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終章 - l’épilogue -
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ルキウスはここのところ機嫌の悪い日が続いている。
頻繁に溜め息をつき、政務の間にぼんやりしたかと思ったら、我に返ったように顔を上げ、また書面と睨み合うのだ。
かと言って、バルタザルが休憩を促しても頑なに固辞して政務を続けたがる。
(面倒くさいなあ)
と、バルタザルも内心で辟易している。だが、気持ちは分からなくもない。
最愛の妻は遠く離れたギエリで乱れた内政を整えるために日夜政務に励み、ルキウス自身もルースを拠点にヴァレルの反乱の事後処理に追われている。
国王の身内である大公が逆心を露わにしたことは、王家の信頼を大きく揺るがす事件だった。それだけに、王太子であるルキウスの使命は重い。
まずはアミラとの戦で疲弊した西方諸地域の経済状況を好転させるべく、発議された案をいくつも揉んでいるところだ。
婚礼を終え国中の祝福を得たと言っても、新婚夫婦の甘い時間を過ごす余裕はないのである。
それも、三年後にイゾルフが国王として即位することが決まり、オルフィニナもしばらくは女王として共同統治することになっているが、それまでは夫婦が同じ城で穏やかな時間を過ごすことは、数えるほどしかないだろう。
(皮肉なものだな。心で結ばれる前の方が毎日一緒にいられたなんて)
自分がこれほど恋に盲目な男だとは思わなかった。政務の間も、誰かと話しているときも、常に頭の中にオルフィニナがいる。毎晩寝台に入って想うのは、オルフィニナの柔らかな肌と、口付けの合間の甘い息遣いと、濃密な悦楽に酔った時に身体を包む、初夏の陽射しのような肉体の温度だ。
この夜もそうだった。
オルフィニナの肌を思い出していると、まるでご馳走を前にした犬が涎を垂らすように、生理的な現象が身体の一部に起きた。
王太子の矜持に賭けて、無様に寝台を汚すことはしたくない。ルキウスは悶々としながら燭台の細い火の先端を見つめ、目を閉じた。
寝室の扉の外で話し声が聞こえたのは、この時だ。一瞬オルフィニナの声に聞こえて、自分がおかしくなった。
(それほどまでに恋しいのか)
こんな夜更けに女王が前触れもなく現れるとは考えられない。それに、明日こちらから会いに行くと手紙を出してある。ルキウスよりも多忙なオルフィニナがわざわざ赴く理由がない。
ルキウスは扉が開くまで、そんなことを考えて淡い期待にがっかりしないよう己を律していた。
毛布がめくれ上がり、誰かが隣に身体を入れてきた時、ルキウスは幸福の香りをかいだ。
「…そう言えば君は突然俺の目の前に現れるのが上手いんだった」
オルフィニナがルキウスの陣営へやって来た日のことを思い出した。自分よりも小柄な女にいとも簡単に倒され、屈辱に震えていた翌日に煌びやかな装いに身を包んで目の前に再び現れた美しい女を見たとき、ふと「この女になら何をされてもいい」と考えた気がする。
柔らかな腕がルキウスの鳩尾に伸びてきて、背中でくすくすと心地よい笑い声が聞こえる。
「驚かせようと思ったんだ。あなたが休みもせず根詰めていると聞いたから」
「バルタザルだな」
「ふふ」
ルキウスはごろりと身体を転がして、オルフィニナに向き合った。隙のない女王の装いのまま、その魅惑的な目に燭台の火をユラユラと映して、輝いている。
「愛してる、ニナ」
「うん」
ルキウスの唇がオルフィニナの唇に触れようとしたとき、細い指がそれを遮った。
「なんだよ」
「湯浴みをしないと。馬で駆けっぱなしだったから」
「寝台に上がってきてそれはないだろ。それに俺は――」
ルキウスがオルフィニナの首筋に吸い付いて、鼻で空気を含んだ。
「君の匂いがすごく好きだ。興奮する。ほら……」
オルフィニナの肌がぴくりと跳ねたのがわかる。ドレスの裾を捲り、露わになった柔らかい腿に硬くなった部分で触れたからだ。
「好色」
「君も欲しいくせに」
オルフィニナの冷えていた身体は毛布の中ですでに熱を持ち、汗で湿りはじめた。
