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第85話
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ダンジョンの第4区にある"銀蘭"の拠点前。
その数百m離れた地点に"宝石蛇"の男達が陣取っていた。
一応、一般的には近づかないほうが良いと言われているギリギリの距離ではある。
その距離はフェリスの襲撃を受けない距離だと言われているが、そのフェリスは……今、拠点の柵に立て掛けた梯子の上から柵越しに連中を眺めていた。
「千人はいないわね。でもこうしてここに来てるってことは……」
『貴女を操る方法は罠を張る形でなくてもいい、ということでしょうね』
隣で同じように連中を眺める俺がそう返すと、フェリスが梯子を降りたのでそれに続く。
「痺れを切らして出てきたのは向こうだったわね。連中はアンタの物資輸送がいずれ途切れると思ってたんでしょうけど、ここまで毎日続くといつ来るかわからないそれを待つわけにもいかなかったってことかしら」
『そのようで』
フェリスがここに留まる判断をしてから一週間、俺はリヤカーで"フータース"から必要な物資を運んで何度も往復していた。
お陰でモノカさんとの予定は延期を続けており、孤児院へ魔石を納品するたびに彼女は積極的に誘ってくるようになって昨日は口で咥えられてしまったんだよな。
"宝石蛇"の動きに控えて"フータース"に詰めていたのもあり、俺としても幾分溜まってはいたので。
それでお世話になってしまったのだが、ネロ達に見られるかもしれないので気をつけないと。
それはさておき。
当然ながら、"宝石蛇"に所属していたかは不明だが俺を止めようとする者が出るも……そこに"フラード"が現れ、その連中を締め上げたことからそういった類の者は出なくなった。
もちろん俺がやったことであり、"フラード"の姿は"魔鎧"で作った見せかけだけのものだ。
そうして毎日リヤカーで運べるだけの物資を運んでいたところ、連中がこの拠点へ侵攻する動きを見せたという情報が入った。
あれだけの人数だし、それが揃って動けば誰でも知り得たことだろう。
"モーズ"は"宝石蛇"に対して目立つという理由もあって"フータース"に居た俺は、それを"銀蘭"からの連絡で受けると連中が突入準備をしているダンジョン前の広場を透明になって飛び越え、先んじてフェリスにそのことを伝えた。
で、"銀蘭"が一応の迎撃体制を取って暫くすると、大勢の連中が到着したというところだ。
連中が街で待つのを止めた理由はわからないが、来てしまった以上は対応せざるを得ない。
『それで、どうされるおつもりですか?』
そう聞いた俺にフェリスは呆れたように答えた。
「どうって、あそこに陣取られたら邪魔でしょ?片付けるわよ」
『連中が出てきた以上、ここで貴女を操ることも可能だと考えておいたほうが良いと思いますが……』
「だったら尚更早いうちに片付けたほうが良いでしょ?どこでも私を操れるんだったら次はどこで仕掛けてくるのかわからないし、この件が片付くまでずっと警戒してなきゃならないじゃない。そんなのは面倒だわ」
まぁ、ごもっともな話ではある。
それに……俺がこの拠点に運んでくる物資の量は限られており、兵糧攻めをされているようなものだしな。
俺が"紛い物"で必要な物資を作成すればもっとマシな状況ではあったのだろうが、運び込む物資は"フータース"から仕入れられた物で、フェリスが街へ戻った際に"フータース"が出荷した量と拠点に届いた量の差に疑問を持つだろうから止めておいたのだ。
その結果、この拠点に居る女性の中には食料などの融通を利かせてくれないかと俺を誘惑してくる人まで出るようになった。
この拠点に居る女性は全員が男を怖がったり嫌ったりしているわけではないようで、多いのは"宝石蛇"に狙われて保護された人のようだしな。
もちろん、そういったお願いはお断りしている。
