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第七十三幕「掃き溜めに降臨する女神」~裸のヴィーナス~
しおりを挟む20人近く集まった物好きな男達の前で、「カミーロ」のアラミスが大声を張り上げる。
「お集まりの皆さん、有難うございます!実は私達はあるお屋敷で「不始末」をしでかしまして屋敷を追われ・・・・今はこのような身の上に落ちぶれております、口に糊するために、今から皆様に最高のショーをご覧に入れますので、おひねりはお気持ち次第ではありますが、どうか弾んで頂けるようお願いいたします!」
アラミスが、立錐の余地もないほど集まった男達の前で、恥ずかしさを堪えて大きな声で口上を述べる。
・・・・彼のアドリブではない、この辺境の港町マルトーに来る前に、ヴァネッサから特訓されて憶えさせられた口上なのだ。
「・・・・おい、兄ちゃん?屋敷で不始末って・・・一体何をやらかしたんだい?主人の指輪でも盗んだのかいっ?」
もうすっかり出来上がっている赤い顔をした小太りの船乗りらしき男が、酒臭い息でチャチャを入れる。
「はい・・・実は私と、ここにいるロザリーナで密通をいたしまして・・・主人のベッドで「励んで」いるところを女主人に見つかりまして着の身着のままで屋敷を追い出されたのでございます・・・・」
「ワハハハハハッ!お前さんとそのロザリーナ嬢とかいったな・・・そこのネ~チャンとじゃエラい歳が離れているじゃね~か!そっちのネ~チャンがお前さんみたいな若い男の魔羅にすっかりやられちゃったというワケかいっ?それとも熟女好きなお前さんがゾッコン惚れ込んだクチかい?」
「うわははっ、そうだっ、アンタら親子ほども歳がちがうじゃねえかっ!」
路地裏の、そう広くもないどん詰まりの広場にドッと笑いが広がる。
「・・・・はい、私がずっと年上の彼女に惚れ込んでしまいまして・・・その理由はコレを見れば一目瞭然です!」
・・・・・アラミスは、隣に突っ立っている今夜は「ロザリーナ」となっている女王アレクシア
のドレスの前の留め紐を次々と解いてゆく・・・・。
「・・・・うおおおおおっ!」
路地裏に響き渡るどよめき!・・・狭い路地裏に溢れかえる観客は、今、彼等の「出し物」が何であるかを理解する。
口から火を吐いたり、剣舞を見せると言った子供騙しの大道芸ではない・・・これは「オトナ」のショーなのだ!
胸元がはだけ、形の良い大きな乳房が溢れ出る!
「・・・すっ、スゲぇ!・・・デケぇ乳だっ!た、たまらないぜっ!」
「・・・・おいっ、まさかっ・・・この二人の出し物って・・・アレか?アレなのかっ?」
「・・・そうに違いねぇ・・・ストリップか「本番」かは判らねぇが・・・まあ、黙って見てろ・・・」
その場にいる20人・・・・いや30人以上はいる観客が一斉に生唾を飲み込む。
今夜はカミーロと名乗っているアラミスが、ロザリーナとなっている女王アレクシアのドレスの紐を次々と解いてゆくと、町のおかみさんが着ているような色気の無いシンプルなドレスがハラリと落ちてロザリーナの上半身が顕わになる!
まるで女神像のような神々しい裸身!・・・オスを狂わす、たわわに実った2つの果実!
下半身が丁度ローブを纏っているように隠れているのが、逆に男達の劣情を刺激する。
「・・・・な、なんだっ?奥でなにか始まったのか?」
突然路地裏から聞こえてきた男達の雄叫びにも似たどよめき・・その声を聞きつけて表通りからも次々と人が集まってくる。
「・・・・はいっ、ここから先を見たい方は、どうかこの容器の中にお気持ちを!」
アラミスが、羞恥で真っ赤になった顔をドミノマスクで覆っているアレクシアの下半身に取り付いて、ドレスの留め紐を解く仕草をして見せる。
「・・・・おっ、おいっ、にいちゃん・・・頼むぜっ!」
「お、俺もだっ!・・・はっ、早くその紐を解いて見せろっ!こんないい女、滅多に見れねぇ!」
男達が我先にと、用意された陶製のボウルの中に金を投げ込んでゆく・・・。
無論、この国の女王であるアレクシアにとって、こんなはした金は必要ないものである。
しかし、こうして路上でもらいを乞う事で、「困窮した男女が、最後の手段でカラダを使って生活費を稼いでいる」という体裁は整うのだ。
チャリン・・・チャリン・・・・5ギュネール、10ギュネール・・・あるいは一人で30ギュネールも投げ込む好色そうな貿易商風の紳士もいる。
「・・・たくさんのお気持ち、有難うございます!それでは・・・・」
アラミスが、「ロザリーナ」となっている女王アレクシアのドレスの腰のあたりの留め紐をスルスルと解くと、ドレスが一枚の布となってハラリと彼女の足元に落ちる。
「ロ、ロザリーナさん・・・・お願いしますよ・・・・」
アラミスが小声で、ボーッと突っ立っている「ロザリーナ」に耳打ちする。
「・・・・やるわよっ、やればいいんでしょ!・・・・」
「ロザリーナ」の女王アレクシアが、やや不貞腐れ気味に、ヴァネッサから教わったとおり、しなを作って、クルリと身体を一回転させ、その魅力的な逆ハート型の尻や、カタチの良い乳房を男達に見せつける。
「うおおおおおお~っ!すげぇ!見ろよっ!あの尻!あの乳っ!・・・すっ、素っ裸だああっ!」
「こ、こんな上玉、提督府のあるオローヴォの高級売春宿でも見たことねえ!」
ドミノマスクで半分隠した顔を、恥ずかしげに背けて、右手で股間を、左手でバストを隠す、場末の繁華街の路地裏に降り立った女神!
「おおいっ、見えないぞっ!手をどけろっ!」
「おいおい、押すなよっ、あぶね~じゃねえかっ!」
「テメェの頭がジャマで見えねえんだよっ!どけろよこのカボチャ頭っ!」
殺気!・・・・狭い路地裏のどん詰まりにひしめく見物客達に殺気が漲る。
「みなさんっ、仲良く御覧ください!・・・これからもっといいことが始まりますからね!」
アラミスが、真っ赤に照れながら陰部を隠して突っ立っているアレクシアの手をやさしく払いのける・・・。
・・・・・ああっ・・・見られるっ・・・私の全てを・・・
果実のようにヴォリームのある豊かな乳房、そして股間の金色の密林が大勢の前に露わになる!
「おおおおおおっ!・・・金髪だああっ!マン毛まで神々しいぞおおっ!」
男達の雄叫び・・・今、この瞬間、魅了の魔法にかけられたように、その場にいる全ての男達が、美しい37歳の熟れた女体に心を奪われる。
「・・・・さあ、お楽しみはこれからです!」
アラミスは、ヴァネッサに仕込まれた通りの「台本」でアレクシアの魅力を引き出し、その場のオトコ共を虜にしてゆく・・・・。
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