ルキウスはオルフィニナが抵抗しないとわかると、今度こそ口付けをして舌を絡ませ、ドレスの留め具を引きちぎるように外して脱がせ、下着の紐を解いてオルフィニナの肌を露わにした。左胸では、相変わらずベルンシュタインのオオカミが吠えている。
「ああ、お前にも会えて嬉しいよ」
ルキウスはオオカミの輪郭を指でなぞり、鼻の先にも口付けをした。
「初めて見たときは腹を立てていたが、愛着が湧いたのか?」
「それは彫り師が男だと思ったからだ。よく見るとこいつは君によく似ていて可愛いよ」
オルフィニナは甘い吐息の合間に、密やかな笑い声をあげた。
「あ。そこはだめ。湯浴みを――」
「だめだ。黙ってて」
ルキウスは毛布の中でもぞもぞと足下へ移動し、オルフィニナの腿を掴んで開くと、中心に吸い付いた。頭上でオルフィニナが小さな悲鳴を上げている。中から熱い蜜が溶け出して、鼻腔を淫らなおんなの匂いで満たした。
オルフィニナは身体の中心を這い回る熱に悶えた。
眠っているだろうと思ったから、何の準備もなかった。ただ、顔を見たかっただけだ。が、若い夫は妻の肉体へ悦びを与えることに余念がない。
「あっ……!」
吸い付かれたまま、秘所に指が入ってくる。久しぶりに触れられたから、内側の神経がいつもより過敏になっている気がする。
「きつい。痛くない?」
「んん…」
言葉も出せない。快感がルキウスの指先から波紋を描くように広がって、全身を熱くさせる。
「いいの?」
吐息が過敏になった部分に触れると、オルフィニナは小さく呻いて、腰を浮かせた。再びそこを舌で弄ばれた瞬間に、湯浴みのことなどもうどうでもよくなってしまった。身体中を走り回る火花が次第に大きくなってオルフィニナに衝撃を与え、白い嵐が襲ってくる。
「ん、あっ――だめ…ああっ…!」
頭の中で膨らんだ快感が弾け、全身を震わせた。いつの間にか、指は懇願するようにルキウスの髪を掴んでいた。
「はぁ…ちょっと、もうだめだ」
オルフィニナは荒い呼吸をしながらルキウスの掠れた声を聴いた。溶け出したからだの中心を、ルキウスに埋めてほしい。
オルフィニナはルキウスの寝衣を捲り上げて頭から抜き取り、ズボンを脱がせた。
「もう来て、リュカ…欲しい」
ルキウスは嬉しそうに破顔してオルフィニナの身体を抱き締めると、会えなかった時間の余韻を楽しむように、ゆっくりとオルフィニナの中心へ入った。
「あぁ……熱い」
身体が歓喜してルキウスの肉体を締め付けているのがわかる。
「あなたも熱い…」
「ふ。裸の君を前にしたらこうなるさ。考えるだけでも」
「んぁっ…リュカ――」
奥を激しく打ち付けられ、オルフィニナは喘いだ。身体を包む熱が肌の上を奔り、腹の奥から快楽が全身を巡る。
「久しぶりだけど優しくできない。気持ちよくするから許してくれ」
ルキウスはそう言って、淫靡に眉を歪めた。この魔性の貌で言われたら、受け入れざるを得ない。オルフィニナはルキウスの頬を引き寄せて口付けをし、甘く蕩けるような激しさに悲鳴をあげ続けた。
大波に攫われるような忘我が幾度二人を襲っても、二人の肉体は離れなかった。
ようやく二人の体力が尽きたのは、太陽が高く昇った後のことだ。
「朝だ、ニナ」
「うん…」
眠りに落ちる前に、二人はなんだかおかしくなって、互いの顔を見つめ合いながら声をあげて笑った。
二人に初めての子が生まれたのは、翌年のことだった。
リュエル・ディートリケ・ダナエと名付けられたその王女は、後にエマンシュナ王国初の女王として、王国の運命を紡いでゆくことになる。
が、今のところ、オルフィニナとルキウスは互いの心地よい熱に包まれて眠りはじめたところだ。
いつもの朝と同じように王国に昇った太陽だけが、この瞬間のふたりを見守っている。
頻繁に溜め息をつき、政務の間にぼんやりしたかと思ったら、我に返ったように顔を上げ、また書面と睨み合うのだ。
かと言って、バルタザルが休憩を促しても頑なに固辞して政務を続けたがる。
(面倒くさいなあ)
と、バルタザルも内心で辟易している。だが、気持ちは分からなくもない。