俺が個人的に仕入れた物だとして物資を渡し対価をいただくことも可能ではあったが、見つかったことが明らかな場合は面倒な事になるのが明白だからな。
"宝石蛇"に狙われるだけあって容姿は良く、そんな女性達が胸を露出したりして見せつけてくるのだ。
そういったこともあって我慢できず、モノカさんのお誘いに乗って咥えてもらったのである。
で、そんなところに連中のご到着だ。
こうして"宝石蛇"が近くでいつ攻め込んで来てもおかしくない状況というのは精神的な負担も大きいだろうし、それが良くない方向に転ぶのは想像に難くない。
ストレスが溜まりすぎてちょっとした事をきっかけに刃傷沙汰、なんて事もあり得なくはないからな。
そういったことをフェリスがどこまで気にしているかはイマイチ不明だが
「見つけたらすぐに消しておかないと……」
とのことで、そういう力を持っている時点で排除すべき存在だと考えているらしい。
そうなると俺の"透明化"も排除対象になりそうではあるのだが……どうしたものかな。
使わずに済めばいいのだが。
そうこうしているうちにフェリスを始めとした"銀蘭"の戦闘部隊が出撃準備を終え、最低限の防衛戦力を残して拠点の門から出発した。
俺もそれに加わり、イリスとセリアは拠点に待機させる。
イリスに関しては戦力にならないわけではないのだが、彼女は魔法が使えることを隠しているからな。
俺がフェリス達に同行するのは……向こうから見れば俺はもう"銀蘭"の協力者なのは間違いないだろうし、近くに居たほうが双方のやり取りを把握できて対応しやすいだろうと考えたからだ。
透明化を使えれば連中の背後に回ってフェリスを操ろうとする者を探しやすいのではないかと思うのだが、そのフェリスに透明化の使用を見られるわけにはいかないんだよな。
なので……俺は数十人ほどしかいない"銀蘭"の背後を警戒するように頼まれたので、一番うしろに位置する形で"宝石蛇"に接近した。
そんな俺達に応じて連中も戦闘態勢を取り、こちらを待ち構えて双方の距離が50mほどまで縮まる。
この距離でも矢が飛んできたりしないのは、フェリスを操ることが成功するという確信があるからだろうか。
そうして距離は更に縮まり、10mほどの距離になったところで……フェリスは足を止めると"宝石蛇"に向けて語り掛ける。
「遅かったわね。私を怖がってコソコソしてた蛇が最近は元気だって聞いてたんだけど」
「「……っ!」」
煽るように言う彼女に対して"宝石蛇"の男達は剣呑な雰囲気になるが、そこで集団の中から2人の男が割って出てきた。
「フン、コソコソしていたのはお前のほうだろう。籠の中で縮こまってるのには飽きたのか?」
そう返すのは体格の良い、厳つい顔つきの偉そうな男だ。
その態度に合うような、幾分派手に細工の入った鎧を着込んでいた。
そんな男の隣には似たような体格の男がおり、幾分シャープな顔つきをしているその男が口を開く。
「まぁ、出てきてくれて助かりましたがね。囲ってるメス共に傷が入って治癒魔法代が掛かるよりは都合がいい」
「そうだな。交渉の道具としてもお前達の玩具としても、傷は少ないほうが良いだろう」
そう答える偉そうな男のほうは、シャーロットに聞いたウルガーという公爵家の次男だろう。
となると……隣の男が"宝石蛇"の代表かな。
確かアーロンとかいう名前だと聞いたはずだが、そのアーロンはウルガーの言葉にニヤリとして答える。
「どっちにしろ、使い込んでいけば体か頭か……それかどっちもイカれはするでしょうけどね」
その発言にウルガーが「違いない」と頷いていると、フェリスがその会話に割って入った。
「随分自信がありそうね。私を操るって聞いたけど、本当にそんな事ができるのかしら?聞けば"フラード"って男にも怯えて大人しくしていたんでしょう?だったらその男を操れば良かったんじゃないの?」
その言葉に2人は嫌そうに目を細めると、ウルガーのほうが言い返してくる。
「奴は正体がわからぬし、顔を見た者の証言でもどこにいるのか全く情報がないのでな。であれば、お前を操ったあとに奴を誘い出してぶつけるほうが効率は良いだろう?」
