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それも罪悪感?
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俺も音星も半ば早歩きで、下り坂を降りていくと、広い空間にでた。
「あれ? ここは? また坂道だ」
「ええ、それにしても、とても広いところですね」
俺たちは、そこで坂道を進んでいくと遥か向こう側に、巨大な扉がそびえ立っているのを見つけた。
その扉の両側には、恐ろしい形相の大きな鬼の銅像が二つ置かれてあった。
鬼の銅像は、どうやら右が青い色の身体をしていて、左は赤い色の身体をしていた。扉よりも大きな二つの鬼の銅像は、両腕を上げ、扉を通って行く大勢の死者たちに向かって、威嚇しているような何かに怒っているような姿勢をしていた。
俺は扉へと、妹を探しながら慎重に歩いて行った。
終始。絶え間ない死者たちの群れに混じって、弥生がどこかにいるはずだと俺は目を皿のようにしていた。
だけど結局、弥生は見つからずじまいだった。
とうとう、俺たちは大勢の死者たちに混じって扉をくぐってしまった。中は真っ暗闇だった。鬼か獣かの咆哮が周囲に木霊している。今更だけど、もう戻れないし、やっぱり生身で地獄にいるのは、とても怖いや。
俺は音星の手を強く握った。
「音星。さあ、先へ行こう……う?!」
「はい……あら?」
突然、地面が抜けて、いや、最初から地面なんてなかったんだ。
俺と音星は大勢の死者たちと共に、遥か遠くの真っ赤な地面へと吸い込まれるように落ちていった。
落ちる。
落ちる。
落ちる……。
俺たちは、どこまでも大叫喚地獄へ落ちた。
灰色の雲が俺と音星の周りをまとわりついていた。殊の外。雲の中はひんやりと寒かった。
ビュー、ビュー、と鳴る。激しい風の音を聞きながら、しばらく落下すると、ようやく雲が晴れてきた。
けれども、真っ赤になっている地面はまだ遥か下にあった。
落ちる。
落ちる……。
ふと、俺は思った……。
「俺たちは、どこへ落ちればいいんだ? このまま地上へ激突したら、どう考えたって助からないぞ……」
隣を一緒に落下している音星は気を失っているのか、終始目を閉じている。そこで、俺は音星の身体をかばってやることにした。
がっしりと、音星の頭部から抱き寄せると、落下する速度が早まった。俺は両目をカッと見開き遥か下方の大地を見つめた。
「あれ? ここは? また坂道だ」
「ええ、それにしても、とても広いところですね」
俺たちは、そこで坂道を進んでいくと遥か向こう側に、巨大な扉がそびえ立っているのを見つけた。
その扉の両側には、恐ろしい形相の大きな鬼の銅像が二つ置かれてあった。
鬼の銅像は、どうやら右が青い色の身体をしていて、左は赤い色の身体をしていた。扉よりも大きな二つの鬼の銅像は、両腕を上げ、扉を通って行く大勢の死者たちに向かって、威嚇しているような何かに怒っているような姿勢をしていた。
俺は扉へと、妹を探しながら慎重に歩いて行った。
終始。絶え間ない死者たちの群れに混じって、弥生がどこかにいるはずだと俺は目を皿のようにしていた。
だけど結局、弥生は見つからずじまいだった。
とうとう、俺たちは大勢の死者たちに混じって扉をくぐってしまった。中は真っ暗闇だった。鬼か獣かの咆哮が周囲に木霊している。今更だけど、もう戻れないし、やっぱり生身で地獄にいるのは、とても怖いや。
俺は音星の手を強く握った。
「音星。さあ、先へ行こう……う?!」
「はい……あら?」
突然、地面が抜けて、いや、最初から地面なんてなかったんだ。
俺と音星は大勢の死者たちと共に、遥か遠くの真っ赤な地面へと吸い込まれるように落ちていった。
落ちる。
落ちる。
落ちる……。
俺たちは、どこまでも大叫喚地獄へ落ちた。
灰色の雲が俺と音星の周りをまとわりついていた。殊の外。雲の中はひんやりと寒かった。
ビュー、ビュー、と鳴る。激しい風の音を聞きながら、しばらく落下すると、ようやく雲が晴れてきた。
けれども、真っ赤になっている地面はまだ遥か下にあった。
落ちる。
落ちる……。
ふと、俺は思った……。
「俺たちは、どこへ落ちればいいんだ? このまま地上へ激突したら、どう考えたって助からないぞ……」
隣を一緒に落下している音星は気を失っているのか、終始目を閉じている。そこで、俺は音星の身体をかばってやることにした。
がっしりと、音星の頭部から抱き寄せると、落下する速度が早まった。俺は両目をカッと見開き遥か下方の大地を見つめた。
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