最愛の妻は遠く離れたギエリで乱れた内政を整えるために日夜政務に励み、ルキウス自身もルースを拠点にヴァレルの反乱の事後処理に追われている。
国王の身内である大公が逆心を露わにしたことは、王家の信頼を大きく揺るがす事件だった。それだけに、王太子であるルキウスの使命は重い。
まずはアミラとの戦で疲弊した西方諸地域の経済状況を好転させるべく、発議された案をいくつも揉んでいるところだ。
婚礼を終え国中の祝福を得たと言っても、新婚夫婦の甘い時間を過ごす余裕はないのである。
それも、三年後にイゾルフが国王として即位することが決まり、オルフィニナもしばらくは女王として共同統治することになっているが、それまでは夫婦が同じ城で穏やかな時間を過ごすことは、数えるほどしかないだろう。
(皮肉なものだな。心で結ばれる前の方が毎日一緒にいられたなんて)
自分がこれほど恋に盲目な男だとは思わなかった。政務の間も、誰かと話しているときも、常に頭の中にオルフィニナがいる。毎晩寝台に入って想うのは、オルフィニナの柔らかな肌と、口付けの合間の甘い息遣いと、濃密な悦楽に酔った時に身体を包む、初夏の陽射しのような肉体の温度だ。
この夜もそうだった。
オルフィニナの肌を思い出していると、まるでご馳走を前にした犬が涎を垂らすように、生理的な現象が身体の一部に起きた。
王太子の矜持に賭けて、無様に寝台を汚すことはしたくない。ルキウスは悶々としながら燭台の細い火の先端を見つめ、目を閉じた。
寝室の扉の外で話し声が聞こえたのは、この時だ。一瞬オルフィニナの声に聞こえて、自分がおかしくなった。
(それほどまでに恋しいのか)
こんな夜更けに女王が前触れもなく現れるとは考えられない。それに、明日こちらから会いに行くと手紙を出してある。ルキウスよりも多忙なオルフィニナがわざわざ赴く理由がない。
ルキウスは扉が開くまで、そんなことを考えて淡い期待にがっかりしないよう己を律していた。
毛布がめくれ上がり、誰かが隣に身体を入れてきた時、ルキウスは幸福の香りをかいだ。
「…そう言えば君は突然俺の目の前に現れるのが上手いんだった」
オルフィニナがルキウスの陣営へやって来た日のことを思い出した。自分よりも小柄な女にいとも簡単に倒され、屈辱に震えていた翌日に煌びやかな装いに身を包んで目の前に再び現れた美しい女を見たとき、ふと「この女になら何をされてもいい」と考えた気がする。
柔らかな腕がルキウスの鳩尾に伸びてきて、背中でくすくすと心地よい笑い声が聞こえる。
「驚かせようと思ったんだ。あなたが休みもせず根詰めていると聞いたから」
「バルタザルだな」
「ふふ」
ルキウスはごろりと身体を転がして、オルフィニナに向き合った。隙のない女王の装いのまま、その魅惑的な目に燭台の火をユラユラと映して、輝いている。
「愛してる、ニナ」
「うん」
ルキウスの唇がオルフィニナの唇に触れようとしたとき、細い指がそれを遮った。
「なんだよ」
「湯浴みをしないと。馬で駆けっぱなしだったから」
「寝台に上がってきてそれはないだろ。それに俺は――」
ルキウスがオルフィニナの首筋に吸い付いて、鼻で空気を含んだ。
「君の匂いがすごく好きだ。興奮する。ほら……」
オルフィニナの肌がぴくりと跳ねたのがわかる。ドレスの裾を捲り、露わになった柔らかい腿に硬くなった部分で触れたからだ。
「好色」
「君も欲しいくせに」
オルフィニナの冷えていた身体は毛布の中ですでに熱を持ち、汗で湿りはじめた。
ルキウスはオルフィニナが抵抗しないとわかると、今度こそ口付けをして舌を絡ませ、ドレスの留め具を引きちぎるように外して脱がせ、下着の紐を解いてオルフィニナの肌を露わにした。左胸では、相変わらずベルンシュタインのオオカミが吠えている。
「ああ、お前にも会えて嬉しいよ」
ルキウスはオオカミの輪郭を指でなぞり、鼻の先にも口付けをした。
「初めて見たときは腹を立てていたが、愛着が湧いたのか?」
「それは彫り師が男だと思ったからだ。よく見るとこいつは君によく似ていて可愛いよ」
オルフィニナは甘い吐息の合間に、密やかな笑い声をあげた。
「あ。そこはだめ。湯浴みを――」
「だめだ。黙ってて」