「それはその操るっていうのが成功すればの話でしょう?ここまで来てる以上はアンタ達の中に私を操れるって奴がいるんでしょうし、だったら操られる前に全員殺せば済む話よね?今までは明確な理由もなく殺すわけにはいかなかったけど、私に危害をってことなら遠慮なく殺せるわよ?」
カキッ、コキッ……
両手の関節を鳴らし、威圧しながらそう言うフェリスだったが……それでも2人の態度が和らぐことはなかった。
「クックック……」
いや、それどころかウルガーの顔には笑みが浮かび、小さく笑っている。
「……なによ、気持ち悪いわね」
その様子にフェリスが怪訝そうにしていると、ウルガーが煽るように彼女へ言った。
「そうだな。お前の言う通り、それが成功すればの話だが……お前に我々を殺すことができるかな?」
「はぁ?なら……っ!?」
ウルガーの言葉に一歩踏み出したフェリスだったが……それ以上前に進むことはなく、その直後に彼女の態度で異変が起きたことをこちらの面々は察する。
「なっ?か、体が……」
「フェリスっ!大丈夫っ!?」
心配するルカさんの声に、フェリスは頭部だけで振り返った。
「首から上だけはね。下は……感覚そのものはあるみたいだけど、全く言うことを聞かないわ」
「「っ!?」」
その答えで"銀蘭"の陣営に大きな動揺が広がる。
俺も類に漏れず驚き、いつ彼女が操られたのかや誰が操っているのかを探ってみたが……先程から連中に目立った動きはなかった。
となると、操る能力には目耳に入るような準備動作は必要がないということか。
何なら操ること自体にはなんの条件もないことが考えられるな。
俺の能力だって魔力さえあれば実行に関してはほぼ条件がないようなものだし、ありえない話ではない。
まぁ、物を作る方に関しては確実に何らかの制限があるようだが。
とりあえず、フェリスを操っている存在を探そうと思っていると、彼女は身を翻してあっという間にタイアの前へ移動する。
「避けて!」
「え?」
ごぎんっ
2人の声がほぼ同時に聞こえた直後……その場には嫌な音が響いた。
その数百m離れた地点に"宝石蛇"の男達が陣取っていた。
一応、一般的には近づかないほうが良いと言われているギリギリの距離ではある。
その距離はフェリスの襲撃を受けない距離だと言われているが、そのフェリスは……今、拠点の柵に立て掛けた梯子の上から柵越しに連中を眺めていた。
「千人はいないわね。でもこうしてここに来てるってことは……」
『貴女を操る方法は罠を張る形でなくてもいい、ということでしょうね』
隣で同じように連中を眺める俺がそう返すと、フェリスが梯子を降りたのでそれに続く。
「痺れを切らして出てきたのは向こうだったわね。連中はアンタの物資輸送がいずれ途切れると思ってたんでしょうけど、ここまで毎日続くといつ来るかわからないそれを待つわけにもいかなかったってことかしら」
『そのようで』
フェリスがここに留まる判断をしてから一週間、俺はリヤカーで"フータース"から必要な物資を運んで何度も往復していた。
お陰でモノカさんとの予定は延期を続けており、孤児院へ魔石を納品するたびに彼女は積極的に誘ってくるようになって昨日は口で咥えられてしまったんだよな。
"宝石蛇"の動きに控えて"フータース"に詰めていたのもあり、俺としても幾分溜まってはいたので。
それでお世話になってしまったのだが、ネロ達に見られるかもしれないので気をつけないと。
それはさておき。
当然ながら、"宝石蛇"に所属していたかは不明だが俺を止めようとする者が出るも……そこに"フラード"が現れ、その連中を締め上げたことからそういった類の者は出なくなった。
もちろん俺がやったことであり、"フラード"の姿は"魔鎧"で作った見せかけだけのものだ。
そうして毎日リヤカーで運べるだけの物資を運んでいたところ、連中がこの拠点へ侵攻する動きを見せたという情報が入った。
