異世界に転生したら竜騎士たちに愛されました

あいえだ

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伝説のゆくえ

夜のお散歩

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すっかり暗くなり、夜中にまたエンペラーくんに二人乗りをして王宮の部屋まで戻っていく。

馬に乗って夜風に当たると気持ちいい。少しワインを飲んだエリアスは俺を抱きながら上機嫌だ。

「また…戦いの日々か…」

エリアスが独り言のように呟いた。

「俺は、生きてる限り魔族に狙われるの?」

エリアスが沈黙した。たぶん、そうなのだろう。俺の肉体を喰うために、魔族がこぞって狙いにくるんだ…。果てのない逃避行のようだな。

「俺、いないほうが平和だね」
「…本気で怒るぞ…第一魔界と人間界は早々繋がってないんだ、やすやすとここには来れないはずなんだよ」
「だけど、オスカー以外に攻撃されたって…」
「あれな、調べてみたんだ…。人間に混ざって魔族が忍び込んでるんじゃないかってな。じゃあ、いたんだよ」
「いたの?」

俺は振り向いてエリアスの顔を見た。

「いた。貴族の顔をした、魔族…。人間界にいるのはそいつだけだな。シンを食ってどうしたいのかは知らんが…そいつさえ片付けたら魔界とは次元の門が閉じるんだよ」

俺はエリアスをじっと見つめてしまった。

「…何だ?」
「エリアスって…すごいね」
「あ?」
「先に先に動いてて、何でも知ってる…天才
?」
「今頃気づいてんじゃないぞ」

エリアスが俺の額をデコピンした。

「いだっ!自分で言う…」

するん、と俺の腰に手を廻して抱き締めたエリアスは頭のてっぺんにキスをした。

「嘘だよ。シンのためじゃなかったらここまで絶対動かない」
「エリアス…」

俺は胸がじんとして熱くなる、エリアスに抱かれて、こんなに幸せでいいのかな?さっきもめちゃくちゃ愛してくれて、優しい。

「やべ…またキスしたくなった…」

耳元でそう囁かれた俺は真っ赤になり、頬にキスをされた。暗闇の、誰も通らない林の道、誰にも見られず、二人だけの道。空には満点の星が輝いている。

ふと一瞬、その夜空が暗くなった。ドラゴンの影が上空をザッ!とかすめていったのだ。

「な!!!?オリオン!?」

エリアスが真っ暗で一瞬のことなのにそのドラゴンを言い当てた。スピードを上げて行ってしまったのでもう姿は見えていない。

エリアスはエンペラーくんを走らせ、少し広い原っぱへ出た。すると。


そこにはカイザー号がエリアスの先を読んで待機している。

「出動…か?」

カイザー号が頷き、隣にはラースが控えていた。

トゥルキが立っている。

「カイザー号とラースが、あなた方がここを通るって言うから待ってました。エンペラーくんは私が王宮へお連れします」

トゥルキは俺を馬から降ろし、エリアスもすぐに降りた。甲冑も持ってきてくれているので、マントを即つけるとエリアスはカイザー号に乗る。俺もラースが屈んでくれたので、またがった。

「フィリックスが先に行ってますよ。領空侵犯です。おそらくはモンスター、魔族の手かと魔道士から連絡がありました。俺はハムザと非番なのでこのまま帰りまーす」

しれっとトゥルキが涼しい顔でエンペラーくんに乗って手を振る。

「は?俺らも非番だって!お前が行けばいいのにトゥルキこら!」

エリアスがトゥルキに総ツッコミだ。俺も頬を膨らまして抗議した。
トゥルキは腕時計を俺たちに見せるように手を上げる。

「日付は変わってまーす、社畜な一日を!では」

トゥルキはにっこり笑うとエンペラーくんを走らせて行ってしまった。

「くそ、時間選べモンスター…!」

エリアスが呟いた。そしてフィリックスに通信を繋ぐとなにやら真剣に話をしている。

「とりあえずフィリックスを追うぞ、出る」

その声と共にカイザー号が翼を広げてふわりと浮かび、一気にスピードを上げる。ラースもその後を追う。

しばらく飛んでいると、うしろから豪速球で何かが近づいてくる。ヘラクレス号だ。俺の応援で来てくれたんだな。

とたんにラースが赤くなった。ん?なんで?

「ヘラクレス…さっきは…」

シンクロしてるから俺にはラースの声が聞こえてくる。

「ああ、すまない…加減ができなかった…」

ん?何があったんだこいつら?ラースの首に軽い歯形…この犬歯の跡はヘラクレスだな。

こいつら情事の後か!
いや、人のことは言えない…。

「ラース…体、大丈夫か?」

俺は思いきってラースに尋ねてみると、ぎくりとラースが身を震わせた。

「シン…!?そ、そういうシンこそ…!」
「お、俺?俺か?俺は大丈夫…!」

ラースも俺のことに気づいてしまったか。お互いの五感を共有し合うと、隅々までわかってしまう。相棒ってすごい…!

「今日はエリアスなんだね」
「お前こそ、ヘラクレスなんだな…俺より多いぞ」
「え!?や、なっ…!し、仕方ないじゃん!みんな好きなんだから!」

ラースが動揺して俺に言い返してきた。

「シンだって、エリアスとフィリックスの2人もいるじゃん!充分多いよ!」
「お前こそ3匹じゃん!」

そして、ラースと俺の間に沈黙が流れる。

「なあ…ラース…」
「ん?なあにシン…」


俺は深呼吸をして、ラースにぽそりと呟いた。

「俺たち、ビッチコンビかも…」
「うん…シン、俺はそんなビッチなシンが好きだからね」
「俺も、そんなビッチなラースが大好きだ…」

わけのわからないことを言いながら、俺たちはより信頼を深めていった。

行く先には、とんでもないモンスターが待ち構えていた。

































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