ルキウスは毛布の中でもぞもぞと足下へ移動し、オルフィニナの腿を掴んで開くと、中心に吸い付いた。頭上でオルフィニナが小さな悲鳴を上げている。中から熱い蜜が溶け出して、鼻腔を淫らなおんなの匂いで満たした。
オルフィニナは身体の中心を這い回る熱に悶えた。
眠っているだろうと思ったから、何の準備もなかった。ただ、顔を見たかっただけだ。が、若い夫は妻の肉体へ悦びを与えることに余念がない。
「あっ……!」
吸い付かれたまま、秘所に指が入ってくる。久しぶりに触れられたから、内側の神経がいつもより過敏になっている気がする。
「きつい。痛くない?」
「んん…」
言葉も出せない。快感がルキウスの指先から波紋を描くように広がって、全身を熱くさせる。
「いいの?」
吐息が過敏になった部分に触れると、オルフィニナは小さく呻いて、腰を浮かせた。再びそこを舌で弄ばれた瞬間に、湯浴みのことなどもうどうでもよくなってしまった。身体中を走り回る火花が次第に大きくなってオルフィニナに衝撃を与え、白い嵐が襲ってくる。
「ん、あっ――だめ…ああっ…!」
頭の中で膨らんだ快感が弾け、全身を震わせた。いつの間にか、指は懇願するようにルキウスの髪を掴んでいた。
「はぁ…ちょっと、もうだめだ」
オルフィニナは荒い呼吸をしながらルキウスの掠れた声を聴いた。溶け出したからだの中心を、ルキウスに埋めてほしい。
オルフィニナはルキウスの寝衣を捲り上げて頭から抜き取り、ズボンを脱がせた。
「もう来て、リュカ…欲しい」
ルキウスは嬉しそうに破顔してオルフィニナの身体を抱き締めると、会えなかった時間の余韻を楽しむように、ゆっくりとオルフィニナの中心へ入った。
「あぁ……熱い」
身体が歓喜してルキウスの肉体を締め付けているのがわかる。
「あなたも熱い…」
「ふ。裸の君を前にしたらこうなるさ。考えるだけでも」
「んぁっ…リュカ――」
奥を激しく打ち付けられ、オルフィニナは喘いだ。身体を包む熱が肌の上を奔り、腹の奥から快楽が全身を巡る。
「久しぶりだけど優しくできない。気持ちよくするから許してくれ」
ルキウスはそう言って、淫靡に眉を歪めた。この魔性の貌で言われたら、受け入れざるを得ない。オルフィニナはルキウスの頬を引き寄せて口付けをし、甘く蕩けるような激しさに悲鳴をあげ続けた。
大波に攫われるような忘我が幾度二人を襲っても、二人の肉体は離れなかった。
ようやく二人の体力が尽きたのは、太陽が高く昇った後のことだ。
「朝だ、ニナ」
「うん…」
眠りに落ちる前に、二人はなんだかおかしくなって、互いの顔を見つめ合いながら声をあげて笑った。
二人に初めての子が生まれたのは、翌年のことだった。
リュエル・ディートリケ・ダナエと名付けられたその王女は、後にエマンシュナ王国初の女王として、王国の運命を紡いでゆくことになる。
が、今のところ、オルフィニナとルキウスは互いの心地よい熱に包まれて眠りはじめたところだ。
いつもの朝と同じように王国に昇った太陽だけが、この瞬間のふたりを見守っている。
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完結おめでとうございます!
素晴らしい重厚なヒストリカルでした!
この先も2人の未来が明るいものでありますように!
蓮さんお付き合いありがとうございました!
この先も二人の人生は続いて行きます✨✨
きっと幸せな歴史が増えていくはず。
最新話まで読みました!
相変わらずオルフィニナが格好良いです!!
イェルクが登場したあたりからハラハラしながら読んでいました!
それとやっぱりスリーズが好きですね!!
わーい蓮さんありがとうございま~~す!
イェルクの暗躍が始まります…!
連載再開まで暫くかかりそうですが、今後ともどうぞおつきあいくださいませ♡
民を守るために自らルキウスの元へ行くオルフィニナの覚悟がとても強く格好良かったです!
また、スリーズがいいキャラしていて凄く好きです!
蓮さん
感想ありがとうございます!
スリーズはツンと思いきや女公殿下に惚れ込んでしまう素直な子…
著者のお気に入りです♡