あれだけの人数だし、それが揃って動けば誰でも知り得たことだろう。
"モーズ"は"宝石蛇"に対して目立つという理由もあって"フータース"に居た俺は、それを"銀蘭"からの連絡で受けると連中が突入準備をしているダンジョン前の広場を透明になって飛び越え、先んじてフェリスにそのことを伝えた。
で、"銀蘭"が一応の迎撃体制を取って暫くすると、大勢の連中が到着したというところだ。
連中が街で待つのを止めた理由はわからないが、来てしまった以上は対応せざるを得ない。
『それで、どうされるおつもりですか?』
そう聞いた俺にフェリスは呆れたように答えた。
「どうって、あそこに陣取られたら邪魔でしょ?片付けるわよ」
『連中が出てきた以上、ここで貴女を操ることも可能だと考えておいたほうが良いと思いますが……』
「だったら尚更早いうちに片付けたほうが良いでしょ?どこでも私を操れるんだったら次はどこで仕掛けてくるのかわからないし、この件が片付くまでずっと警戒してなきゃならないじゃない。そんなのは面倒だわ」
まぁ、ごもっともな話ではある。
それに……俺がこの拠点に運んでくる物資の量は限られており、兵糧攻めをされているようなものだしな。
俺が"紛い物"で必要な物資を作成すればもっとマシな状況ではあったのだろうが、運び込む物資は"フータース"から仕入れられた物で、フェリスが街へ戻った際に"フータース"が出荷した量と拠点に届いた量の差に疑問を持つだろうから止めておいたのだ。
その結果、この拠点に居る女性の中には食料などの融通を利かせてくれないかと俺を誘惑してくる人まで出るようになった。
この拠点に居る女性は全員が男を怖がったり嫌ったりしているわけではないようで、多いのは"宝石蛇"に狙われて保護された人のようだしな。
もちろん、そういったお願いはお断りしている。
俺が個人的に仕入れた物だとして物資を渡し対価をいただくことも可能ではあったが、見つかったことが明らかな場合は面倒な事になるのが明白だからな。
"宝石蛇"に狙われるだけあって容姿は良く、そんな女性達が胸を露出したりして見せつけてくるのだ。
そういったこともあって我慢できず、モノカさんのお誘いに乗って咥えてもらったのである。
で、そんなところに連中のご到着だ。
こうして"宝石蛇"が近くでいつ攻め込んで来てもおかしくない状況というのは精神的な負担も大きいだろうし、それが良くない方向に転ぶのは想像に難くない。
ストレスが溜まりすぎてちょっとした事をきっかけに刃傷沙汰、なんて事もあり得なくはないからな。
そういったことをフェリスがどこまで気にしているかはイマイチ不明だが
「見つけたらすぐに消しておかないと……」
とのことで、そういう力を持っている時点で排除すべき存在だと考えているらしい。
そうなると俺の"透明化"も排除対象になりそうではあるのだが……どうしたものかな。
使わずに済めばいいのだが。
そうこうしているうちにフェリスを始めとした"銀蘭"の戦闘部隊が出撃準備を終え、最低限の防衛戦力を残して拠点の門から出発した。
俺もそれに加わり、イリスとセリアは拠点に待機させる。
イリスに関しては戦力にならないわけではないのだが、彼女は魔法が使えることを隠しているからな。
俺がフェリス達に同行するのは……向こうから見れば俺はもう"銀蘭"の協力者なのは間違いないだろうし、近くに居たほうが双方のやり取りを把握できて対応しやすいだろうと考えたからだ。
透明化を使えれば連中の背後に回ってフェリスを操ろうとする者を探しやすいのではないかと思うのだが、そのフェリスに透明化の使用を見られるわけにはいかないんだよな。
なので……俺は数十人ほどしかいない"銀蘭"の背後を警戒するように頼まれたので、一番うしろに位置する形で"宝石蛇"に接近した。
そんな俺達に応じて連中も戦闘態勢を取り、こちらを待ち構えて双方の距離が50mほどまで縮まる。
この距離でも矢が飛んできたりしないのは、フェリスを操ることが成功するという確信があるからだろうか。
