10 / 63
10 期待以上
しおりを挟む
店内にいた他の客達が拍手をしている。アレンはショーの最後のシーンのように大袈裟にお辞儀をした。
「あのようなことをして大丈夫ですか?」
「問題ありません。私、これでも実家は公爵家なのですよ。マリロイド王国の王家など恐るるに足りません!」
そう自信たっぷり言い切った後、失礼……と小さな声でレミリアに謝罪した。
どうやらこの店は後ろ盾に有力貴族が付いているようだ。レミリアが心配するまでもないと言うことだろう。
「いいのです。仰りたいことはよくわかりますので」
国を出て初めて知ったのだが、どうやらマリロイド王国は弱小国家とは言わないものの、世界的に見れば精々中流国家と言う扱いなのだ。ベルーガ帝国は自他共に認める大国なので、帝都に暮らす人々もそれなりにプライドがあるらしかった。
(マリロイド王国の次期王はこの国の公爵家に及ばないと言うことね)
だがその事にアルベルト達は気がついているのだろうか。
アレンは本当にとても高価な、深い青色を持つ宝石を買ってくれた。ビー玉くらいのサイズだが、元公爵令嬢のレミリアの目が飛び出そうな額だった。どうやら大賢者はなかなか羽振りがいいらしい。
「明日のパーティまでにイヤリングに出来るか?」
「お任せください。出来上がり次第すぐお届けに伺いますので」
そうして本当に綺麗に装飾されたイヤリングがパーティの前に届けられた。
「本当に綺麗な石ね~海光石だっけ?」
「綺麗な上に便利でな。魔力を貯めておけるんだ」
「そうなの!?」
「滅多に市場には出回らないからな。流石公爵家がやってる店なだけあるよ。色も形もいいし」
アレンの方が宝石の知識があるようで、レミリアは少し悔しい思いがした。この手の分野くらいアレンの上を行きたかったのだ。アレンはそれに気がついて、
「まあ俺が詳しいのはこう言う特殊な宝石だけだよ」
そう言って、イヤリングをレミリアの耳につけた。急に距離が近くなって、レミリアは胸がドキドキしてしまい急いで顔を背ける。
「イケメンずるい!」
「イケメン好きだろ?」
「好きだけど!!!」
「じゃーありがたく俺の顔を拝めよ」
そう言ってレミリアに向けてウインクをする。
「うわー! そんなカッコよくウインクがキマる人初めて見た!」
「はっはっは! もっと褒めていいぞ!」
2人で戯れあっていると、今日何度目かのお伺いがやってくる。
「お2人にお会いしたいと言う方が……」
「悪いがパーティまで誰とも会う気はない」
大賢者と少しでも関わりを持ちたい人が後を絶たなかった。
「隣国の聖女様なのですが……レミリア様ともお知り合いだと……お断りすると泣いてしまって……」
(早速来やがった!)
聖女ユリアのターゲットはアレンだと2人ともわかっていた。それにしても国外追放までしたレミリアを出汁に使おうとするとは……。
「話の通りすげぇ神経してるなお前の同級生」
「ある意味期待以上の女でしょ?」
そう言うとまた2人で吹き出した。
(ああ、アイツらがいるのに気持ちがこんなに軽いなんて!)
散々ストレスを与えられていた相手だが、今はもうネタ要因としての存在だ。
「勝手に泣かせとけ。うるさくて悪いな」
「いえ。それではそのように」
結局ユリアはアレンと会えないとわかると勝手に怒って自分の部屋に戻っていった。
「あのようなことをして大丈夫ですか?」
「問題ありません。私、これでも実家は公爵家なのですよ。マリロイド王国の王家など恐るるに足りません!」
そう自信たっぷり言い切った後、失礼……と小さな声でレミリアに謝罪した。
どうやらこの店は後ろ盾に有力貴族が付いているようだ。レミリアが心配するまでもないと言うことだろう。
「いいのです。仰りたいことはよくわかりますので」
国を出て初めて知ったのだが、どうやらマリロイド王国は弱小国家とは言わないものの、世界的に見れば精々中流国家と言う扱いなのだ。ベルーガ帝国は自他共に認める大国なので、帝都に暮らす人々もそれなりにプライドがあるらしかった。
(マリロイド王国の次期王はこの国の公爵家に及ばないと言うことね)
だがその事にアルベルト達は気がついているのだろうか。
アレンは本当にとても高価な、深い青色を持つ宝石を買ってくれた。ビー玉くらいのサイズだが、元公爵令嬢のレミリアの目が飛び出そうな額だった。どうやら大賢者はなかなか羽振りがいいらしい。
「明日のパーティまでにイヤリングに出来るか?」
「お任せください。出来上がり次第すぐお届けに伺いますので」
そうして本当に綺麗に装飾されたイヤリングがパーティの前に届けられた。
「本当に綺麗な石ね~海光石だっけ?」
「綺麗な上に便利でな。魔力を貯めておけるんだ」
「そうなの!?」
「滅多に市場には出回らないからな。流石公爵家がやってる店なだけあるよ。色も形もいいし」
アレンの方が宝石の知識があるようで、レミリアは少し悔しい思いがした。この手の分野くらいアレンの上を行きたかったのだ。アレンはそれに気がついて、
「まあ俺が詳しいのはこう言う特殊な宝石だけだよ」
そう言って、イヤリングをレミリアの耳につけた。急に距離が近くなって、レミリアは胸がドキドキしてしまい急いで顔を背ける。
「イケメンずるい!」
「イケメン好きだろ?」
「好きだけど!!!」
「じゃーありがたく俺の顔を拝めよ」
そう言ってレミリアに向けてウインクをする。
「うわー! そんなカッコよくウインクがキマる人初めて見た!」
「はっはっは! もっと褒めていいぞ!」
2人で戯れあっていると、今日何度目かのお伺いがやってくる。
「お2人にお会いしたいと言う方が……」
「悪いがパーティまで誰とも会う気はない」
大賢者と少しでも関わりを持ちたい人が後を絶たなかった。
「隣国の聖女様なのですが……レミリア様ともお知り合いだと……お断りすると泣いてしまって……」
(早速来やがった!)
聖女ユリアのターゲットはアレンだと2人ともわかっていた。それにしても国外追放までしたレミリアを出汁に使おうとするとは……。
「話の通りすげぇ神経してるなお前の同級生」
「ある意味期待以上の女でしょ?」
そう言うとまた2人で吹き出した。
(ああ、アイツらがいるのに気持ちがこんなに軽いなんて!)
散々ストレスを与えられていた相手だが、今はもうネタ要因としての存在だ。
「勝手に泣かせとけ。うるさくて悪いな」
「いえ。それではそのように」
結局ユリアはアレンと会えないとわかると勝手に怒って自分の部屋に戻っていった。
48
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
悪役令嬢発溺愛幼女着
みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」
わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。
響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。
わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。
冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。
どうして。
誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる