごしたイリスは落ち込みを口にこそしなかったが、
「…………」
心を痛めた。
その頃、幼馴染の心労など知る由も無い彼は言うと、
「…………」
ヒト気の無い屋敷の奥の私室に引き籠り、
「…………」
豪奢なベッドの上で上掛けを頭から丸被り、
(ばぁ……バカぁなぁ……ど、どぅしてアイツがぁ……生きていりゅ……)
悪魔と遭遇でもしたかの様な怯え顔で、カタカタと震えていた。
乗っているのは乗合馬車的な船であり、決められた航路を定期巡回する水上バスのような物である。
しばし観光気分で流れる景色をゆったり眺めていると、愛想良さげな船頭が操船席から振り返り、
「冒険者さん方はぁ、アクア国は初めてでぇ?」
「「「「「「「「?」」」」」」」」
不思議顔を見合わせる勇者一行。
どうして分かったのかが気に掛かり、
「見て分かるモノなんですか?」
ラディッシュの素朴な疑問の問い掛けに、船頭はニカッと笑い、
「船の乗り方やぁ一挙手一投足を見てりゃぁ誰でも分かりまさぁ、この国のモンならぁ♪」
「へぇ~そう言う物なんですねぇ」
感心していると、
「そう言うの物ですわの、イリィ?」
ドロプウォートの不意なフリに、
「長く床に伏せてたアタシに訊く話じゃないだろさねぇ」
イリスは困惑気味に、半笑いで首を横に振りながら、
「船より「床に居た時間」の方が遥かに長いアタシにさぁねぇ~」
仲間たちも釣られるように苦笑を見せ合うと、船頭は商売人として客の話に深く立ち入らない、差し障りのない笑顔を見せながら、
「王都に行くのも初めてで?」
「そうなんです。どんな所なんですか?」
「住み易い、良い町でさぁ~」
船頭は笑みを浮かべて頷きながら、
「手前味噌になっちまいますがねぇ、名君と呼ぶに相応しい王様と王妃様の、人となりを体現したようなぁ町でさぁ~」
その笑顔には嘘や偽り忖度の類いが感じられず、皇女として誇らしく、思わず頬を緩めるイリス。
そんな彼女の横顔を、仲間たちはそれとなく窺い見て静かに笑みをこぼしたが、イリスと勇者一行は、船頭の口から語られた次の話で顔を曇らせた。
故国の話を、自慢話のように語って聞かせる船頭ではあったが、
「ですがねぇ……」
ため息を一つ吐くと、
「病床に伏せていた皇女様が行方不明って噂でしてぇ、しかも次期国王候補がアノ御方じゃぁ」
困惑顔でこぼしかけた途端、船頭は重くなった空気を自省する様に、
『コイツぁいえけねぇなぁ♪』
おどけて自身の額をピシャリと叩き、
「よそから来て下さった御客人に「聞かせる愚痴」じゃぁなかったでさぁねぇ♪」
笑って見せたが「アノ御方」とは紛れもなく、
((((((((ディモルファンサ……))))))))
彼に他ならず、何処へ行っても耳にする悪評に、幼少を共に過ごしたイリスは落ち込みを口にこそしなかったが、
「…………」
心を痛めた。
その頃、幼馴染の心労など知る由も無い彼は言うと、
「…………」
ヒト気の無い屋敷の奥の私室に引き籠り、
「…………」
豪奢なベッドの上で上掛けを頭から丸被り、
(ばぁ……バカぁなぁ……ど、どぅしてアイツがぁ……生きていりゅ……)
悪魔と遭遇でもしたかの様な怯え顔で、カタカタと震えていた。
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