そうして距離は更に縮まり、10mほどの距離になったところで……フェリスは足を止めると"宝石蛇"に向けて語り掛ける。
「遅かったわね。私を怖がってコソコソしてた蛇が最近は元気だって聞いてたんだけど」
「「……っ!」」
煽るように言う彼女に対して"宝石蛇"の男達は剣呑な雰囲気になるが、そこで集団の中から2人の男が割って出てきた。
「フン、コソコソしていたのはお前のほうだろう。籠の中で縮こまってるのには飽きたのか?」
そう返すのは体格の良い、厳つい顔つきの偉そうな男だ。
その態度に合うような、幾分派手に細工の入った鎧を着込んでいた。
そんな男の隣には似たような体格の男がおり、幾分シャープな顔つきをしているその男が口を開く。
「まぁ、出てきてくれて助かりましたがね。囲ってるメス共に傷が入って治癒魔法代が掛かるよりは都合がいい」
「そうだな。交渉の道具としてもお前達の玩具としても、傷は少ないほうが良いだろう」
そう答える偉そうな男のほうは、シャーロットに聞いたウルガーという公爵家の次男だろう。
となると……隣の男が"宝石蛇"の代表かな。
確かアーロンとかいう名前だと聞いたはずだが、そのアーロンはウルガーの言葉にニヤリとして答える。
「どっちにしろ、使い込んでいけば体か頭か……それかどっちもイカれはするでしょうけどね」
その発言にウルガーが「違いない」と頷いていると、フェリスがその会話に割って入った。
「随分自信がありそうね。私を操るって聞いたけど、本当にそんな事ができるのかしら?聞けば"フラード"って男にも怯えて大人しくしていたんでしょう?だったらその男を操れば良かったんじゃないの?」
その言葉に2人は嫌そうに目を細めると、ウルガーのほうが言い返してくる。
「奴は正体がわからぬし、顔を見た者の証言でもどこにいるのか全く情報がないのでな。であれば、お前を操ったあとに奴を誘い出してぶつけるほうが効率は良いだろう?」
「それはその操るっていうのが成功すればの話でしょう?ここまで来てる以上はアンタ達の中に私を操れるって奴がいるんでしょうし、だったら操られる前に全員殺せば済む話よね?今までは明確な理由もなく殺すわけにはいかなかったけど、私に危害をってことなら遠慮なく殺せるわよ?」
カキッ、コキッ……
両手の関節を鳴らし、威圧しながらそう言うフェリスだったが……それでも2人の態度が和らぐことはなかった。
「クックック……」
いや、それどころかウルガーの顔には笑みが浮かび、小さく笑っている。
「……なによ、気持ち悪いわね」
その様子にフェリスが怪訝そうにしていると、ウルガーが煽るように彼女へ言った。
「そうだな。お前の言う通り、それが成功すればの話だが……お前に我々を殺すことができるかな?」
「はぁ?なら……っ!?」
ウルガーの言葉に一歩踏み出したフェリスだったが……それ以上前に進むことはなく、その直後に彼女の態度で異変が起きたことをこちらの面々は察する。
「なっ?か、体が……」
「フェリスっ!大丈夫っ!?」
心配するルカさんの声に、フェリスは頭部だけで振り返った。
「首から上だけはね。下は……感覚そのものはあるみたいだけど、全く言うことを聞かないわ」
「「っ!?」」
その答えで"銀蘭"の陣営に大きな動揺が広がる。
俺も類に漏れず驚き、いつ彼女が操られたのかや誰が操っているのかを探ってみたが……先程から連中に目立った動きはなかった。
となると、操る能力には目耳に入るような準備動作は必要がないということか。
何なら操ること自体にはなんの条件もないことが考えられるな。
俺の能力だって魔力さえあれば実行に関してはほぼ条件がないようなものだし、ありえない話ではない。
まぁ、物を作る方に関しては確実に何らかの制限があるようだが。
とりあえず、フェリスを操っている存在を探そうと思っていると、彼女は身を翻してあっという間にタイアの前へ移動する。
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