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それも罪悪感?
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「音星! 弥生は救えるかも知れないんだ! 一緒にここら辺を調べてくれ!」
「ええ! でも、救えるではないと思います。正しくは救われているだと思うんです」
急いで、弥生が助かったのではと音星と一緒に花の咲いている広い大地だけを走り回った。
どうやら、ここも灰色の空が広がっていて、噴出している火柱以外は地平線まで見える殺風景なところだった。
けれども、弥生がいた痕跡などを調べて走り回っていると、いきなり遠く離れた四方の大地から、たくさんの恐ろしい巨大な炎が噴出した。途端に、部屋のヒーターやキッチンのコンロ並の高温の熱を持った暴風が襲ってきた。あっという間に汗を掻くと、なにやら、地面に咲いていた花々が次第に蕾になってきた。
「ア! アッチーーーー!!」
花々が全て蕾に戻る頃には、気温が上昇しまくり体感温度が100度くらいになった感じになった。真夏の太陽光線を楽に超える凄い暑さで、ぶっ倒れそうになっていると、隣にいる音星が、素早く古びた手鏡を布袋から取り出し。こっちへ向けた。
「火端さん! すいません! 八天街へ戻ります!」
音星がこちらの返事も待たずに、手鏡に俺を映した。
もしかしたら、弥生は既にここにはいなくて、阿弥陀如来が菩薩の救済で地獄から救われているのかも知れない。だって、往生っていうのは、地獄から極楽浄土に往《い》 って生まれ変わることだと思うからだ。多分な……。
来迎図の絵のように地獄に花々が咲いていたのは、阿弥陀如来が菩薩が地獄を彷徨っている魂を極楽浄土へ生まれ変わらしてくれていたのかも知れない。
俺はいきなり照射された音星の手鏡からの光の中で、そう思った。
地獄にも救いがある。
俺は切にそう思っているんだ。
ーーーー
「どっわー、ここもあっついなあ!」
「ええ……良かった……間一髪でしたね。危うく熱でやられてしまうところでしたね」
真夏の八天街のちょうど昼下がりに、交差点の電信柱の傍に俺たちはいた。
「ええ! でも、救えるではないと思います。正しくは救われているだと思うんです」
急いで、弥生が助かったのではと音星と一緒に花の咲いている広い大地だけを走り回った。
どうやら、ここも灰色の空が広がっていて、噴出している火柱以外は地平線まで見える殺風景なところだった。
けれども、弥生がいた痕跡などを調べて走り回っていると、いきなり遠く離れた四方の大地から、たくさんの恐ろしい巨大な炎が噴出した。途端に、部屋のヒーターやキッチンのコンロ並の高温の熱を持った暴風が襲ってきた。あっという間に汗を掻くと、なにやら、地面に咲いていた花々が次第に蕾になってきた。
「ア! アッチーーーー!!」
花々が全て蕾に戻る頃には、気温が上昇しまくり体感温度が100度くらいになった感じになった。真夏の太陽光線を楽に超える凄い暑さで、ぶっ倒れそうになっていると、隣にいる音星が、素早く古びた手鏡を布袋から取り出し。こっちへ向けた。
「火端さん! すいません! 八天街へ戻ります!」
音星がこちらの返事も待たずに、手鏡に俺を映した。
もしかしたら、弥生は既にここにはいなくて、阿弥陀如来が菩薩の救済で地獄から救われているのかも知れない。だって、往生っていうのは、地獄から極楽浄土に往《い》 って生まれ変わることだと思うからだ。多分な……。
来迎図の絵のように地獄に花々が咲いていたのは、阿弥陀如来が菩薩が地獄を彷徨っている魂を極楽浄土へ生まれ変わらしてくれていたのかも知れない。
俺はいきなり照射された音星の手鏡からの光の中で、そう思った。
地獄にも救いがある。
俺は切にそう思っているんだ。
ーーーー
「どっわー、ここもあっついなあ!」
「ええ……良かった……間一髪でしたね。危うく熱でやられてしまうところでしたね」
真夏の八天街のちょうど昼下がりに、交差点の電信柱の傍に俺たちはいた。
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